【黒ウィズ】エル・メルフェゴール
エル・メルフェゴール |
ウィズセレクションSSパレード 2014/10/31(金) 20:00 ~ 11/7(金) 15:59 |
バックストーリー
魔界に存在する数多の国々の一つ、深く暗い樹海に囲まれたメルフェゴール王国の内情は謎に包まれている。
なぜなら、ある日を境に王国を目指して樹海へと入っていった者の殆どが帰らず、僅かな生還者も精神に異常をきたし、樹海の向こう側の様子を伝え知らせる者がいなくなってしまったのだ。
唯一明らかなのは、生還者達が皆、ぬいぐるみと幼い子供を酷く恐れる様になる、という事だけである。
***
そんな樹海の奥深くに、毎夜毎晩サディスティックに笑う少女の声が聞こえてくる古い屋敷があった。
「あはははははっ。みなさん、もっともっと踊りなさいな」
屋敷のボールルームに響く少女の声。その声の主はエル・メルフェゴール。王家の令嬢である。
エルの周りには狂った様に音楽を奏で、踊る、様々な動物のぬいぐるみ。
その体はどれも綻び、縫い作られた表情の下からは悲壮感が滲み出ている。
彼らはもう何年もの間、一切休むことを許されず踊り続けさせられているのだ。
「ウサギさん、休んでないでもっと回るの!」
そう言ってグッタリとしているウサギに近づき、
「もっともぉぉぉっと、クルクルクルクルクルーって」
と、ウサギの耳を掴んでブンブンと回し始めるエル。
――ブチン!
繊維のちぎれる鈍い音とともに、綺麗なアーチを描いて吹っ飛ぶ哀れなウサギ。
「キャハハハハハハッ」
ちぎれたウサギの耳を持ったまま激笑するエル。
「エルさまぁ! 侵入者ありでございますぅ…」
天窓から舞い降りた蝙蝠が急を告げる。どうやら冒険者の一行が樹海へ侵入したらしい。
「あらっ。うれしいぃ。またお友達がふえるわねっ」
エルはそう言うと、パンッと手を叩いてぬいぐるみ達の注目を集めた。
「さぁ、みなさん。新しい『お友達』をお迎えに行きますよ」
ぬいぐるみ達は、ボロボロの体をかばいながら隊列を作り、鼓笛隊の音に合わせて歩き出した。
***
蝙蝠を先導に樹海を進む、エルとぬいぐるみのマーチ。
彼らの奏でる行進曲に合わせる様に、かすかに聞こえてくる悲鳴のコーラス。
マーチは悲鳴のする方角へと向きを変える。
「はーい。みなさん着きましたよー。ぜんたーい、お止まりください」
間の抜けた号令で行進が止まる。そこには罠にかかった冒険者達の姿があった。
エルは樹海に無数の罠を仕掛け、侵入者を絡めとっているのである。
「まぁ、新しい『お友達』が三人も――フフフフッ」
無邪気な笑みを浮かべ、冒険者達の魂を、新しいぬいぐるみへと縫い付けていくエル。
「――お家を出てから気が付いたけど、一人って結構寂しいのよね。でもまだ帰りたくないし……。お友達いっぱい作らなくっちゃ!」
樹海奥深くの屋敷にたった一人で住む魔王令嬢、エル・メルフェゴール
――そう、彼女は現在、家出中なのである!
そして今、そんな家出少女エルに忍び寄る一つの影。
その影の主はエルの姉、ニル・メルフェゴール――そう、彼女達はなんと、双子だったのである!
魔界史に名を残すサディスティック姉妹による大戦争、
――第一次「継ぐのはどっち? 私、女王になんてなりたくない!」大戦――が勃発するのは、それからしばらく後の事である。
画像
画像 | 説明 | 登場日 |
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ドミー・インス cv.下崎紘史ねえ、笑ってー?ドミーはねえ、泣いてる人見るとズキュンズキュンしてきて、ぶっ殺したくなっちゃうんだよー。 | ||
ニル・メルフェゴールふむ、何やらとっても面白そうな予感がするのじゃ! | ||
エル・メルフェゴールさぁ、みなさん。新しい『お友達』をお迎えに行きますよ | ||
グヴェル・テラー黒猫の魔法使い殿。どうかグヴェルの終わりなき凶行を止めて頂けないでしょうか。一刻も早いご到着を、心よりお待ちしております。 | ||
ウル・メルフェゴール |