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アナザーエデン Story6

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作成者: にゃん
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「ここは……月影の森か!? ふう、よかった! なんとか無事に帰って来られたみたいだな。」

「ここがアルドさんの暮らす時代……AD300年デスカ。

この時代人は天空の島々ではなく緑の大地で普通に生活を営んでイタノデスネ。」

「なんと! 拙者の生きていた古代からはまた随分と遠くまで来てしまったようでござるな……。

まあどれだけ時が経とうと人の心の有り様や日々の暮らしというものはそうそう変わりはしないでござろうが。」

「ともかく一度オレの家のあるバルオキー村に戻ろう。爺ちゃんが心配してるだろうし。」


 ***

 ***


「おおアルド! 無事であったか! おまえまで姿を消してしまってどうしたのかと心配しておったぞ。

「ごめん爺ちゃん心配かけて。でももうとんでもないことになってるんだよ!

くわしい話はまたのんびりできるようになったら話すよ。きっと信じられないと思うけど。

「そうか……。おまえのおらぬ間に魔獣達が活発に動き出しおってな。

さらわれたフィーネが連中と一緒におるという話も聞くし……。

「わかった。大丈夫だよ爺ちゃん。オレがなんとかする!

フィーネはきっと無事に連れ戻すから。

「うむ。城の方には村の警備隊の者が行くかもしれんと連絡しておいたでな。気をつけて行くのじゃぞアルド。

ところでそちらの二人はおまえの友人かの?

「ああ、紹介するよ爺ちゃん。リイカとサイラスだ。オレの大切な友人であり仲間だよ。

今回ふたりにはすごく力になってもらってるんだ。


「はじめマシテ、ワタシはリイカ。KMS社製汎用アンドロイドデス。

アルドさんにはいつもお世話になってオリマス。今後ともヨロシクお願いシマスデス!


「拙者サイラスと申す。ご老人以後お見知り置きをでござる。


「おおそうでしたか!

ご両人ともアルドが大層お世話になっておるようでなんとお礼を申せばよいやら……。

どうか今後ともアルドとフィーネにお力添えのほどよろしくお願い申し上げる。

「もちろんでござる。ご安心召されい。拙者に二言はないでござるよ。

「了解デス! オジイサマ。このリイカメモリチップに誓ってアルドさんをお助けシマスノデ!

「ええっと……ともかくそれじゃあ行ってくるよ爺ちゃん!


フフッ!いつかおまえにもわかる時が来るさ。



第12章

帰還そして暗雲吼えよオーガベイン


歴史改変により抹殺された未来をなんとか復活させたアルド達。だがそれは影のファントムの策略だったのだ。次元の狭間より現代の世界に帰って来たアルド達。そこでアルド達を待ち受けているのは……。オーガペインの真実は?フィーネとの再会はいつなのか?



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 ***



「ほう、きみ達は……?

「バルオキー村警備隊のアルドといいます。

なんだかいろいろあって今は旅の冒険者みたいなことをやってますが。」

「拙者は放浪の剣士サイラスと申す。お目にかかれて光栄至極でござるミグランス王。」

「ワタシはKMS社製の汎用アンドロイドリィカデス。

お困りの際はイツデモ遠慮なくお声をお掛けクダサイ!」

「こ、これはまた……いやはやずいぶんと変わった顔ぶれで旅しているのだなきみらは。

バルオキーの長からの連絡は受けている。長はお元気か?

