カロルのメモリー
プロフィール
カロル | |||
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身長 | 156cm | 体重 | 43kg |
血液型 | O型 | 誕生日 | 11月17日 |
ラメント | 僕は僕でも僕じゃないかも (日 / EN) | ||
Song by | くろくも | ||
CV | 立花日菜 | ||
どこか周囲と距離を置いている、チェコス王国出身の少女。一週間しか記憶が保てず、その間の事をすべて忘れてしまう。そのため、忘れたくない出来事は手元の本に書き留めている。 |
メモリ一
1話
ぼくの記憶は、 七日間ごとに消えてしまう。
おそらくはその代わりに、 七日間ならすべてのことを記憶していられる——
それが、ぼくの持つ魔女の力だ。
だからそれを利用して、ぼくは必要なことを本に書き留めている。
忘れても読み直せばいい、というわけだ。
なぜこんなことになったのか、ぼくはどうして魔女になったのか——
そういうことは、残念ながら書いてないんだけどね。
2話
この本を読んでる間、 ぼくは過去の記憶をなぞっている。
楽しいことや悲しいこと、自分にとって重要なこと。
今までのぼくが書き留めてきた、覚えのない足跡。
跳ねるように軽やかな文体の時もあれば、まるで曇り空のようにどんよりしている時もある。
その時の気持ちが見えるみたいで、我ながら可笑しい。
ぼくは覚えていられないから、自分の記憶でもこうして改めて知るしかない。
不便にも見えるだろうけど、嫌いじゃないんだ。
自分が主人公の物語を読むような感じがして、この時だけは、少し楽しい気分に浸れるから。
3話
このページだけ、やけに開きやすい。
きっと、 今までのぼくのお気に入りでもあったんだろう。
内容は、パーティに行ったってだけのなんの変哲もない日記。
だけど、 本当に楽しかったんだろうな。
ぼくの文章はいつになく饒舌だ。
思わず読み進めてしまうけど、同時に胸をちくりと棘が刺す。
日記の中で楽しそうにしているのは記憶にない自分だ。
まるで友達を取られてしまったかのような錯覚。
それを味わう度、自分自身に嫉妬している情けなさで嫌になる。
4話
これ以上、 思い出を増やしたくなかった。
このままではきっといつか、絶対に忘れたくないなにかに出会ってしまう。
どんな言葉でも書ききれないような、素敵なことに。
ううん……もしかしたらもう出会ってるのに、書き留めてないだけかも。
だって、忘れたことすら忘れてしまえば、痛みはないから。
5話
書いては消し、消しては書き——
それでも表現することができない。
胸がどきどきするような喜び、そして芽生え始めている気持ち。
きっと、あと数日あれば芽吹くはずの、この感情。
あと二日。
刈り取られる前に、書き残さなければ。
だけど、めくったページの先——
ぼくは、見つけてしまった。
一言一句違わぬ言葉を。
試行錯誤した跡すら、ぴったりと重なる文章を。
ああ、なんだよそれ。
またぼくは同じことを繰り返していたんだ。
6話
六日目。
ぼくは、後悔していた。
今日もまた、結局みんなに付き合ってしまったんだ。
あんなに放っておいて欲しいっていったのに。
ひどい態度も取ったのに。
みんな、懲りずにぼくのことを構ってきて——
ううん……違う。
本当にいやなら、ぼくがどこかに消えればいい。
なのに、こうやって本に書いて思い出を残して……また、 繰り返す。
なんだ。
会いたいと思ってるのは、 ぼくのほうじゃないか。
何度だって仲良くなってくれる、大切なみんな一一
うん。もう大丈夫。
ぼくは……幸せ者だったんだね。
7話
先輩は、こんなぼくを飽きもせず構ってくる。
ほんと、物好きで面倒くさい人だ。
「ぼくは魔女として、世界中の呪いを解く
お手伝いをするだけだ」 って、
会ってすぐの頃のページには書いてたのに。
気づけば、本の中には先輩のことばかり——
というか、ぼくもさっき書いたばかりだ。
この調子でいけば、この本のほとんどが先輩の事で埋まっちゃうんじゃないだろうか。
……それもまあ、悪くはないけど。
今日は、七日目。
明日のぼくは、次のぼくだ。
新しいぼく、いいかい?
先輩には、優しくしてあげてね。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
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