【白猫】大いなる呪術書を求めて Story
呪術、こわくないよ! メリドが呪術書探しの冒険へ――! |
2016/07/25 |
目次
主な登場人物
story1
『強力な呪術書が眠る、封印されし遺跡がある』
その噂を聞きつけたメリドは、主人公たちとともにとある島へと来ていた。
ああ~……のどかなところね~。
島で唯一の村みたいだね。人口もそう多くはないみたいだ。
まずは、住民の方に遺跡のことを聞いてみましょうか。
うん、そうだね。でもその前に……イメージアップ運動だ!
情報収集は、そのついでにね。
ついでかい。
こんにちは。呪術、こわくないよ。
ひっ!?こ、こんにちは……
しょっぱなからビビられたわ。
私たちは、この島に遺跡があると聞いて、調査にやってきた者です。
<あの人>の仲間、ですか…… ?
<あの人>?
おぬしらも、呪術書を探しに来たのか?
!
わしはこの村の長じゃ。……そうなんじゃろ?
ええ、そうです。なんでも、遺跡は封印されているとか……
……うむ。
この島に来ている人が他にもいるみたいですね。
……ふむ。どうやら、あやつの仲間ではないようじゃの。
ムム。先を越されちゃったかしら。
その心配は無用じゃ。遺跡の場所は実に巧妙に隠されておる。あやつが見つけることはまず不可能じゃ。
……よろしければ、詳しいお話をお聞かせ願えますか?
……この村の人間は代々、遺跡の存在を秘密にしてきたのじゃが……
半年前に村を出て行った若者が、どうやらその秘密を漏らしてしまったらしいのじゃ。
それで、遺跡のウワサが広まったってわけね。
島にやってきたほとんどの人間は、遺跡の場所を見つけられず、素直に帰ってくれたが……
あの男は別じゃ。乱暴で危険きわまりない。またヤツが戻ってきた時、何をされるか……
……わかりました!僕でよろしければ、お力になりましょう!
おお、ありがたい……!正直、おぬしをひと目見て、色々と覚悟しちょったがの!
もちろん、アタシ達も協力するわ!
ありがとう、みんな!では村長さん、その男が向かった場所を教えてください!
初級:男のいる森へ
story2 <スクロールハンター>
<遺跡がある森は、ひどく荒らされていた。>
なによこれ!?メチャクチャじゃない!
「……あー、クソッ!!めんどくせ一なあ!!どこにあんだよお!!」
!あっちだ!
すぐに向かいましょう!
***
この俺がここまで手こずるなんてよお……クソ、ここも焼き払ってみるか……
やめるんだ!
……あん? んだてめーは。
メリドだ! 呪術、こわくないよ!
いってる場合か!
てめー、呪術書を探しにきたのか? わりーが、それは俺のモンだ。
アンタが村長がいってた男ね! 何者なの!?
俺かあ? 俺はカラザ。泣く子も黙る<スクロールハンター>よ!!
<スクロールハンター>…… ?
……魔術書や呪術書など、あらゆる術書を収集する人のことだよ。
大半は、立派な志を持ったすばらしい人たちだけど……
コイツ、どう見てもそうじゃないわね。
当たりだよ、ドラ猫!!
だーれがドラ猫じゃーい!
知ってるか? 未発見の術書ってのは、裏のマーケットでベラボーに高く売れるんだ。
……目的はお金か……!
つーわけで、お前ら、さっさと失せろ。でなきゃ、後悔することになるぜ!
<スクロールハンター>の風上にも置けない男だな!
何とでも言えよ。つーか、てめーに言われたくねえ。賊みてえな格好しやがって。
賊だって……!? これっぽっちもセンスがないな、君は!
なんのセンスだよ!
クールだ! クウーーーーールのセンスだよ!
イミわかんねーよ!!
やっと見つけまちた!!
ナナホシちゃん!?どうしてここに!?
……チッ! 次から次へと!てめーらに構ってる暇なんかねーんだよ!
<ガラザが地面に手を当て呪文を唱えると、空間の裂け目から巨獣が出現した!>
じゃーな! ハハハァ!
主人公君! 追うよ!
