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【白猫】ロベルト・思い出

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

ロベルト・ヒンメル cv.石井マーク
ルーン工学の技師で、発明を専門とする少年。
明るく元気なしっかり者。
2014/10/15




思い出1



やあ!僕はロベルト。ルーン工学の技師さ!どうぞよろしく!

<重い機械を背負った少年が、ニッと元気そうに笑う。>

ルーン工学の技師ってことは……ルーンで動く機械を作る人?

そ、なかでも僕は、新しい機械の発明が専門でね。

発明のネタを探そうと思って、この島に来たんだ。お世話になるからには、いろいろお手伝いさせてもらうよ!

じゃあ、ひょっとして、お願いしたら何か造ってくれる?

もちろん!任せて、なんでも言ってよ!

だったらぁ~……無限まんじゅう出し機つくって!

え。

私は、自動洗濯物干し機がいいかな……

あの。

あ、あと、しけったおせんべいをおいしく元通りにする機!

自動お風呂洗い機もあったらいいわね!

ってあたりで!

どうかしら!?

――<なんでも>とか言ってスイマセンでしたぁーっ!



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思い出2



よ、っと……

<ロベルトが、何やら機械をいじっている。>

あら、ロベルト、発明中?

はは、まあ、そんなトコ。青のルーンと緑のルーンを併用して食べ物を冷凍保存する機械を考案中なんだ。

すごい!それができたら、とても便利ね!

うん。でも、ルーンの力の調整が難しくてね。一朝一夕にはいきそうにないかな……

そんなに大変なの?ルーンの調整って。

試行錯誤の連続だね。特に、誰でもどこでもきちんと使えるようにするってなると……

??どういうこと?

えーっとね……実は、食べ物を冷凍保存する機械はある島でもう実用化されてるんだ。

え?じゃあ――

ただ、それはその島で採れるルーンじゃないと正常に動作しなくてさ、だから、全世界に普及させることができないんだ。

他にも、ある島にはナノマシンっていうすごい機械があるんだけど、それもその島のルーンじゃなきゃ動かないらしいんだ。

確かにそれじゃあ、誰でもどこでもきちんと使える機械、とは言えないわねぇ~。

そ。だから、僕らルーン工学技師は、一般的なルーンの組み合わせだけで機械を動かせるよう調整するのさ。

一部の人だけじゃなく、どんな人でも便利に扱える――ルーン工学の理想は、そういう機械を造ることだからね!



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思い出3



いいよなぁ……

<地面に腰を下ろしたロベルトが、微笑みながら空を見上げている。>

ロベルトくん?空を見ているの?

うん。好きなんだ。広々とした青空ってさ。いつか、思うままに飛び回ってみたいなぁ……

あら、だったら、そういう機械、発明しちゃえばいいんじゃない?

そうしたいけど……優先順位を考えると、難しくってさ。

優先順位?

空を飛ぶなら、飛行艇でもできる。

人が空を飛べるようになる機械があったら、最高に気持ちいいけど、急いで造る必要はないんだ。

それよりも、もっと人の役に立つ物を発明しなきゃ……

いいんじゃない?ちょっとくらい、自分の好きな物を造ったってさ~。

はは……なかなか、そういうわけにもね。

実を言うと、僕、ある街のスラムの出身でさ、天涯孤独の身ってヤツだったんだ。

そこで、その日のパンを得るためにありあわせの材料を使っていろんな機械を造ってたんだけど――

そしたら偉い公爵さまが現れて――おまえには見込みがあるから、発明のための資金援助をしてやる、って言ってくださったんだ。

そうなんだ……いい人なのね。

うん。本当に感謝してるよ。公爵さまのおかげで、僕は今、すっごく充実してる……

明日の心配なんてせずに、大好きな発明に好きなだけ打ち込めるんだからね。

だからこそ……僕の発明は、誰かの役に立つものでなきゃダメなんだ。

この幸せに、報いるためにはね!



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思い出4



あふぁ……

あら、大あくび。ロベルト、寝てないの?

ちょっとね~……昨日は公爵さまの屋敷に呼ばれて、いろいろドタバタしてたから……

研究成果の報告とか?

