【白猫】NINJYA大戦 Story
2017/00/00 |
目次
登場人物
story1 はじまりの果実
忍びの者――
それは陰の中で生き、陰の中で死んでいく者たち――
その中でも異彩を放つ異能者たち……
人は彼らを、こう呼んだ。
フルーツ忍者と――
***
リンプイがいなくなってるでござる。頭領はなにか知らないでござるか?
…………
……
<丘にー本、木が立っていた。その木には花も葉もなく、ただーつ赤い実がなっている。>
<その時、実の甘い香りが、クリュウの鼻にふれた。>
story2 乱波騒動
――三回目はないけど。
***
誰だ、こら!
夢見が悪いなあ。その上、襲撃だあ?ムカつくぜ……
おい、こら、てめえ、どういう了見だ?……チッ! ノビてやがる。
あの野郎、どういうつもりだ?
昆虫忍者の食客ダージ――
彼は自分の生まれ育った組織を壊滅させた後、昆虫忍者の頭領、カブトの世話になっていた。
先ほど、ダージを襲った男は昆虫忍者だった。なぜ襲われたのかダージには……
……思いあたる節がありすぎた。
暗闇のなか、昆虫忍者同士が戦っていた。
いや、戦いというより一人の男が大勢に襲われている――
***
ダージとカブトは襲撃者をしりぞけ近くの森まで逃げてきた。
大昔、とある国のお偉いさんが、ある男に不老不死の実をみつけてこいと命じた。
命令された男は、不老不死になる実をみつけたが、そいつを自分で食っちまった。
それを知ったお偉いさんがブチギレて、男を探し、実を手に入れるよう、他の奴に命じた。
実を食った男を探してた連中が、昆虫忍者って呼ばれるようになる。俺たちのご先祖様だ。
あいつが実を食った後にも、いろいろあったみたいでな。不老不死の実の種は昆虫忍者が持ってた。
その上、数百年前にフルーツ忍者のウメつて女が俺たちから種を盗んでった。
当時はゴタゴタしたらしいが、芽が出ちまったら、あとは実がなるのをおとなしく待つしかねえ。
リンプイと協力して不老不死の実を処分してくれ。争いの理由がなくなりゃあ、戦わなくてすむ。
ムカつく野郎だ……
story3 忍びの掟
その男には心がなかった。ただ命じられるがまま、種を植えていた。
男に心を思い出させてくれた少女がいた。
「おじさん、約束してよ。いつか、必ず一人ぼっちじゃなくなるって。」
だが、少女は男の腕の中で冷たくなっていった。
「誰かと同じ時間を……生きて……幸せ……に……」
少女は男に<種>を託し、逝った。
……約束……
『ミヲマモレ。ミヲフヤセ。ミヲウエロ。
ミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲ……』
……やめろ……
消すな……俺を……消す……な……
『ミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲ
ミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲ
ミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲミヲ』
***
みんなに手伝って欲しいことがあるでござるよ。
***
m後で怒られたりしないかな~?
敵が攻めてきてんだぞ!里まで来られたら、終わりだろ!
休暇中に忍び込むのは、オキテに反するでござるからな!
mあたしも詠むよ一!
***
だから、オレは足手まといだ。いるだけでマイナスだ。
story4 昆虫忍者〈七角〉
【マメコ】
1あ~あ、まさかフルーツ忍者とやりあうなんてねぇ……ま、あたしら<七角>の敵じゃないって感じ?
【ヒロシ】
2うるせえ、黙って歩け。
1フルーツ忍者の里、疲れた、帰りたい!ゲンゴロウ、背中に乗っけて!
2ああ? こら、ハンミョウ!俺を乗り物扱いすんじゃねえぞ
【ノミ】
3……お二人はお元気ですね。わたくしとしましては、ただ死の定めを受け入れるのみ。
1ノミ、暗い発言は禁止。こっちまで気が滅入る。
3隠れても無駄でございます。我ら昆虫忍者<七角>相手に、隠形は通用いたしません。
3なっ!
1どうしたの?
3あの方のたくましい姿にわたくし、一目惚れをしてしまいました。
1あいつ、敵だよ!恋してないで、戦えよ!
3やはり、わたくしは非業の定めから逃げられないのですね……さながら戦で散る仇花なのです。
わたくしは昆虫忍者<七角>が一角。ノミです。我が脚力の絶技、ご照覧あれ!
なんだ、あのジャンプカ……
1ノミの脚力は昆虫忍者随一!
――
<ノミは地面に衝突した衝撃で、死んでいた――>
2だから、素直に格闘で闘えよな……おい、マメコ、ノミが死んだぞ。助けてやれ。
1あたしをマメコって呼ぶな!
1あたしの忍術は高速移動の縮地あんたじゃあ、この速さにはついてこれないわ!!
2 (あいつ、どうして自分や仲間の忍術、敵に教えちゃうんだろう?やっぱりバカなんだな……)
1あれ? ゲンゴロウ、活法って、心臓を貫くんだっけ?
2トドメ剌そうとすんな!ソウル込めて、心臓を叩くんだよ!
1よいしょ!