父からふたりの若かりし頃の武勇伝をさんざ聞かされたからな。」

「武勇伝……? あ、ええ爺ちゃん……村長ならおかげさまで元気でピンピンしてます。

ところでミグランス王。魔獣の群れがこの城を目指して進軍していると聞きましたが……。」

「うむ。どうやら連中も今回は本気で雌雄を決する覚悟らしいな。望むところだ。

いずれこちらからヤツらの根城に乗り込んで行き決着をつけてやる心積もりであったのだ。

向こうから来てくれるというのならわざわざ出向いて行く手間がはぶけてちょうどよいわ。ハッハッハ!」


「王!たった今知らせが!連中の斥候部隊がカレク湿原に潜入したもようであるとのこと。」

「なんだと? 本当かそれは?」

「はっ。間違いないかと。しかもモペチャトペポリンとかいうかなり凄腕の魔獣であるとか。」

「ふむ……。今は戦いに備えて城の守りを固めておきたい。戦力の分散は避けたいところだが……。」


「えーとミグランス王……よかったらオレ達がちょっと様子を見てきましょうか?」

「うむ? きみらがか……? なるほど……頼めるか?」

「ええ。もちろんです。」

「魔獣とやらの斥候など拙者ひとりでも十分なくらいでござるよ。」

「よし。であればきみらに任せよう。カレク湿原に向かって魔獣の動向を探ってきてくれ。」


「ではまずは自分が先に行って様子を見ておきますので後から追って来てください。」

「ムチャはしないように。くれぐれも気をつけてな。」


 ***


「来たなアルド。」

「それで魔獣の斥候というのはいったいどこに……?」

「わッ!? おまえ魔獣の一味だったのか! ダマしたな!?」

「いいからいいから。ダマしたのはわるかったけどおりいって内密な話があってねアルド兄ぃ。」

「内密な話? オレに?」

「そうとも。オイラはモペチャ!」

「ほいでもってワイがペポリや! ぎょうさんよろしゅうに。」


「な……なんかまたヘンなのが出て来たぞ……。」

「何者でござるかその方ら?」

「ワタシの異生物図鑑にヨルトモペチャ族ペポリ族は魔獣の中でもカナリ温和な一族のようデス。」


pワイらはフィーネちゃんとごっつう仲良しなんや。ほんまやで。ウソやないで?

「なっ!フィーネのことを知ってるのか!?

m知ってるどころかラブラブって言っても過言ではないんだな! ムフフ……!

(次に会った時フィーネには友達は選べとしっかり言い聞かせるからな。絶対に!)

「それで……フィーネは無事なんだろうな? フィーネにもし何かあったらおまえら……!

m安心しなって。フィーネちゃんは大丈夫! ちゃんとオイラ達がついてるし。

pわてらフィーネのアニさんであるアルドはんにひとつお話しとかなあかん思うことがありよってでな。

「何なのでござるそのアルドに話というのは?

pうむ。話いうんは他でもない。アニさんの腰のその呪われた剣……オーガペインに関してなんや。

「オーガペインだと?

pそや。あんたはんは剣にダマサれていいように利用されてるだけでっせ?

「それはどういう意味だ?

pまあ聞きなはれ。今から三千年以上も前の話や。巨人オーガ族と人間との間でどえらい戦争が起こりよったんやな。

その時に人間側の親玉雷心王が振るっていたのが伝説の聖剣やった。

ほいでもって最後の闘いで一匹残らず殺されよったオーガ族の憎しみやら怨念やらがその聖剣にとり憑いてしもた。

それがアニさんがいま腰に吊っとるそのオーガペインゆうわけや。

「ちょっと待て。オーガペインの話じゃオーガ族は魔獣にやられたってことだったぞ?

それに王家に伝わる聖剣は今もミグランス王が……。

pそれはアニさんを欺くための真っ赤なウソや。そうゆうとけばアニさんも剣を疑いやせんやろ?

繰り返すがオーが族を滅ぼしたんは魔獣やないで……。間違いない。あんたら人間が滅ぼしたんや。

オーガペインはあらゆる生命を呪うとるがなかでも本気で滅ぼそう思うとるんはあんたら人間やで。

どないして聖剣が今も王家に残っとるのかはちょっとわてにもわからんけどな。

「この剣があらゆる生命を呪い人間を滅ぼす………?

mそれにその呪われた剣はアルド兄ぃのこともめちゃくちゃ憎んでるみたいだよ。

「ドウシテソノ剣がアルドさんのことを憎んだりスルノデスカ?

mそこまでは分からないけど……剣がバルオキー村に流れ着いたのも兄ぃが狙いだったんだよ。

さんざやりたい放題やった後でオーガベインは最後には兄ぃも始末するつもりみたいだよ。

おわッ!?出てきたッオーガ!! 

『虫けら如きがペラペラと要らぬことを……!

「オーガペインか!?

『フン! 魔獣もろともミグランスを始末するよいチャンスだと思ったがいらぬ邪魔が入ったわ。

「きさま……最初からオレを利用するつもりだったのか!?

オレをきさまの殺戮のための道具にする気だったんだな!

『我らがいなければあの時おまえは魔獣王に殺されていたろうが? 持ちつ持たれつというやつだ。

「ふざけるなッ! 誰がきさまの殺しの道具なんかに!

『フン。仕方あるまい……。ならばアルド。今ここでおまえも滅ぼしてくれようか?

