【白猫】THE・100物語 Story
開催期間:2017年10月31日(火)~2017年11月24日(金)
story 怖~いハロウィン
「お菓子をくれないとイタズラしちゃうのだー。
「ひえっ!?
「もやしでもいいわよ。
「ひええええっ!?
「くっ……逃げられた。
「もぉー、なになになにー!
「お、おい!ちゃんと前見て走れよな!
「ひえ!?すいません!
「なんかこの島、おかしいよ。怖い恰好のひとばっかでさ……
<よそ見をしながら走る少女の前を、おばさんが横切った。>
「あ、やば、ストーップ!!!
「うわっ!?
「とととと、とーーーっ!……ふう、ごめんなさい。
「…………
「あっと、えっと、その……
「わかってる。トリックオアトリートってやつだね。
「へ?
「でも、ごめんね~。お菓子はもってないんだよ。トマトならあるんだけどね~。
「え!?トマト!?大好物なんだ~♪欲しい!
「そいつはよかった。はい、とれたて新鮮だよ。
「わ~い、ありがと~♪
「ルミエ、こんなところにいたか。
「あ、ダディ。
「すいません。うちの娘がなにやらご迷惑を……
「いえいえ、今日はハロウィンですし。
「お詫びといってはなんですが、こちらの本をどうぞ。
「『オドロの眠れない怖~い話』……これ、あなたの本?
「そうなんですよ。そうなんですよ。実は私、<怪談師>でしてね。
「ああ、たしか今日ここで講演会を開く予定の……
「ええ、よければ私の怪談を聞いていってください。
……っと、急いでるんだった。ではこれで。
「がんばってね~。
「やれやれ……ルミエ、目を離すとす~ぐどこかに行くんだもんなぁ~。
「だって……いきなり、怖い人ひとに声をかけられたから……
しかもいつの間にか、羽根とかつけられてるし……
「そりゃこの島でハロウィンをやってるからね。
「そのハロウィンってなに?
「本来は収穫を祝って、悪霊を追い出す祭りらしいんだけどね。島によっては風習が違うんだな。
ちなみにこの島では、こわ~い雰囲気の仮装をして、みんなでパーティーを開いてお祭り騒ぎ。
おかげで観光客も多いんだな。私たちの島も見習わなきゃ。
「やだよ。なんでわざわざ怖いこと……
「ルミエ……私たちはおばけなんだから、もっとしっかりしてほしいな~。
「おばけっていっても足あるし。病気だってするし。
だいたい怖がりになったのも、小さいときからダディの怪談を聞かされ続けたせいで……
「そこは我慢してほしいなぁ。
「そうです!島のPRのために怖いのは我慢していただかないと!
「ひええ!?いきなりなんか出たー!
「ウィー!おばけなので神出鬼没なのです!
「おお、バケコちゃん。相変わらずテンション高いね~。
「オドロさんのほうこそ、調子がよさそうで。今日の講演会、期待してますよ。
「まかせてください。すべては、おばけの島のために。
<<おばけの島>はかつて、おばけ屋敷などで観光客を呼んでいたが……
現在はバケコらの復興活動により、本来の活気を取り戻しつつあった。>
「まいどまいど、各所に飛んでもらってすウィません。
「いいえ、こちらこそ。バケコちゃんが主催するイベントはお客が多くて助かります。
「そういってもらえると、心強ウィです!
ではでは、そろそろ時間ですのでスタンバウィーを!
「はい。
「待って、ダディ……
「どうした?また見学したくないなんて言うんじゃないだろうね?
「腰が抜けて動けない……
「もしや、私のせいで?
「はあ……いつが最後になるかわからないのに……
「え?なに?
「……先に行ってるから落ち着いたら来なさい。
「う、うん……
「大丈夫ですか?
「あ、ありがとう……なんとか立てた……
「ささ、会場に。
「その前に……トイレ……
「はウィ……
story オドロの怪談
「この方はあの~、劇団員をやっていましてね。
今でこそ人気俳優ですが、下積み時代はかなり苦労したようで。
で、5年くらい前になるのかな。その彼がそこそこな役をもらいはじめるようになったときに起きた話なんですがね。
――続きは本編で。
ハロウィンイベント
THE・100物語
~ラッキー・ラブリー・ドキドキナイト~
あらすじ
ハロウィンで賑わう島にやってきたおばけな親子!
古の100物語が巻き起こす、怖くておかしな奇跡とは――
next
THE・100物語 Story0
THE・100物語 Story1
THE・100物語 Story2
THE・100物語 Story3
THE・100物語 Story4
THE・100物語 Story5