【白猫】義勇・思い出
富岡義勇 cv. 鬼殺隊隊士の最高位「柱」の一人。 炭治郎を鬼殺隊に導いた人物。 |
2020年4月28日 〜 5月29日
鬼滅の刃プロジェクト
思い出1
<夜帷の島で繰り広げられた鬼たちとの激闘から、しばらくして――>
<一人の剣士が、飛行島を訪れた。>
…………
あら、義勇じゃない。いらっしゃい!
こんにちは、冨岡さん。飛行島へようこそ♪
で、今日はどーしたの?
……挨拶にきた。
先日の戦いでは、世話になった。
あいさつにきたんなら、まずは元気な声でしっかりあいさつしないとね?
ヤッホー!ってね♪
…………
キャトラったら。あまり無理強いは……
やっほう。
……今のでいいのか?この世界での挨拶は。
ちょっと元気が足りないけど、まあよろしい!
もう……
アタシたち、ちょうどおやつにしょうと思ってたトコなんだけど、アンタもどう?
おやつ?
美味しい大福があるんです。お茶も滝れるので、ぜひごー緒に♪
…………
……すまない。こちらから訪ねておいて、手土産の用意を忘れた。
いいわよ、そんなの別に。
そういうわけにはいかない。
いえ、気にしないでください。
今から買ってくる。
いや、だからいいってば!
気にするな。
こっちが気にするわよ!
心配は不要だ。こちらの世界の通貨も、ちょうど持ち合わせている。
先刻、魔獣に襲われていた通行人を助けたとき、気持ちだと言われて……
いやそうじゃなくて、どこの世界にお客さんを追い返してお土産買ってこさせるやつがいるのよ!
ハイ座る!そしてくつろぐ!
……だが。
いいから!アンタは黙ってもてなされてなさいな!
…………
黙りっぱなしは怖いから、なんかしゃべって!!
わかった。なんの話をすればいい?
自分で考えて!
ふふ。冨岡さん、面白い人だね。
思い出2
はッ!!
……!
イサミと義勇、どーしたの?おやつの取り合い?
違うよ、手合わせだって。イサミさんが冨岡さんに、ぜひって。
せあああ!!
ふっ!!
ふう……今日は無理やり稽古に付き合わせてしまい、申し訳ありませんでした。
構わない。先日の戦いでは世話になった。
礼代わりとは言わないが、この程度なら付き合う。
とんでもない。夜帷の島で助けられたのは我々の方です。
……そんなことは。
いいえ。冨岡殿の振るう剣は凄烈かつ流麗。
…………
果たしてどれだけの研謨を経てその領域へと至ったのか……私には、及びもつきません。
……呼吸法という技術を習得している。
人の身で鬼を討つ力を得るために。
呼吸法、ですか。興味深い。
そもそも……俺は、未熟だ。
鬼殺隊の実力者たちの腕は、こんなものじゃない。
……冨岡殿の世界における鬼退治のー叢は、並ならぬ修練と強い信念のもと、戦っておられるのでしょうな。
いかがでしょう?お茶でも楽しみながら、もっとあなたの話を聞かせてはいただけませんか?
…………
ねえねえ、義勇?
なんだ。
アンタはいいヤツなんだから、もっと明るく振る舞った方がいいんじゃないかなって思うの。
いつもむっつり顔してると、周りから嫌われちゃったりして、もったいなくない?
俺は嫌われていない。
いやうん、知ってるけどそういうことじゃなくてね。
それなら……
でも出会うひとみんな、アタシやイサミみたいにフレンドリーじゃないワケよ。
もっと普段から笑ったりほがらかにしてれば、知らないひとから変に怖がられることもないでしょ?
俺は、怖がられたことなんてない。
キャトラの考えすぎだろう。
……アンタ、さてはアレね?ちょっぴり独特なひとね?
キャ、キャトラ……
イサミ!アンタからもなにかゆっておやり!
だぁ~ひゃひゃひゃひや!い~じゃね~のぉ別にぃ~♪
<――イサミが無理やり義勇と肩を組んだ!>
いよっ!今日も男前が冴え渡るねえ~~♪羨まし~こおったぁ~!
いや……
イサミさん……シュゴウさんから離れていたから、<酪責素面反転の呪い>が……
ふんとにもう!相変わらずなんだから!
ー緒に踊ろ~ぜぇ~!わひゃひゃひゃひゃ!!
…………
……なによ義勇、その目は。
これでわかっただろう。嫌われている奴が、ー緒に踊ろうなどと誘われるはずがない。
酔っぱらいに絡まれてるだけよ!!
思い出3
はい、冨岡さん。お茶をどうぞ。
ありがとう。
いい天気ねぇ……
ああ。
もー。義勇ったら、今日も相変わらず仏頂面なんだから。
…………
もう、キャトラ?
構わない。
キャトラがすみません……
だってさ、ー回は見てみたいじゃない?
義勇がご機嫌そうにしてるとこ。
……そうだ!今日の夜ご飯、ちょっと奮発しましょーよ!
美味しいご飯を食べれば、義勇の仏頂面も笑顔に変わるかもしれないでしょ?
じゃあ今夜のご飯は、いつもより気合を入れようかな。
いや。そこまで世話になるわけには……
ちょうど今朝、市場で美味しいお魚と大根が手に入ったからー
お、反応したわね!さてはアンタの大好物かしらん?
……いや。
腕によりをかけて作りますね♪
ご飯ができましたよ♪
今夜のおかずはブリ大根です♪
…………
なによ……その『おしい』って顔は!
そんな顔はしていない。……いただきます。
はい、どうぞ。お口に合うといいんですが……
…………
……!
