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アナザーエデン Story7

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん


「しかし未来に戻ってきたものの……クロノス博士のことをどうやって調べればいいんだ?

「データベースを検索シマスカ?

「クロノス博士はゼノ・プリズマ研究の第一人者……エルジオンの科学者達の中でもトップクラスの人よ。

機密情報も多いだろうし……データベースで調べて簡単に必要な情報が手に入るかどうか……。

「であれば事情を知る者に聞くのがよいでござろう。

クロノス博士の知己に心当たりはないでござるか?

「博士の知り合い? となると……ゼノ・プリズマの研究者かしら……。

そういえば……このガンマ区画にゼノ・プリズマの元研究者がいたわね。

彼に話を聞いてみましょう。

「よし! じゃあまずはその人のところへ行こう!



 ***


「今はもう引退しちまったがこう見えて俺も昔はゼノ・プリズマの研究者だったんだぜ。

ま、クロノス博士には遠く及ばなかったがな……。あの人は天才だったよ。

なんだ? クロノス博士について知りたいって?

悪いな。昔のことはペラペラしゃべっちゃいけねえんだ。守秘義務ってヤツがあるからな。


「おやじから何か聞きだそうとしてたみたいだね? こっちにまで聞こえてきたよ。

うちのおやじは昔から酒に目がなくてね。酒でうまいこと釣れば話してくれるかもよ?

ただ……トップシークレットのネタともなると……伝説の酒でも持ってくるしかないだろうなあ。

「伝説の酒? なんだいそいつは?

「ああ前におやじが言ってたんだよ。どうにも大昔の酒らしいんだが……ウカレパンチっていう名前らしい。

「ふむ……その名前……。以前ラトル村に行った時聞いた気がするでござるぞ。

「なるほど……他にこれといって手がかりもないしな……。よしラトルの辺りを探してみるか。


 ***


「うひひ。湯上がりは酒に限る……ひひ!

ここに持ち出したる酒は……ウカレパンチ!うひっ!

これがまたうまいのなんのって!


「ん? 今あいつウカレパンチって言ったな。

おいあんた今……。

「あひぃん!?貴様は人間!!このウクレレ様に何か用か!?

「いや……ウカレパンチっていう酒を探しているんだが……。

「おぎょ!?ウカレパンチ!? 人間……貴様このウカレパンチを奪おうって腹だな!!

溶岩風呂から上がったあとのウカレパンチ……きゅ~最高! オレっち最大の幸福!それを……。

奪おうってえつもりなら……! オレっち容赦はしないかんね!! ウクレレ様戦闘モ~~~~ド!


 ***


「キュ~!今日のところはこのへんにしておクレレ! あばよ~!!

「一体なんなんだ……?

よし……でもこれで必要なものは手に入れたな。エルジオンに戻ろう。


 ***




「今はもう引退しちまったがこう見えて俺も昔はゼノ・プリズマの……

っておおそりゃウカレパンチじゃねえか!?そいつをどこで!?

「ああ……風呂上がりの……変なヤツにちらったんだよ。

「へえ……珍しいこともあるもんだな。そいつは俺への手土産かい?

それじゃありかたくいただくとするかな。ヘヘツ早速今夜にでも一杯やるか。

で何の話だっけか……?ああクロノス博士のことか!

あれはもう16年も前になるか……。ある日いきなり家族と一緒に消えちまったんだよなあ。なんの前触れもなく。

今考えてもありゃあ不思議な事件だったぜ。いい人達だったんだよなあほんとに。

そうだな。博士のことが知りたけりゃゼノ・ドメインヘ行ってみたらどうだ?

ここよりさらに上空に浮いたゼノ・プリズマの研究所さ。一家はあっちで生活してたしな。

まあ当局も必死になって調べてたからいまさら何かわかるとも思えねえけどよ。

「ゼノ・ドメインか……。わかった。すぐに向かってみるよ。おやじさんありがとう!


 ***


「おやじからうまく話は聞けたかい?」

「ああゼノ・ドメインに行けば何かわかるんじゃないかって。」

「え?ゼノ・ドメイン?あそこはいま閉鎖中だぞ?