わっ、とっとっ、わ、わたちも行きます!
中級:ガラザを追え!
story3 追って追われて
くそっ! 追いつかれた!
聞いてくれ、ガラザ君! 僕は、君のハンター活動を止めようとは思っていない。
……あん?
術書を売ること自体は、罪ではないからね。……良くはないと思うけど……
……でも、今回は諦めてほしい。僕たちのためじゃなく、村の人たちのために……
……
長い間、静かに見守られてきた遺跡なんだ。そっとしておこうじゃないか。……頼む。
……チッ、わーったよ。探し回るのにも疲れたしな。
……! ありがとう!
あー、クソ、バカバカしい。こんなとこ来るんじゃなかったぜ。
(……なーんてな)
……アンタって子は、ホントに甘いんだからー。
むやみに争うのは良くないよ。これでいいんだ。
それよりも……お嬢ちゃーん、大丈夫かーい?
<ナナホシがヨロヨロと主人公たちのもとへ歩いてきた。>
うう……おちりが……おちりが……
案の定、転んでたのね……アンタ、どうしてここに?
わたちは、里からジューヨーな任務をまかされてきたのです……
……あなた、すごく強いですね。びっくりちまちた。あ、わたち、ナナホチです。
こんにちは、ナナホチちゃん。呪術、こわくないよ。
ナナホチじゃありま……あ! こんなことちてる場合じゃありまテンでちた!
……まってー! まってくださーい!
あ、行っちゃった……
ガラザに何の用なのかしら……?
二人とも村へ行っただろうし、僕たちも追いかけようか。そろそろ休みたいしねえ。
ん? こっそり遺跡を探すんじゃないの?
エッ。
……ジョーダンよ。
(冗談には聞こえなかったわ……)
上級:遺跡、さがさないよ
story4 帰還した村で
おいジジイ、いい加減にしろよ。
…………
ジジイ!!!
っ!!い、嫌じゃ! 絶対に教えん!
あーそうかい。そうなのかい。しゃーねーなあ!!!
ジジイのせいで村に魔物があふれても、しゃーねーよなあ!!!
!!
てててて……や、やめてください!
勝手にすっ転んどいて何言ってやがる。
うう……おちりさえ痛くなければ……
……わかった。お前の言う通りにしよう……
<村長は、ふところから遺跡の地図を取り出すと、ガラザヘ手渡した。>
最初っから渡しとけや、クソが!
!!村長さん!!
ハハハァ、―足遅かったようだな!
アンタ……メリドとの約束を!
そうだよ、ドラ猫……約束通り、村のためになることをしてやんだよ!
<ガラザは地面に手を当て、素早く呪文を唱えた―!>
きゃああ、助けてー!
き、貴様……!何ということを……
主人公……!
オラオラ、早く助けね一と大変なことになるぜー!……おし、今のうちに……
…………………………ラザ……
あん?
<メリドの体が、禍々しい魔力に覆われてゆく――!>
ガァァァアアァァラァァアアアザァァアアアアアア!!!!!
!!!!!!
……クソはてめえだ……
ひ、ヒイッ!
そんなに遊びたいか? なら、俺たちがまとめて相手してやるよ……
ふ、ふざ、ふざけんな! ちくしょう、なんなんだ、てめー!
主人公、やるぜ……遅れんじゃねえぞ!
絶級:激情のメリド
story5 約束
……………………
ヒッ! わ、悪かった! 俺が悪かったーー!
……本当にそう思ってる?
お、思ってる! 思ってるよお!
じゃあ僕に誓ってよ。悪いことはもうしない、って。
(性格は元に戻ってるけど……妙な迫力があるわ……!)
誓います!誓いますよアニキぃ!
アニキになっちゃった。
<約束>だよ、カラザ君。僕と君の……よく、覚えておいてね。
へいぃ!!では失礼しやす!!
<ガラザは村長に遺跡の地図を返し、立ち去ろうとした。その時――>
まってください!
ナナホシちゃん?
わたちの里の巻物、返ちてください!
な、なんのことかな?お嬢ちゃん。……じゃあ、あっしはこれで……
とぼけないでください!……もう、許ちまテン!
