【白猫】こねくりだんじょん Story2
目次
おかしいな……地図の通りにきたけど、ダンジョンの入り口に着いたぞ?
なんやこの人だかり……!
あれは冒険学者のクリストファーさん!流れる老兵テディオさんもいる!
詳しいな!
逆になんであんたは詳しくないの?
世界の常識!?
冒険家たちが大集合だね!
ライバル多すぎやで、みんな宝が欲しくてたまらんのやな。
最深部に眠る絶世の美女は、このカウボーイのものさ。
黄金のハチミツは私のものだよ!ぶーーーん!
宝の解釈がそれぞれ違うんだけど?
噂が噂を、ってヤツやな。
お宝はアタシのもんだ!
ぷんぷん!生ハムは渡さないの!
先をこされつつある……
俺ッチたちも続くで!
待って!その前に、日課を!
木の前に立って、なにする気や?
ジャーンプ!
飛び越えた!?
コルネちゃんに言われたとおり、毎日苗木を飛ぴ越えてたおかげだね!
なんの木か知らんが、高すぎやろー!
それじゃ、いこう。
(めちゃくちゃなヤツらやな……せやけど、こいつらとならダンジョン攻略も……
成り上がったるでー!)
story4 攻略本
フヒー!キケン!キケン!
この前、来たときと構造が変わってるぞ!
このままじゃ勝てねえ!みんな、あきらめろ!
コルネちゃんとダンジョン♪コルネちゃんとダンジョン♪
リリア、近い。
だって、久しぶりでうれしいんだもん!
俺ッチもダーンジョン♪
あ、こんぼうが落ちてる。じゃあさっそく……
投げ捨てんといて!こんぼうよりは強い自信あるから!
魔物や!
しまった!まだ初期装備のままなのに!
すぐそれ言うー!
どけ!雑魚が!
え?
邪魔するなアル!ホワチャー!
センパイたちには負けないっすよ!
オレが宝を拒んでも、ユーヤがそれを許さないぜぇ!
……なにもしなくても、みんなが魔物を倒してくれるね。
後手にまわったらあかん!俺ッチたちも攻めるんや!
この最強の剣ルグノ――
スサノスティングで!
ルグノスティングで!って、ちゃうわ!混ざったやろがい!
ねえ、シルフィー。あの剣……精霊?
そうみたいね。しかも、とんでもないソウルだわ……
もしかしたらあれが、初代王と契約したっていう……
じゃあ、精霊の故郷の手がかりが……!
罠がないか調べよう。
剣を壁にガリガリすなー!
やっぱり気のせいかしらね……?
罠はないみたい。先に進もう。
まったく、体が削れたかと思うたわ……
待って、コルネちゃん!『細い通路は魔物に挟まれる危険性がある』
って、本に書いてあるよ!
なんやそれ?
パパとママが旅の問に記した<攻略本>だよ!
攻略本て!?
攻略するための本だよ。
他にどんな解釈の仕方があんねん!
わかってるなら黙ってて。
ひどくない!?
……ねえコルネちゃん、あそこにアイテムが落ちてるよ!というか、並んでる?
武器に草に、壷なんかもあるね。あと、常連客の商人さんの置物も……
私は本物だよ!
こないなところで、なにしとんねん?
ダンジョン内では、高値で商品が売ダンジョン内では、高値で商品が売れるんだよ。
その手があったか。
コルネちゃんにはお世話になってるからね。サービスしとくよ。
あいにくお金が……そうだ。
お、おい、なに剣を床に置いとんねん!……まさか!?
売ります。
ほらー!
な、なんだいその剣は……凄まじい力を感じる……これなら億はくだらない……!
そんなに?
残念だが、そんな金はない。出せて200万ゴールドだ。それでも売るかい?
そんな条件で売るヤツがおったらアホやで。
…………
ここで見送れば、買い手が見つからないかもよ。
売ります。
アホーーーッ!!!!
story5 猫はしゃべらない
ヘバァ!?魔物です!