ゼノ・ドメインに通じる軌道リフト・バベルも完全にロックされてるはずだよ。

最近時震とか頻発してるんで安全基準の見直しとかどうとか……。

バベルの管理は司政官の仕事だけど一般人が会える相手じゃないよ。」

「………。どうにかしてそのバベルを管理してるっていう司政官に会えないかな。」

「アルドさん。心配には及びマセン。ワタシにお任せくだサイ。司政官の個人情報を検索しマス。」

「おいおい。勝手にそんなことしちゃっていいのか?」

「事態は急を要しマス。

検索完了しまシタ。セバスさんが司政官のチェス仲間のようデス。」

「あのセバスちゃんが!?

でもそうとくれば話は早い。早速セバスちゃんの所に行くぞ!」



 ***


「あら。あなた達。このセバスちゃんに何か用?

「ああ……実は司政官に会いたくて。

「え?わたしのチェス仲間で友人の司政官に会いたい?それは何用なの?誰かのピンチなの?

「ピンチもピンチよ!巨大時震を防ぐためにどうしても会う必要があるの!

「世界を巨大時震から守るため?

ふーん……。別に巨大時震はどうでもいいけど……いいわ助けてあげる。

あなた達のこと案外キライじゃないから。

「かたじけないでござる。

「ハイ。わたしのボイスレコーダー。これを持っていつものエレペーターに行ってみなさい。

司政宮室に行きたいと伝えてエレベーターで何か言われたらこれを聞かせるのよ。じゃあ彼によろしくね。

「助かりマシタ!ありガトウございマス!セバスさん!


 ***



『利用者のレベルを確認します。

現状ではガンマ区画への通行が可能です。』

「司政宮室に行きたいんだが……。

『正式な住民登録を経た後に面接の申請書をご提出ください。』

「ちょちょっと!

「ほら!アルド!セバスちゃんにもらったボイスレコーダーを!

「あ!ああ!このスイッチを押せばいいのか?


『ハ~イこちらセバスちゃん。司政官応答願います。

え~友達が司政官に会いたいらしいの。なんでも空から巨大ニシンが降って大変らしいわ。

それでクロノスって博士のことを調べたいそうなのよ。

てことで会ってあげてね。どうぞ?』


「おいおい……本当にこんなんで………

「開いたでござるな………。

「開いたわね………。


「アルドさんエレベーターにのりまショウ。

「あ……ああ!そうだな!


「ほう!なんともけったいな部屋でござるなここもまた。

「このレベルの区画に侵入スルのはワタシにもハジメテの経験デス。

「あんたが司政官か。早速だがクロノス博士について教えて欲しいんだが?

「博士のことが知りたいだと……?いったいきみ達は何者だね?

「わたしはイシャール堂のエイミ。ハンターです。ここにいるアルド、リイカ、サイラスはみな仲間の冒険者です。

合成人間の指揮官ガリアードを仕留めたのはわたしとアルドです。

「博士は16年前のある日突然姿を消してしまったのだ。妻と幼い子供らと共に……。

まるでこの世界から忽然と消滅してしまったかのようにね。

当時厳密な調査が行われたが詳細は何ひとつ判明しなかった。

ひそかになんらかの実験を行いその最中に事故にあったのではないかといううわさが流れた。

だがそれを確かめるすべもなく結局すべてはやぶの中だ……。

研究所の博士の部屋は今も当時のままだ。

天才ゼノ・プリズマ研究者に対する尊敬と恐怖とで封印されるような格好になってしまってね。

調べたければ好きにしたまえ。特別に許可しよう。

だがあそこでいま何か起ころうと我々は一切関知せぬからそのつもりで。よいかね?

「ああわかった。それでいい。

「うむ。ゼノ・ドメインに通じるバベルのロックは解除しておく。何かわかったら知らせてくれたまえ。



第16章

クロノスの真実家族の肖像

アルド達はクロノス博士の影を追い疑惑の研究所ゼノ・ドメインヘ向かう。そこにはありし日の幸福そうな家族の肖像と息子のエデンにあてた博士のメッセージが残されていた。アルドとフィーネははたして博士の……?



『バベル・エルジオン間エアバスは現在行先を限定して運行しています。

バベル搭乗フロアに行きますか?』


『プロジェクト・バペル対静止軌道高速輸送システム。現在テンポラリーモードで起動しています。

『当システムはエルジオン管轄研究施設ゼノ・ドメインヘ直行します。搭乗しますか?』


『搭乗シークエンスを開始します。』

「これがバベルとかいうヤツの中なのか……?

『軌道リフト・バべル起動します。

「うわっ!なんだ!?

こ、こいつは……!

「おお……!なんという景色でござろうか!