力の大半が封じられていようと我らオーガ族の怨念……果たしておまえに打ち勝つことができるか?

もしできたなら……その時は我らが力おまえの望むがままに好きに使うが良い。

「いいだろう…。ならば行くぞオーガペイン!

きさまの三千年の呪い……今ここでオレがこの手で打ち砕いてやる!


 ***


>それなりに力はあるようだな。ならばこの一撃耐えてみせよ!


 ***


「くっ……我らオーガ族の数千年に渡る怨念がまさかこんな小僧共に破られようとは……!

致し方ない。よかろうアルド……。人間への恨み憎しみはひとまず置いておくとしよう。

ここに誓う。我らおまえに力を貸そう。

このオーガペインを……我らオーガ族の力をおまえの好きに使うがいい。

とりあえず今のところはな………


mふうッ! よくやったねえアルド兄ぃ!

pほんまや。上出来やでアルドのアニさん。オーガペインをいてこますかてビックリポックリや!

「おまえ達に兄呼ばわりされる筋合いはない! これっぽっちもない!!

pそんな冷とうせんでも。ほんまいけずなんやからアニさんは。

mまあでもこれでしばらくはオーガペインも問題は起こさないだろうし。

やっぱりフィーネちゃんの悲しむ顔だけは絶対に見たくないからねえ。

pほなわてらはこれでゆくけど急いで城に戻ったほうがエエ思うで。本隊がそっちに向かっとったし。

魔獣王はんはめっちゃ強いよってなごっつう用心しいや。

「あ、おまえら! ともかくありがとうな。

mそんな水くさいなあ兄ぃ! もうオイラ達と兄ぃはがっつり兄弟の……


「ふう、まったく……。よしそれじゃ急いで城に戻ろうか。

魔獣達が城に向かったというのが本当ならマズイことになるぞ。


 ***


第13章

死闘ミグランス城は燃えているか?

カレク湿原に偵察に向かったアルドはそこで魔剣オーガペインの秘密を知る。

オーガペインは人間とあらゆる生命の滅びを願う呪われた魔剣だったのだ。

剣に宿るオーガを打ち破り誓約をかわすアルド。魔獣軍が侵攻するミグランス城に急ぎ戻るのだが……。



 ***


「魔獣王ッ!!

「誰かと思えば……久しぶりだな小僧。ほう! 以前よりずっといい面構えになったな。

だがそこまでだアルド。王の命が惜しければ下手に動かん方が身のためだぞ。

「ミグランス王!? しまった!

「ちいとばっかし厄介なことになったでござるな。

「遅すぎたようだなアルド。おまえ達人間の王国も今日限りでお仕舞いだ。

これからは我ら魔獣がこの国を統治する! おまえ達はみな我らの奴隷となるのだ。

「なんだと!? ふざけるな!

「そもそも人間がプリズマを利用して築き上げた王国など所詮盗人の偽りの国に過ぎん。

我ら魔獣はエレメンタルの力を吸収し古より長い時を経てここまで進化して来たのだ。

我らこそが偉大なる四大精霊の子孫でありこの世界の……この星の正当な後継者なのだ!

「何を勝手なことを……!

「さあ、あきらめて投降し我らが慈悲を請うがいい。

さもなくば……みなまとめて今ここで始末してくれるわ!

「くそッ……! オレ達はこんな所でやられるわけにはいかないんだ!

なんとしてもここを切り抜けてやる!


「セイッ!」

「ゴブアッ……!?」

「アルドこっちは引き受けたわ!」

「エイミ!?」

「小娘ッ!」



「よかろう。相手になってやるわ。おまえ達の力など恐るるに足らず! どこからでもかかって来いアルド!



<ふん。あの時の小僧がなかなかやるようになったな。

いいだろう! 我が秘剣受けてみよ。



「勝負あったな魔獣王! これまでだ!

「さあてアルド。そいつはどうだろうな?

「負け惜しみはよすでござるぞ。いさぎよく敗北を認めるがよいでござろう。

「フッ……おまえ達にやられる俺だと思うか?

「魔獣王!? 待てッ! どうするつもり……魔獣王!?


「うッ……!? こいつは……!?

「どうやら悪い夢ではないようでござるぞ!

「中世異種生物データべースより魔獣王ギルドナ戦闘形態デアルコトヲ確認。

「さあ人間どもよ! 魔獣王の真の力思い知らせてくれよう。

ひとり残らずひねりつぶしてくれるわ!! 行くぞッ!