それはあっさりすんだんだけど、問題は公爵のお嬢さまでね……屋敷に行くと、いつもお嬢さまに……

まさか……身分が低いからとかでイジメられるの!?

なでくり回されるんだ。

…………かわいがられてんじゃん。

そうなんだよ……『弟ができたみたいでかわいいですわぁ~♪』って、とにかく頭をなでてくるんだ……

あ、なんとなくわかるかも。ロベルトくん、素直だし優しいし、かわいい弟って感じするよね。

お嬢さまは、僕にも気さくに接してくださる、すごくいい方なんだけど……

万が一にも非礼があったらマズいって思うと、汗ダラダラでさ……

あっちが親しくしてくれてるんならフツーに接すればいーんじゃない?

無理……恐縮と緊張で死ぬ……

考えすぎだってば。そこまで気を遣わなくても……

こんなによくしてもらってる身としては、気を遣って遣いすぎるってことはないだろ?

だから、お嬢さまが親しくしてくださるからって、こっちからなれなれしくするわけにはいかないし……

……あと、きれいなおねーさんに『かわいい弟』扱いされるのって、ふつうにめげる……

……フクザツなお年頃ね。

わかるだろ!?君も!?



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思い出5



…………

<ロベルトは大地に寝転び、唇をかみしめて、青い空を見上げている――>

ロベルト~?また、空を見てるの?

うん――

これで……見納めにしようと思って。

へっ?

空を……見納めに?どうして?

僕は……本当は、空を飛びたくて飛びたくて、しょうがないんだ。

ずっと、そうだったんだ――スラムにいた頃から。

見上げる空はいつも青くて……そのきれいさに、混ざりたかった。のびのびと、翼を広げて……広い世界を駆け回りたかった…

そのあこがれが、いつまで経っても消えなくて……息が詰まるみたいに苦しくって……

だから、この島に来たんだ。たぶん今、世界でいちばん空に近い場所に。

でも、だめだった。まだ消えない。ここにいても――あこがれがつのって苦しくなるだけだ……

じゃあ……やっぱり、造ればいいじゃない。自分で空を飛ぶための機械を!

それで、飛べばいいのよ!思いっきり!

それは……できないよ……

僕は拾ってもらった恩に報いらなきゃいけない。公爵さまが求めたのは誰かのために役立つ物を造る技師なんだから――

欲望に負けて、自分のためだけの発明をするようになったら――

それは公爵さまへの裏切りだ。申し訳が立たないんだ……!

だから……これで、最後にする。空を見るのは……あこがれるのは……最後に……!!



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思い出6



なんっ…だ――!?

ルーンの……光――広く澄んで……呑み込む……空のような――

気を遣いすぎよ、ロベルト!他人の役に立たなきゃって、しょいこみすぎなの!

うん。もっと、自分のためにがんばってもいいと思うよ。

他人の役に立つことだけしかしちゃいけないなんて、きっと公爵さんも言わないんじゃないかしら。

自分のために――

…………

……いや。やっぱりできないよ。自分のためだけの発明だけは……公爵さまに援助してもらっている身として、決して――

だから――

だから、うん。個人携行用の飛行装置を開発しよう。

…………え?

構想はあるんだ。使うべきルーンとそれにふさわしい機構のね。ただ、実現のためには、いろいろ試さないといけないことが――

ロ――ロベルト?えっと……それ、自分のためだけの発明ってヤツ――じゃ、ないの?

ううん、違うよ。

<ロベルトはニッと笑った。>

人間、作業を続けていればストレスもたまるし、発想も鈍っていく、今の僕がそうだ。このままじゃ、人の役に立つものが造れない。

だから――飛行装置を造って、のびのびと空を飛び回って――それでまた、人の役に立つための発明に戻ろうかなってね。

だからこれは、決して僕のためだけの発明じゃない!うん、ホント、決してね!

あっきれた……

はは――僕もだよ。こんな簡単な問題で、ずっとうんうん唸ってたなんてね。

でも、おかげで答えが閃いた。閃いたからには――あとは全力で立ち向かうだけさ!

見てて!きっといいもの、造ってみせるよ!



その他


・メインイベント

フォースター4th Story

フォースター5th Story

・サブイベント

・他

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