「わたし達の世界……そして宇宙の星々。」

「宇宙……オレ達の世界……。」

「ええ……この星達を……時空を……バラバラになんかさせないわ。決して!」

「ああ……そうだな……。」

「モチロンでござるよ。」

「動態反応アリ。侵入者確認。敵性勢力と認定シマス。」


「今のやつら……ファントムか。」

「動態反応多数。敵性勢力来マス!」

「しつこいわね!あんたたち!」

「無粋な真似をする輩は……刀の錆にしてくれるでござるよ。」


「おまえは……!」

「ムダな悪あがきはやめるのだな。巨大時震はもう誰にも止めることはできぬ。

今さら時空の崩壊を防ぐことなど不可能なのだ。」

「うるさい!消えろ次元の淵をさまよう亡霊め。オレ達は決してあきらめないぞ。

かならず巨大時震の発生は阻止してみせる!」

「フッ……ならば愚か者の末路をとくと味わうがいい……アルドよ。

世界の終わり……時の終焉をなすすべもなく眺めるのだな。自分達の非力さをかみしめながら………」

「…………。」

「着くわよゼノ・ドメインに。」


『ゼノ・ドメインに到着しました。


科学者の日誌

ゼノ・プロジェクトに配属されて10日が経過した。

毎日が知的好奇心を満たされる日々だ。軌道上のラボに配属を言い渡された時は悩みもしたが受けて正解だったと今は思う。

ゼノ・ドメインの設備は最新鋭のものだ。エルジオンにあったものとは格が違う。

ここで日々行われている実験に比べたら地上でやっていたことなどおままごとみたいなものだ。

そしてもう一つ最高のことがある。それはこのプロジェクトの主任がクロノス博士だということだ。

クロノス博士といえば知らぬものはいないプリズマ研究の最先端をいく学者だ。

彼は本当に世界を変える男だ。これまで話したどの科学者よりキレ者だし度胸も据わっていて大胆だ。

彼は家族ぐるみでこの研究所にきておりなんとしてもこのプロジェクトを成就させる決意を持っている。

……世界の状況は芳しくない。特にエネルギー問題はひどく解決のめどが立たない。

最近では新エネルギー等と標榜し地上から科学資源を抽出する計画も進んでいるようだが芽はないだろう。

産出量は微々たるものだしとても今の人口は支えられない。あんなものは企業が利潤を稼ぐための体のいい口実だ。

やはりゼノ・プリズマの改良こそが人類が生き残る道だ。

だからこそゼノ・プロジェクトは必ずや成功させなければならない。

400年前に発明されたゼノ・プリズマを改良しエネルギー問題を解消する。

それがこのプロジェクトの役割だ。

『我々の祖先はかつて地上を捨て空に住むという途方もない夢を成就した。我々が諦めぬ限り世界はまだ続いていく。』

クロノス博士が所信表明演説で言った言葉だ。

今はその言葉を胸に毎日働いている。


科学者の日誌

ゼノ・プロジェクトに配属されて数ヶ月が経過した。

ゼノ・プリズマの研究自体は順調でチームのコンディションも良好だ。

途中でプロジェクトのスポンサーでもあるKMS社の科学者たちが合流したが彼らも非常に優秀なメンバーだ。

半官半民のプロジェクトと聞いてはじめはいい印象を持たなかったがその懸念も払拭された。

特にあのソルバというKMS側のマネージャーはプロジェクトの副主任としてクロノス博士をよく支えている。

この業界にいればKMS社の黒い噂の一つや二つ当然のように耳にする。

だがそこはやはり腐っても科学者。科学を探求する者同士うまくやれそうだ。

今度ついに改良したゼノ・プリズマの稼働実験がある。

その結果次第でこの世界の未来が決まる……ということなのだが私は今非常にワクワクしている。

もちろん使命感もあるが知的好奇心が勝ってしまうのは……これはもう科学者の性だろう。

新型の合成人間の倫理OSの開発は一段落した。あとは情緒ユニットの完成を待つのみだな。

それはそうと最近ゼノ・プロジェクトの周辺がきな臭いが大丈夫か?巻き込まれるのはゴメンだぞ?


