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【白猫】求人勇者 Story0

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん
開催日:2019/00/00


目次


Story1

Story2

Story3

Story4

Story5

最終話


主な登場人物




story1




――冒険家、と、ひとくちに呼ばれても、その業務は多岐にわたる。

前線に立ち、魔獣を討伐するもの。

専門技能や知識に長け、調査や罠解除などに従事する者。

あるいは……



「……暁闇の魔王、オスクロルよ。」

「……はっ。」

「島中にはびこるは数多の魔獣。人々に絶望を抱かせ、難攻不落の居城は、何人足りとも侵入を許さぬという。」

「…………」

「それは、真か。」

「恐れながら。」

「……今期、一人も?」

「…………」

「……良くないねぇ~……」

「面目次第もごさいません……

……理事……」

「……この業界はね、入れ替わりが少ないんです。

今期一人もってのはね……せめて、勇者の二人や三人、輩出してくれないことには……魔王やってる意味かないでしょ?」

「……すみません……」



――その一帯は、世界でも有数の平穏な海域、通称<旅立ちの海>――

今、生きとし生ける者たちを脅かす<闇>の勢力――

それに対抗すべく、冒険者ギルドは、土着の魔王たちと結託。

彼らに――<勇者の育成>を発注しているのであった――



「いいですか。あなたも聞き及んでいるでしょう、昨今の<闇>の台頭は。」

「……はい。」

「このままいけば、先祖代々受け継いできた、私たちの縄張りが侵されるのも明白、時問の問題なんです。

いまどき世界征服もないでしょう?食べていくには、冒険家ギルドと手を取り合うしかないんです。

なのに、『今年は勇者がいませんでした』では、あなたの島だけじゃない。海域全体の評判か落ちるんです。

そこのところ、もっと危機意識を持って業務に励んでもらわないと。」


「困りますよ、オスクロル閣下。うちの鳥では三十名の勇者を世に送り出したのに……」

「理事、評価体系に問題があるのでは?島ごとに見てもらわなければ、真面目な魔王が損をする。」


「冒険家ギルドに提案しておきましょう。しかし、早くても来期からでしょう。

ですから、オスクロル閣下。あなたには、何としてでも勇者を育てて頂きたいんです。

この際、一人でもいい。ゼロよりは百倍マシです。」

「……わかりました。やってみます。」

「やってみます?じゃないでしょう。たった一人で手を打とうって言っているんですよ?」

「……御恩情、重々承知しております。

この暁闇の魔王オスクロルの名にかけて、必ずや、勇者を輩出いたしますので、何卒ご容赦を……!」

「私たちはいいんです。私たちは。ただ、ギルドの評価はもっとクールですので。」

「うぅっ……」

「普通の勇者くらいじゃ、来期はどうなってるかわかりませんからね。

前もってお伝えしましたよ?」

「はい……わかりました……」



――そこは<旅立ちの海>――

魔王たちが縁側でお茶を飲む、この世で最も危険から遠い地域――

業績不振魔王オスクロルに、未来はあるのか――



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最終話



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