あいつらには打撃が効かないんだよな……
パーティを編成し直すぞ!
ダンジョンの中は冒険家たちでいっぱいね。
お宝はアタシたちのものよ。ぎ~にゃ~~……
キャトラに勢いがない……!
だって、ここのところ山菜しか食べてないのよ……
山菜も美昧しいわよ♪
うわー!落とし穴だー!
トラバサミなど、この鎧には通用しない!
わあ~、星たぬきハウスだ~♪
そこら中、罠だらけね……!
橋の上にいる、あれは……!
諸行は無常なり。
ベンケイだわ!逃げるわよ!
どういうこと……!?
!
今度はなに?
コルネちゃん、どこ―!
ごめん。武器拾ってた。
なにしとんねん。俺ッチがおれば、そんなガラクタ必要ないやろ。
あんたが騒いで売らせてくれないから……
当然やろ、あんな取引!
せやけど、武器拾うたら投げる言うてたのに。ようやく俺ッチの価値に……
そうだ。投げなきゃ。
あかん、墓穴掘った。た~すけて~!
どうしました?
ちょっとそこ行く冒険家さんたち、聞いとくれよ。
俺ッチってばすんごい精霊やのに、だーれも認めてくれへんのや。
アンタ、精霊なんだ?
おたくら、話通じそうやな!
お仲間はそうじゃないの?
見ての通り……
きみ、女の子みたいな声だね。
主人公は男の子よ。
他人事みたいにしゃべるんだね。
しゃべってるのは主人公じゃなくて、アタシよ!
どういうこと?
下を見て、下を!
子猫?
そう!
猫がしゃべるわけないでしょ。
そうだよ!猫がしゃべるわけないよ!
なんなのコイツら!?
ただのひねくれもんと、真に受けるヤツや。
めんどくさい連中ね。アンタもたいへんでしょ?
そうなんや、こいつらと一緒やったら、ダンジョン攻略は夢のまた夢……
てなことで、お願いや!俺ッチたちとチーム組まへんか?
うーん。
いいじゃない。仲間は多いほうが心強いわ。
それもそうね!その代わり、宝は山分けだから。
よっしゃ!よろしく頼むで!
勝手に話を進められた。
story6 シナジーブレイク
岩が道をふさいでるね……
これじゃ先に進めないじゃない!
ふっふっふ、ついに俺ッチの――
スサノ――
俺ッチの出番やなあああ!!!
むー。
さあ、コルネ!この剣でスパッとやりーや!
ふむふむ!アンタ精霊っていってたものね!なら剣になれるのも道理ね!
キャトラが急に説明を……!
剣で岩は斬れぬ。引き返そう。
大丈夫や!俺ッチをみくびるんやない!
だから斬れぬと言っておろうに。
お、おい!どこいくねん!戻れ!
魔物よ!気をつけて!
あ。
<コルネは盛大に転び、剣を手放した。>
剣が魔物のほうに飛んでいくわ!
ちょっと当たっただけで魔物を……!
どや!これが俺ッチの実力や!ちゃんと剣として扱えばさらに……
擦りむいた。
コルネちゃん、大丈夫!?
私が治してあげますね。
俺ッチの活躍見といてよー!
これに、つまずいた。
石?
ルーンだよ。
どこからどう見ても石じゃない?
いや、ルーンだって。素人目にはわからなくても、私にはわかるのだ。
へ?石が光って……
『<粉砕のルーン>は石とよく似ているため、見分けるのが困難だ』
って、本に書いてあるよ!
なによその本!?
とりゃ。
<粉砕のルーンを岩に投げつけると、大爆発を引き起こした。>
……これで先に進める。
待てーい!さっきのあれはなんや!目利きとかそういうレベルやない!
ルーンに込めたソウルの量に対して、あないな威力ありえへんやろ!