資料

KMS社全スタッフに通達するオペレーションサスペンド実施要項

ゼノ・プロジェクトは中間成果物たる改良型ゼノ・プリズマを以って完了。KMS社の全てのスタッフを撤退。

工場セクターに於いて改良型ゼノ・プリズマを量産商品化を実施。

なお当社の従業員ソルバは本プロジェクトの報告を怠り社の利益を著しく損ねたため懲戒免職とする。

以後ゼノ・ドメインはサスペンドモードヘ移行しデータの流出を防ぐため自律防衛モードに切り替わる。

侵入した部外者は生死に関係なく強制排除されるため注意されたし。

本要項は議会承認済みの物であり他言したものは速やかに抹消される。

以上


報告書

ゼノ・プロジェクト中間報告書担当マネージャーソルバよりKMS本社へ。

ゼノ・プロジェクトに関する中間成果並びにその懸案事項を報告します。

ゼノ・プロジェクトは改良型ゼノ・プリズマのプロトタイプ開発に成功。これを中間成果物としデータを添付。

エネルギー効率は種存続闇値を超えこれを実用化することで現行のエネルギー問題に終止符をうつことが可能。

しかし致命的な懸案事項あり。プリズマコアヘエネルギー圧縮する際の量子加速により次元のひずみが発生。

稼働実験中に局所時震が発生し発覚。

以後この改良型ゼノ・プリズマをターミナルコアヘ移設。

本現象は現在使用されている旧型のゼノ・プリズマでも同様に発生することが確認されている。

以上のことから本社より提案のあった改良型ゼノ・プリズマの商品化は時期尚早と判断。

当該懸案事項を解決するため本プロジェクトを破棄し運用予算のジオ・プロジェクトヘの継承を提言します。


「これは……!?クロノス博士の家族か……?

ひょっとして……この子供と赤ん坊が……オレと……フィーネなのか?

「名前と年が小さく出てるな。

エデン3歳……セシル0歳……

エデンとセシル……それがオレとフィーネの……本当の名前なのか……?

うッ!?なんだ……!?

停電……ではなさそうだけど?

「こ、これは……!?」

「ホログラムデス。科学者年鑑のデータと照合スルにクロノス博士とマドカ夫人の両名デス。

「クロノス博士……!?それじゃこの人がオレとフィーネの……。


『このデータが呼び出されたということはいまここにいるのだなエデン……セシル……?

部屋に入った者を厳重にチェックし家族だった場合にのみ起動するようプログラムを設定した。

「むむっ……!?口をきくでござるかこの絵姿は?なんともまた面妖な……!

『いつかきっとおまえ達ふたり……もしくはどちらかがこの研究所を訪ねてくると想定してこれを残す。

時間がない……。話したいことは山ほどあるが要点だけ伝えよう。


400年ほど前に開発されたゼノ・プリズマはプリズマの力を人工的に増幅したものだ。

だがそれには時層の歪みを生み結果として時震を生じさせ時空を崩壊させるおそれがあったのだ……。

遅まきながらその危険性に気づいた我々は即刻ゼノ・プリズマの改良型……ジオ・プリズマの研究を開始した。

だがすべては遅すぎた……。ゼノ・プリズマの静かなる爆発はもう止めようがなかったのだ……。

そこで私はわがままかもしれないがせめておまえ達に希望を託そうと考えた……。

改良ゼノの第一弾としてαジオが完成した時……エデンそれを生まれてすぐのおまえの体内に組み込んだ。

そして三年後さらに改良を加えた完成体ジオはセシルの体内に……。

おまえ達はいずれ訪れる世界の災厄に立ち向かう鍵となり希望となるだろう。

もっとも私の計画がうまく運べば世界から脅威は完全に取り除かれおまえ達も何の心配もなく暮らせる。

これから私達は最後の実験を行う。エデンとセシルはすでに実験室で眠っている。

私は私達科学者の仕出かしたことの責任をとらねばならない。なんとしても……。


元気でなエデン……セシル……。心からおまえ達の幸せを祈っている。

私からは以上だ。念のためこの後ターミナルコアの入口も開くようにしておこう。

それと母さんがおまえ達に言っておきたいことがあるそうだ。』


『エデン……セシル……。あなた達……どんな風に成長したのかしら。

ふたりともきっとまっすぐですてきな若者になっているはずね。

わたし達夫婦の大好きな大切な子供達だもの。

愛してるわ……エデン……セシル……。精一杯……生きて……。』


『さあマドカ……もうそろそろ時間だ……。』

『はい……。』



「アルド……わたし達ちょっと外に出てるわね。」

「ドウカシマシタカエイミさん? ワタシは特に部屋を出ル必然性を有サナイノデ……。」

「いいからリイカ……。さあ!ほらサイラスも。」


 ***



「ありがとうみんな……それじゃこの奥をもう少し調べてみようか。

時層の歪みをなんとかするためのヒントが博士の研究を調べれば見つかるはずだ。


 ***

「ここも密閉されて当時のままみたいだな……。よし行こう!


