【白猫】スウィートカラフルバレンタイン! Story
甘くてステキな想いをこめて、ハッピーバレンタイン♪ |
story妹からのプレゼント
ミレイユ |
あのさ、今日はなんの日だか知ってる?
ほら、<バレンタインデー>だよ。バレンタインデー!
えっと、それでね……実はカティアさまに教わってね……
その、あの……こ、これ!
ミレイユは、可愛らしくラッピングされた小箱を差し出した
ハ、ハッピーバレンタインデー!
チョコ……初めて作ってみたんだけど……食べてくれないかな?
あ、だいじょうぶ! カティアさま直伝のレシピだし、ちょっと自信作なんだ。
どう? ……おいしい?
そっか~、よかったぁ~……
え? 自信作って言ってたじゃないかって?
そ、そうだっけ? あはは……
でも、おいしいって言ってもらえてほんとによかったよ……
実はちょっと作りすぎちゃって、これからお世話になった人たちに配りに行くんだ。
それじゃあ、行ってくるね! ……あ、そうだった!
チョコ、食べてくれてありがとね。お兄ちゃん!
<お世話になった人たちへ>
storyチョコレート・フォー・ユー♪
「やっほ♪ ひ・さ・し・ぶ・り。
「エルじゃない。どうしたの?
「『どうした』って、今日がなんの日か知ってるでしょ?
「あー……そうね。バレンタインね。
「そ、バレンタイン♪ そんなわけで、チョコをちょこっと手づくってみましたぁ~♪
って……あれ? 反応わるくない? もしかしてチョコ嫌いだった?
「違うわ! 渡し方がなってないのよ!
今の主人公は『はい、あげる♪』くらいじゃ、もう満足しない体なの!!
「え、そうなの?!」
……違うみたいだけど?
「違わない!
アンタがどうしても渡したいなら、本気のとこみせてみなさいよ!
「本気……本気ねえ。まあでも、たしかに普通に渡すんじゃ、面白くない、か……
じゃ、ちょっとだけお姉ちゃんのホンキを見せてあげようかな♪ ね、主人公?
あのね、今日、キミがいくつのチョコレートをもらったのか、私は知らないわ。だけど……
きっと私のチョコレートが、いちばん甘いわよ♪
キミヘの気持ちをたくさん込めた、バレンタインの特別な贈り物……受け取ってくれるかな?
ありがと♪ それじゃ、最後にひとつお願いね。
お姉ちゃんのチョコ、誰にもあげないでね。やくそくよ♪
フフッ♪ ちょっと恥ずかしかったけど、受け取ってもらえてよかったわ♪
「……アタシからけしかけといて、なんだけど……やりすぎでしょ……
「まあまあ、いいじゃない。
せっかくのバレンタインなんだし、楽しまないと♪
「……そりゃ、そうだけどね……
「なら、キャトラも楽しんで。はい、ハッピーバレンタイン♪
「え……アタシにもあるの!?
「もちろん。当然でしょ♪
「お、おねーちゃーん!! ありがとー!
「フフッ、どういたしまして♪
<あま~いおくりもの>
story3 トリックオアチョコレート
「いらっしゃい……ランプ屋<コンダクトライト>よ……」
「こ、こんにちは。」
「あら、あなた……いつも買いにきてくれてありがとう……
よっぽどランプが好きなのね……」
「い、いえ、その……」
「今日はどんなランプをお求めかしら……?」
「え、えっと……『今日』は……そ、その、バレン……」
「なに……?」
「……いえ! 新しいランプを仕入れたと聞いて買いに来たんです!」
「そう……うれしいわ……
はい……これよ……
カボチャの形……私も気に入っているの……」
「お、お代は……ここに……」
「くすっ……どうも……大事にしてね……」
「…………」
「どうしたの……?」
「い、いえ!? ででで、ではっ!」
「また来てね……」
(はあ……かんじんなときにいつもこれだ……)
「きゃっ!?」
「あ、明かりが……!? 店主さん、大丈夫ですか?」
「ええ……へいき……」
「あれ? 明るくなった。」
「驚かせてごめんなさい……
オバケたちがイタズラをしたみたいで……」
「オバケ?」
「お詫びにキャンディーあげる……」
「へっ? あ、ああ、ありがとうございます……」
「ランプ……落とさないように、しっかり持っててね……」
「……は、はい! それではまた!」
***
「キャンディーか……まあ、これでもいいか……
ん? ランプの中に箱が……
こ、これって、チョチョチョ、チョコ!?
いったいどういうこと? さっきまでこんなの……!?」
***
「あなたたちのせいにして……ごめんなさいね……」
『♪』
「でも、うまくいったみたいね……サプライズ……くすっ。
イタズラしちゃった……♪」
<イタズラしちゃカカオ>
story4 恋人たちの
旅の語り部は、物語を語り終えた。
数奇な運命に翻弄されし若き傭兵と革命家の物語を。
「聞いてくれてありがとう。」
鳴りやまない拍手。語り部は優雅にー礼する。
「……来てくれたのね。」
男は、無骨にうなずいた。
「これを、あなたに……」
語り部は、男にチョコレートを渡した。
男は贈り物を手に、じっと立ちすくむ。
「あなたに聞いて欲しいの。
あなたの物語を――」
語り部は、ゆっくりと語り始めた。
それは遥かな昔のこと。誉れも高き聖王国の御代。
玉座の主は、愛を禁じた。
恋人たちの守護者たる愛の神も、その信仰を禁忌とされた。
愛の神を奉じる者たちは、改宗した。
ただー人、醜いその男をのぞいては。
男はたったー人、信仰を捨てず恋人たちに祝福を与え、縁を結びつづけた。
男は捕えられ、王の御前に引きずり出される。王は笑った。
『なんと醜い男よ。こんな男が、愛の神に仕え、恋人の縁を結んでいたとはな』
男は答える。
『笑うがいい憐れなる王よ。この俺の醜き姿を』
『まさか、お前を愛するものがいたとでも?』
男は答える。
『あったのは、ただ俺の恋だけだ』
王はますます笑う。
『なんと空しき恋か。その想い故、汝は首を失うのだ』
男は答える。
『想いは消せぬ』それが――最後の言葉となった。
男によって結ばれた恋人たちは、男がこの世を去った日を、恋人たちの記念日とした。
そう、あなたの……
男は……こつぜんと消えた
恋人たちを祝福し続けた男は、消えぬ想いを抱いて、千年の夜を彷徨っていたのだ。
男が恋を抱いたのは――オアシスの花と称えられる、語り部だったという。
語らせてね。あなたの物語を。
永久に消えぬ想いを……
<永遠の想い>
story5 バレンタイン・キャット
「ねー主人公! アタシにもチョコちょーだい!
ねーねーねーねー! ちょーだいったらー!
ちょーだいちょーだい! チョコちょーだいってー!
ぎにゃー!
***
(……夢……?)
「おはよう主人公。今日はなんの日か知ってる?
<ばれんたいんでー>っていう、チョコをあげる日なんだって。
だから、ハイ。<かまちょ>よ。」
(かまちょ……)
「おかえし、期待してるわ♪ 力二カマ1トンね!」