あんぎゃあ~~~! 尻があ~~~!!!
……手裏剣、珍しく命中したわね。
これがちぜんの道理! <七転び八起きの術>です
<悶絶しているカラザのふところから、巻物がポロリと落ちた。>
これです、この巻物です!……ふふふ、任務カンリョーです!
任務って、巻物を取り戻すことだったのね。
で、ではみなさん、お達者で~!!
……ふう。これにこりて、いいハンターになってくれればいいんだけど。
なるんじゃないかしら。……たぶん。
本当に、ありがとう。感謝のしようもないわい。
おぬし達……本当に、ありがとう。感謝のしようもないわい。
…………
<村長は遺跡の地図をおもむろにメリドヘ差し出した。>
……受け取れません。みなさんが守ってきた遺跡でしょう。僕たちは――
……違うのじゃ。
……わしら村人の、一生の願いを聞いてくれんか。
――正しい心を持った、<呪術師>のおぬしにしか頼めん。
……………………!
……わかりました。お引き受けしましょう。
……すまぬ……!
メリドさん、どういうことですか?
みんなには、後で話すよ。……行こう、遺跡へ!
う、うん。
いってらっちや~い。
***
……見つけた!ここが遺跡の入り口だ。
<メリドは入り口をふさいでいる石板をゆっくりとなでた。>
……術を複雑に組み合わせて印を作っている……
……呪術師にしか解けない封印だ。これは一体――? まさか…………いや、でもどうして……
?
ああ、ごめん。さ、少し離れてて! 主人公君、準備はいいかい?
破滅級:封印されし遺跡へ
最終話 呪術、こわくないよ
<遺跡の最深部、こじんまりとした部屋の中にある祭壇に、その呪術書は奉納されていた。>
苦労したけど、ようやく見つけたわねー。で、どんな呪術なの?
……………………
!!
ちょちょちょちょーっと!? なんで燃やしちゃうのよ!?
………………禁術だよ。
!
詳しくは言えない。多分、言うだけでみんなに呪いがかかるだろう。
……そんなのってアリ?
……この世にはね、存在しない方がいい、存在してはいけない呪術もある、ってことさ。
……ごめんね、みんな。せっかくここまで来たのに……
いーのよ。アタシ達、すごいイイことしたんでしょ?
うん……
あの……呪術、こわくないよ…… ? ほんとうだよ……? ほんとうなんだよ…… ?
わ、わかってるから。
遺跡から戻ってきた主人公たちに、村長は村の言い伝えを語った。
――その昔、この島は雑草も生えないほどに荒れ果て、人々は飢えに苦しんでいた。
しかしある時、一人の呪術師がやってきて、雨を降らせ大地を甦らせた。遺跡を見つけたのは、その時である。類まれなる才能と知識により、―瞬にして禁術書の存在を感じ取った彼だがーー
入り口への封印を施すと、さっさとその場を去ってしまった。
なんでよ! その時に燃やしちゃえばよかったじゃない。
……どうやらそのお方は、未来の呪術師を信じてくれていたみたいだよ。
村長がメリドに渡したボロボロの巻物。そこに書かれていたのは――
『雨降らして、わし疲れちゃった。遺跡潜るの、めんどくちゃい。封印だけしといたから、後輩君、あとはよろぴく』
………………こうなることを、わかっていらしたのですね。
……かなわないな。ふふっ。
さ、宴の準備が整ったぞい!
どんどんぱふぱふ!
……おぬしは、この地を救った方と同じ。偉大な呪術師じゃ。
村長さん。僕は、偉大ではありません。呪術を愛する、ただの呪術師ですよ。
……前から思ってたけど、アンタ、かまずによくいえるわね。
生ハムおいち一です!
うむうむ。みな、ぞんぶんに食べて飲んでくれい!
メリドさん!ありがとう!
チョーかっこよかったっす!
……ふふ、メリドさん。また、イメージアップになりましたね。……あら?
<メリドの禍々しいオーラが全身からもれ出している……!>
おお……わかってくれる人が、こんなにたくさん……!!
アンタ、ちょっとそれおさえたほうが――
呪術、こわくないよ!!
白猫 mark