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【黒ウィズ】新説桃娘伝 Story

最終更新日時 :
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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん
2017/01/31 ~ 3/1

目次


Story1

Story2

Story3

Story4

Story5

最終話





story0 プロローグ




むかしむかしあるところのお話でございます。


鬼に襲われた村に、

たったひとりの赤子が生き残っておりました。


刀を握りしめ、わんわんと泣くその子を

鬼と戦う討伐者たちは自らの里に連れ帰り……。


その名をスモモと名付けました。



赤子はやがて少女となり、

当然のように鬼退治の旅に出ました。


生まれながらの宿命。

大人たちは皆一様にそう言いましたが。


その宿命がもっと数奇で、

もっと荒唐無稽な代物であったとは……。


その時は、知る由もありませんでした。



 スモモ 

荷物が多すぎるね……。


 フウカ 

そうは言っても奪われた宝を持って帰るのは大事だからな。


 ミライ 

でも竜宮城のお礼が余計よね。


と、ミライが見下ろしたのは、

大きな、大きすぎる、もはや巨大と言っていい玉手箱であった。


 フウカ 

しかもふたつだ。どうする?

こんなの抱えてサキモリの里まで帰るのは嫌だぜ。


 ミライ 

ひとつ開けてみるとかどうかな?

案外食べ物とかだったりするかもしれないよ。

それに中身が何かわかれば対処もしやすいしね。


 スモモ 

グッドアイデア!ミライちゃん!

確かに開けてみなくちゃわかんないよね。


 フウカ 

鬼が出るか蛇が出るか。ものは試しだ。

やるっきゃねえな。


 ミライ 

姉さん。鬼と蛇ならどっちもよくないわよ。


そうと決まれば、とばかりに

スモモは袖をまくって玉手箱の開封に取り掛かる。


すぐさま帯を解いて、蓋を持ち上げる。

すると長年の埃かそれとも妖気の類か

重たそうな煙がぼわんと噴き出した。



煙は一時的にスモモたちの視界を奪った。

そして、煙が退き、再び目の前が開けた時、

そこには……。



 ウィズ 

にゃ?


 スモモ 

キャットだ!


そこには黒猫と不思議な格好をした人物が立っていた。


 フウカ 

おいおい。玉手箱って人が出てくるモンなのかよ。


 ミライ 

あまり聞いたことはないよね。


どうやら君は別の異界に

やってきてしまったようだった。





 スモモ 

キャット、きび団子お食べ。


 ウィズ 

なんにゃ?


差し出されたきび団子をウィズは一口齧ってみる。


 ウィズ 

なかなかイケるにゃ。


 スモモ 

よし。食べたね。

これでキャットも私のお供だね。


 ウィズ 

どういうことにゃ?


見ると、少女の周りには3匹の動物たちが、付き従っている。

もしかして、この中にウィズが入れられてしまったのでは?と不安になった君は、声を上げる。


それ、ウチの師匠なんです、と。


 スモモ 

え?キャットがマスターなんだ?

それってエキセントリックだね。


キャットもマスターもエキセントリックもよくわかりませんが、

たぶんそれであってます。君は答える。


 フウカ 

スモモ、きび団子やったらついて来る奴ばっかじゃねえぜ。


 スモモ 

それもそうだね。


 ミライ 

で、貴方たち箱の中で何をしていたの?


部屋で古い書物を読んでいたら

突然、煙にのまれ、気づいたらここにいた。

と君は説明した。


 ミライ 

帰り方はわかる?


君は首を横に振って、否定した。

そもそもどうしてここに来たのかもわからない。


 スモモ 

それなら私たちと一緒に来なよ。


 ウィズ 

どこ行くにゃ?


 スモモ 

グランパとグランマの待つマイホームだよ。


何言ってるか全然わかりませんが、

とりあえずついて行きます、と君は返す。


というよりも、そうするしか手はない。


 スモモ 

よし、じゃあ、サキモリの里にレッツゴーだね。





むかしむかしの、そのまたむかしの物語――



「君」の目の前に現れた、犬、キジ、猿をつれた少女・彼女の名は、スモモ・プルーム

弱気を助け強きを挫く、揺るぎない正義の心を持つ剣士である。

困った人がいたら見過ごせない――!

彼女と共に、「君」はからくり大国ハクライティズの刺客たちと相打つことに……。

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