どんな手品を使ったんや!
コルネちゃんにはシナジーブレイクっていう力があるんだよ!
シナジーブレイクを使うと、武器や道具の力を権限まで引き出すことができるんだよ!
…………
なんや?顔赤いで。
あっち向いてホイ。
え?
はい、右向いた。負け。
???
早く進もう。
コルネちゃん!あたしもあっち向いてホイしたい!
なんやこれ!なんやこれー!
story7 モンスターハウジング
毒沼とか、めんど~。
危険です!みなさん引き返してください!うおおおおおおっ!!!
地上に戻りたい方は私の風で!ヒュー・ピュー・ゴー、風・来!
どうする?
本によると『毒沼の先にあるスイッチを押せ』だって!
そうやとして、どないして渡るん?
毒がまわらないくらい速く走ればいいんじゃない?
どゆこと?
さすがコルネちゃん!ナイスアイデアだね!やってみるよ!
やるんかい!?
たああああっ!!!
<リリアが毒沼の上を駆け抜けていく!>
速い……!?
あっという間に、毒沼を渡りきったわ!
スイッチ押したよー!
毒沼が消えたで!
戻ってきたよー!
ええっと……毒は平気?
うん!速く走ったおかげだね!
んなアホな……
みんな気をつけて!魔物よ!
『ゴーレムに近づくと、つかまれて危ない』って、書いてあるよ!
近距離武器やと相性悪いな。どないする?
速く動けば、つかまらないんじゃない?
コルネちゃん物知りだね!わかった、やってみる!
やるんかい!
たああああっ!!!
き、消えた……?
ゴ―レムの真上よ!
くらえ!これが伝説の剣スサノスティングだー!
――あっ――
木の棒がすっぽ抜けたわ!
こうなったら!パーーーーンチッ!!!
これがスサノスティングの力だ!
素手やったやないかーい!
これはもう、アレね。あの子ってば……
身体能力が高いだけだわ!
コルネちゃんのアドバイスのおかげで勝てたよ!攻略本より攻略本だね!
……ま、まあね。
なんでもええわ。この調子で、バンバン進むでー!
あんたが仕切るな。
待って!また魔物の気配が……しかもこの数……
ぎにゃー!?なにこの部屋ー!
『モンスターハウジング』だって!
攻略方法は?
『狭い通路に誘い込んで、一匹ずつ倒す』って書いてあるよ!
おし!そこの通路まで走るんや!
走ったよ!
速っ!?もう着いたんか!
アンタたちも早く!
みんな速いやん……
えっほっ、えっほっ。
シャキっと走らんかい!
これでも真面目に……
コルネちゃーん!こっちこっちー!
ん?なんや、床にひびが入っとるで?
大変!この魔物の数……床が抜けるかもしれないわ!急いで通路に!
!
のわあああああっ!!!!
<コルネたちは暗闇の底に消えていった。>
どうしよう!どうしよう!
そうだ!あたしも!
まさか飛び降りる気!?やめなさいよ!
止めないで!コルネちゃんが!コルネちゃんが!
落ち着いて。下にいく階段を探しましょう。
あの子なら、きっとあの子なら、きっと無事よ。
階段はどこ!どこにあるの!
構造的に逆サイドにあると見たわ。
逆サーーーーーイド!
コラーッ!冷静になりなさいったらーっ!
ああっ!?こっちにも魔物よ!
うりゃあああああああっ!
まだまだ来るわよ!
邪魔だあああああああっ!
コルネちゃーん!コォーーーーールネちゃあーーーーーーん!
コラーッ!冷静になりなさいったらーっ!
キャトラー!?
落ちてる……?じゃあもうすぐ死ぬ……?
私、ここで終わるの……?借金も返せず……なんの役にも立たずに……そんなの……
いやだあああ!!!!
<コルネの持つ剣が輝き出す!>
こ、この力は……!