「ふう! 勝負ついたようでござるな。

「今度こそ終わりだ魔獣王!


「この俺が……人間に敗れるだと? バカな……!?

おまえ達のどこにそのような力が……!?

「フィーネは……? フィーネはどこだ?

うッ……!?


「フィーネ!! よかった! 大丈夫か!?

「…………。

「……? どうしたフィーネ?


「ムダだ。娘の意識は強力な術によって封じ込めてある。

「くっ……きさま……!

「心配しないで。美しい世界で遊んでる夢を見てるだけだから。フィーネはなんともないわ。」

「聞けアルド。その娘の中にはエレメンタルの究極の力が眠っている。

それが具体的にどういったものなのかまでは俺にもわからん。

が……しかしその力の目覚めた時娘は我らを導く救世主となろう。

「なんだと!? いったい何の話をしてるんだ?


 ***


まったく人間どもめ! でかい顔して偉そうに。獣人は立ち入り禁止だって!?

ふざけるな! この森だってもともとは俺達が……

なんだこの声は?



~


あばよおチビちゃん。いつかまた会おうぜ。


 ***


「まさかあの時の赤子が成長して俺の知らぬところでアルテナと知り合っていようとはな……。

アルテナ……後のことは任せたぞ。

「兄さん……!?

「フィーネの力を用いて切り開け……魔獣の未来を!

「ギルドナ兄さん!? 兄さんッ!!

ギルドナ兄さん……。」


「アルド……今日のところはこれまでよ。いずれまた会いましょう。

フィーネと共に我ら魔獣がこの大地の……空の……海の……支配者となるその時に!」

「待てッアルテナ! フィーネ!?

フィーネ!?くそッ!」



 ***


「先ほどはそなた達のおかげで危ないところを救われたな。心から礼を言うぞ。

しかもあの魔獣王をも打ち破ろうとは……! 本当にたいしたものだ。

バルオキーの長はよい孫を育てられたな。

「ミグランス王。ひとまず落ち着いた場所でお休みくださるよう。

「うむ……わかった。

アルドと言ったな。そなた達の尽力は決して忘れぬぞ。また会おう!


「だけどほんとに助かったよ。エイミが来てくれなかったらどうなってたことか……。

でもどうしてここへ?

「あなたミグランス王期のバルオキー村の出身だって言ってたでしょ?

エルジオンの近辺にきっとこの時代に通じる時空の穴があるはずだと思ってね。

あの時あなたと話してる内になんだか急にすべてがぼんやりと曖昧になっちゃって……

それからよく思い出せないのよね。ふと気がついたらあなた消えていなくなっちゃってるし……。

それで何かどうなってるのか気になって仕方なくて追いかけてきたってわけ。

「歴史が改変されてた間だな……。気にするなエイミ。

その件に関しては深く考えずに忘れてしまった方がいい。


「きゃッ!

「時震か……?

「時層の不安定化か拡大シテ各種の異常を引き起コシテイル可能性が大きいデス!

「ねえアルド……。いったいこの世界に何か起こってるの?

「ゼノ・プリズマのせいで時層というのに歪が生じて巨大時震が起こるらしいんだ。

巨大時震はこの時空をバラバラにしかねないらしくてオレ達はそれを阻止しようとしてるんだが……

「巨大時震……ゼノ・プリズマが……?

それってわたし達の時代のせいで時空がバラバラになってしまうってこと!?

「ああ……。フィーネのことは気になるがやはり巨大時震の方をどうにかするのが先だな。

「あの魔獣の娘は……アルテナはフィーネの友達だ。フィーネの身に危険が及ぶようなことはないだろ。

「まずは巨大時震を防ぐ方法を急いで見つけ出さないと……!

「アルドそれならわたし達の時代でクロノス博士について調べてみたらどうかな?

ゼノ・プリズマが絡んでいるのなら博士がきっと何かしら重要な鍵を握っているんじゃないかしら。

「クロノス博士……? そう言えばファントムとかいう怪しげなやからも言っておったでござるな。

アルドのことをクロノスの子とかどうとか……?

「そうだな……。よしわかった。急いで未来に戻ろう!

クロノス博士のことを調べればゼノ・プリズマや巨大時震について何かわかるかもしれないしな。

「オッケー。もちろんわたしも一緒に行くわよアルド!

世界がどうにかなっちゃうっていうんじゃほっとけないもの。

「ああ、よろしく頼むよエイミ! また一緒に頑張ろう。」




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