3がっ!また……生き延びてしまいました。運命はとこまでも、わたくしを翻弄するのですね。
骨、バラバラだから戦えないけどね。ま、いつものことだけど……
1あたしは昆虫忍者<七角>が一角!ハンミョウのヘンリエッタ!!次はあたしが相手よ!!
1ムキー!! その名前で呼ぶな!!あ一、ムカつく!!縮地で、ぶっ倒してやるんだから!
<マメコが消えた。いや、消えたのではない。高速で移動しているのだ。ナップルは少し泣いた。
だが、次の瞬間、マメコはナップルの前に倒れていた。>
1目が回って……気持ち悪……
2おまえ、なに自爆してんだよ!だから、いつも言ってんだろ!無駄に動くんじゃねえって!!
2もう一人隠れてやがったか!
俺は昆虫忍者<七角>が一角ゲンゴロウのヒロシ!!このゲンゴロウのルーンの力、見せてやるぜ!
2その勝負、受けよう!だが、勝負するにあたって、頼みたいことがある。水の中で戦ってくれないか?
2……なるほどな。じゃあ、空はどうだ?
2……予定が狂ったな。
フラン、こいつはオレに任せて、スイカたちを助けに行け!
2女を逃がすか……敵ながら、あっぱれ。俺も男相手なら本気で行けるぜ!
story5 使命
<フランたちが昆虫忍者と戦っていた時――>
<ダージは一人、フルーツ忍者の里に忍び込んでいた。>
仕事のついでだ。久しぶりにぶっ殺しあおうじゃねえか、クリュウ・イーガー……
お前と戦った時、刀を止めたのも、そのせいだ。
――
<いくつものイガグリがダージの周囲に浮いていた。
イガグリが爆ぜた瞬間、無数の針がダージを襲う。>
(幻術で戦うと思わせといて、この飛針術が狙いか……いや、違う……)
<ダージの体から力が抜けていく。>
――
――
――
***
でも、誰かが、あたしを生み出して実を消してったの!!
でも、あの実が熟れたせいであたしも頭領も、自分の使命を思い出しちゃったの。
おい、モンシロ女。手え、貸してやる。どうすりゃあ、実を消せるんだ?
story6 忍者乱闘
「…………
mこの人たち、どうして話、聞いてくれないの一!?
rシャクリ……リンゴを食べる余裕もない。
s食べてるじゃないですか!って、えいやぁぁ!!
「…………
m数が多すぎるよ……
r客観的に言って、多い……ワタシがいなければ既に突破されているだろう。さすがワタシ。
s気合いれて、頑張るしかないですよ!!
hスールたち!息を止めるでござる!
mrs!
<爆風に乗り、洋ナシの甘い香りが広がった。>
h洋ナシのキャドゥーで眠るでござる……
r姉上!
sナップルさんは!?
hア二キは一人で戦うと言ったでござる。
mアニキ、すっご~い!
hスールたち、昆虫忍者の方々を縛るでござるよ。アニキの奮戦を無駄にしてはダメでござる!
…………
……
h頭領! 任務達成でござる!
zそうか、やはり<実の防人>にふさわしい者はいなかったか……
リンプイが里を裏切った。始末しろ。
h本気でござるか!?
同時に昆虫忍者の里を攻めろ。これで滅びるようなら、もとより<防人>の器ではない。
hお願いでござる。これ以上、昆虫忍者と争う必要はないでござるよ。
z命令には従え。お前が生きて帰れば、お前を<防人>にするだけだ。
hおかしいでござる。いつもの頭領じゃないでござるよ!
zお前が里の者を眠らせたことは知っている。その罰として、下忍の首を三つ飛ばすか?
ms!!
hウィ……ダコールでござる。スールたち、昆虫忍者の里に行くでござる。
…………
……
nくそ、弱いのに、どうして……倒れねぇ……
2倒れるわけには……いかねえ……里には、息子がいるんだよ!
nだったら仲間連れて帰れよ。オレはおまえらが里に攻めてくるのを阻止できればいいしさ。
2いや、待てよ。おまえら、俺たちの里を攻撃するんじゃないのかよ?
nそんなことするわけないだろ。
2…………
nもしかして、おまえら、かつがれたんじゃないのか?
2あの野郎、編しやがって……これじゃあ、俺たちは無駄死にじゃねえか……
nおい、おまえ、大丈夫か……って、ノビてやがる。
……こいつら、どうしよう。
tノミさん、マメコさん、ヒロチさん、どこですか?テンパイから伝令で……
ぬぬぬ、これは……あなたがやったんですか?
nえ?
tチョウブです!! わっ、ととっ、とっ……テンッ!
nお、おい、大丈夫か?
tわたちは、ただじゃ転びまテン! マキビチをばらまきまちた!!
nおい、どうすんだよ!? これじゃあ、帰れないだろ!
tこれが、わたちの忍法です!
nおまえも帰れないだろ……
tあっ! ……どうちまちょう。
n悪いが、オレを頼られても困る……
<この後、回復したマメコに助けてもらうまで、二人はその場で立ち続けるのだった。>
story7 開戦の狼煙
story8 SHINOBI CRAFT
story9 覚悟と使命と因縁
最終話 煙の末
その他
白猫 mark