 ***


「何でござろうかこのバカでかい空間は……?

「アレはプリズマ開発のためのプロトタイプのコアと推定サレマス。

損傷度レベルマックスに近ク通常状態デノ稼働は不可能デアルト予測サレマスガ。

「二つそろってそれぞれジオとゼノというわけね。

クロノス博士はこの研究室で二つのプリズマの開発中にいったい何を見つけてしまったというの……?

「しかし肝心のプリズマが壊れてるんじゃ………

うわッ!なんだこいつ!?

『ターミナル・コア侵入者発見! ターミナル・コア侵入者発見!

「マズイわ!研究所のセキュリティ・システムよ!

『コレヨリ侵入者ヲ排除!繰り返ス。ターミナル・コア侵入者ノ排除ヲ開始!

「気をつけろ!来るぞッ!


 ***




「うわッ!これは……!?

「何が始まったでござるか!?

「プリズマプロトタイプに異常発生!

隣接次元ヨリ現時空に対シテ膨大なエネルギーが流入中!

「今の衝撃でシステムが暴走を……!?

「ゼノ・プリズマプロトタイプ周辺に膨大な重力波を計測!時空の歪みが拡大シテイマス!!

「なんだって!?まさか世界が歪みかけてるのか!?


 ***


「うわッ!?なんだなんだ!?

「どうなってるんだ!?ゼノ。プリズマが……!!


『緊急事態発生。エルジオン内のゼノ・プリズマに異常を検知。制御不能な状態です。

「なんだと……!?これは……いったい何が始まったというのだ!?


 ***




 ***



 ***



 ***


「どうやらおさまったようでござるな。」

「いったい何が起こったんだ」


「ゼノ・プリズマプロトタイプの暴走……。それが都市のゼノ・プリズマと共振し次元のひずみを拡大したようだな。

これならば時層の歪みを解消して一気に巨大時震を食い止めることも可能かも知れない……!」

「あなたは……?」

「さあどうするエデン……?おまえのαジオでゼノ・プリズマの災厄をとめることができるか?

おまえ達に残された時間はもうさほど長くはないぞ。」

「もしかしたらあなたは……!?」


「アルドさん?」

「………。」


 ***


「そうか……クロノス博士はなんらかの方法で時空を超える術を見出したようだな。

しかし時層回廊というのか。あんなものが空中に出現するとは……。

時層の歪みを解消すれば時震の心配はなくなるというが……さてどうしたものか?」

「あそこに直接乗り込んで行って歪みを消すしかないだろう。」

「なんだと……!?時間の層なんかに潜り込んではたして無事でいられるのか?」

「わからない……。

だが誰かがどうにかしない限りいずれ巨大時震が起こってこの世界は……。

それにもうそんなに時間は残されてないとあの男が……。」

「けれどどうやってあそこまで行くの?時空の歪みが激しくて空を飛んでいくのはムリそうよ。」

「ここにある物質転送マシンを使えばなんとかなるだろう。

人や物資を瞬時に別の場所ヘビーム転送する装置だ。

現在は他大陸との交流も途絶えているため稼働はしていないがね。

マシンのビーム転送先の座標を時層回廊に設定すれば直接あの中にきみ達を送り込むことも可能だ。」

「人や物を……びーむ転送……でござるか?」

「大丈夫デスサイラスさん。古くから確立サレタ技術デスノデ危険はアリマセン。」

「わかった。じゃあそれで行こう。」



「転送されれば何があるか分からない。一度街に出て支度を整えてきたらどうだね?

この事態なので各ブロックは閉鎖されているがこれまでどおりシータガンマの両区は開けておこう。」

「じゃあちょっと出てくる。準備をよろしく。」

「うむ任せたまえ。」


殲滅時層回廊!巨大時震を回避せよ

クロノス博士の影を追いかけたアルド達は天上のゼノ・ドメインでついに博士とその家族の真実を知る。そして施設の異変により天空に時層回廊が大きく口を開けてしまう!時層の歪みを解消し巨大時震を避けるべくアルド達は回廊に侵入を図るが……。



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