お味はどうかしら?
――なーんて、その様子なら聞くまでもなさそうね♪
思い出3
よしっと。これでお買い物は全部かしら?
冨岡さん、今日は買い出しに付き合ってくれてありがとうございました♪
構わない。昨晩の料理は、美味しかった。
ふふ、ありがとうございます♪
――フローキの坊主、まだ見つかってないんだって?
――ああ。もう今ごろ、<ヌシ>に喰われちまってるかもな……
ねえ、ちょっといい?
なんか今、聞き捨てならない話してたみたいだからさ。
なにか困っているのなら、力になれるかもしれません。
ああ……村の子どもが、今朝から行方知れずになっていて……
森に入ったってことまではわかったんだが……まだ見つかってないんだ。
さっき言っていた、ヌシというのは。
この島の森に棲んでる魔物さ。デカくて凶暴で、誰も倒せねえ。
何度か冒険家ギルドに討伐を依頼したが、みんな返り討ちになっちまった。
時おり村にも下りてきやがる。島の者らも、もう山ほど喰い殺されてる……
あの子も――フローキの坊主も、きっともう……
…………
諦めるには早いわ!アタシたちも探しにいきましょ!
俺も行く。
急ごう。
すでに日が傾きかけている。
ま、待て!悪いことは言わん、やめておけ!
そこらの冒険家じゃあ、ヌシには勝てん!喰われるだけだ!
そーいうわけにはいかないわ。
私たちが必ず助けます!
だが、あの子は……フローキは……
……?
思い出5
……まずいわ。夜になっちゃった!
……フローキくん、お願い!返事をして……!!
――!
ぐぅるるるるるる……
あ、あ……
(浅かったか)
……え?え……?
怪我は。
はぁ、はぁ……大丈夫!?
アンタがフローキって子ね!?よかった、無事で……!
……どう、して……
――どうして邪魔したんだッ!?
もう少しで……もう少しで、僕も喰ってもらえたのに……!
なんでよ!?死にたかったっていうの!?
そうさ!だってヌシに喰ってもらえれば……
僕はきっと……もうー度……!
――喰われたのか。
お前にとって、大切な誰かを。奴に。
……そうだよ。そうさ……
父さんも、母さんも……兄ちゃんも、姉ちゃんも……まだ赤ん坊だった弟も……ー年前に、みんな!!
僕だけが、たまたまその晩に熱を出して、医者の所にいて……助かったんだ……
死者と再び会うすべなどない。
同じ獣に喰われ、同じ胃の腑に落ちたところで……
お前の家族はもう、この世のどこにもいない。
ちょっと、義勇……!
そんなの、わかってる……でも、もう……どうでもいいんだ……
奴に喰われて、もうー度……家族と同じ場所にいければ……
僕はもう……それで、いいんだ……
ぐぅるるるるるるる……
あ、あぁ……
怖いか?
……怖く、なんか……!
あのおぞましい姿を見て……お前はまだ、奴に喰われたいと思うか。
生きることを、諦めるのか。
でも……でも!!
まずいわ……やっつけないと!
……主人公?
なんで止めるのよ!?
<――だって。義勇の目が、言っている。>
<『手を出すな』、と――>
思い出6
ぐるぅぅああああああ!!!!!
<ヌシの強大な爪が――二人に向かって、容赦なく振り下ろされる。>
<――が――>
―――
…………!?!?!?
え……?どう、して……
<振り下ろされた巨大な爪は、少年と義勇を避けるように素通りし、地面に突き剌さっていた。>
<まるで――誰かの意思が目に見えぬ力と化し、彼らを守ろうとしたがごとく。>
立て。
お前の絶望も、恐怖も、哀しみも。
立ち上がり、そして……立ち向かわなければ、決してなくなりはしない!
……!!
――怒れ!己の目でしかと見据えろ!大切な家族を奪った仇を!!
ぐるううううああああ!!!
許さない……許さない……!
みんなを殺したお前を……ぜったい、許さないッッッ!!!
水の呼吸・肆ノ型――
<鬼気こもる幼子の叫びに気圧され、ほんの刹那、動きを止めた虐殺の獣の首を――>
――打ち潮
<――流水のごとき静かなる一閃が、音もなく断ち斬った。>
…………
……アンタが助けてあげたんだからなにか声かけてあげなさいな。
何を言えばいいのかわからない……
主人公。その光は……?
ルーンの光。冨岡さんとの絆の光。あなたを、導く光です。
……温かいな。まるで、陽の光のように。
礼を言う。伝えるべき言葉が……見つかった気がする。
少年。
…………
見ていたか。振り下ろされた奴の爪が、なぜかお前を逸れたことを。
……うん。
あれは……奴に喰われたお前の家族の意志が、お前を守ったのだと思う。
どうか生きてほしい、と。
――そう、願ったのだと思う。
………………ぅ……
うわああああああああああん……!
ふわぁ……結局、朝になっちゃったわ……
でも、助けられてよかったね。
……なんだ?主人公。
<――あの時。目では捉えられなかったけれど、これだけはわかった。>
<義勇の剣が、振り下ろされたヌシの爪を逸らしたのだ、と――>
え……っ!?あれって、アンタの仕業だったの!?
……優しいんですね、冨岡さん。
…………
……あの子、元気になってくれるといいわね。
うん。辛いだろうけれど……
――大丈夫だろう。
<別れ際、あの少年が瞳の中に宿した強さを、俺は見たことがある。>
<あの日、あの雪山で、妹を守ろうとするあいつが見せたような――あれは、決意の炎の色。>
<燃え立つような、命の色だ。>
覚醒絵・覚醒画像
水柱 富岡義勇
その他