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【白猫】メインストーリー 第13章 中編

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

開催日:2018/10/19


目次


Story5

Story6

Story7


主な登場人物






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story5 襲撃



 ***


――ぎゃっはははははァ!!!

――ぐううううっ!?


盾役がきっちり盾、か。ヒネリはねぇが、悪くもねえ。

ああ、そーかいっ!!!

ちっ!

シンプルは強え。けど別のことが出来ねぇ。

トロいんだよおっさん。ハエが止まって干からびてたぜ?


はあっ!

遅えっ!!

ぐはぁっ!?

おっと、浅えか?


図に乗るな!レヴォルト・エクレール!

やった……?

気の強いことで。

!!

一言余計に隙作ったなァ?

くっ……! 触るな!汚らわしい手で!

剣ならいーい?


はぁああああっ!!!

…………


そんなっ……!?

効いてねえ!?

どうしてっ……!?


特別なことはねぇよ。鍛えてあるだけだ。

計画的に。効率的に。







5-2 


――ああっ!?


おやァ?帰ってくんのかよ?

クソな効率だな。結局主力があっちゃこっちゃ行くってのはよ。


なんで……戻って、きたんですか……

お逃げ、ください……

みんなっ……!


ま、悪くはねえ。手遅れの前だからな。

んで、そこで見てるだけなら手遅れにするけど……いいの?

おいおい……もっとヤル気だせよ?

まさか、言っちゃう気?

止めるだけとか、言っちゃう気ィ!!!???

わっかんねぇなァ……

武力ってなァ、制圧するためにあるもんだ。

なのにやらねえ。しゃべりもしねえ。なら―――

―――何してえんだよォ!!??


エンテ・アキシオン!何を考えている!?

だからそれをよ、いま聞いてんだろ?

確かにあなたは強い。信念に裏打ちされているのかもしれない。

だけど!自分以外の考えを、にべもなく否定する!

その考え間違っているっ!!!

耳が痛いねえ。そのお説教の論拠はなんだ?常識か?良識か?

人との関わり全てよ!一人しかいない世界じゃないんだから!

別にいたって構わねえよ。いるに値するヤツはな。

何様のつもり!?

フツーだろ?足手まといといが必要か?

弱え兵士。馬鹿な学者。別の目的で来た旅人。

いねえ方が安全じゃね?

っ!!!

誰も言わねえから言ってやってんだろォオ!!??


……

あァ……?

ルーンナイトの神髄を全員に明かすほど、隊長は馬鹿じゃない……

――解放せよ――!


……そりゃ、なんだい?体内のルーンを媒介に、力を供給されている、とか?

知る必要はない。

こりゃやべえな……埋め込んでねぇんだよ……

やっぱりね。……ねえ。

とはいえ、ヤツは手強い。一緒に戦って。


――待てよ、てことは――


覚悟なさい、エンテ・アキシオン。

ルーンナイトニ位<ディオ>エレメージュ・ペルサキス――

――参るッ――!!!





5-3 撃退


ちィっ……!

潔く負けを認めなさい!

そしたら見逃してくれるかよォ!?

ムシのいいことを!

だよなァ!?

――オォオオオッ!!!

くっ!?

――逃がすかぁっ!!!

ぐぁあああああっ!!!




…………

……この高さから……あの怪我なら、おそらく……

……念のため、戻ったら海岸付近の警備を強化するよう伝えるわ。

…………

申し訳ないことをしてしまったわね……

……ルーンナイトが。……ごめんなさい。まさか、こんなことをしでかすだなんて……


ねえ!怪我したみんなを、早く!

!! そうね、手伝うわ!どこへ運べば!?

回復魔法を使える馬がいるから!

馬!?……馬でもいいわ!



…………

……



イちちちち……

さあ全快したぞ。戦え!

hまあ、駄目よ。傷がふさがっただけなんだから、安静にしていないと。

大丈夫、わかっています。

……すまねぇ……

なんでおめぇが謝るんだよ?

ここんとこ、しくじってばっかだ……飛行艇だからって、警戒を緩めちまうなんて……

指揮官失格だぜ……

(指揮官……のような、振舞いは確かに多かったが……)

(正式に呼んだことなんかなかったと思ってたが……)

……気にすんな。誰にも予想できてなかった。

ああ。まさか、人か攻め込んでくるだなんて。

その『まさか』を考えるのが俺様の仕事だぜ……

……ちっと表、見てくらぁ。


h……責任感の強い人だから。

……普段はそんな様子、微塵も見せもしないのにな。

△▽□□□……

タビイ。グローサとハーティは?

眠ったみたい。

上は、個室だったな……

いや、全然いいんだ。こんな怪我、ツバつけときゃ治る。

ブルッヒヒイーン!

きったね!飛ばすなよ!

よかれと思い。

ホースヒールがあんだろ!?

ううむ、他者の口から聞くと些か馬鹿みたいな名前だ。

今度改名するとしよう。

勝手にしやかれ!



……………………

…………


「…………」


「アラ、なんでこんなとこに?」

「え?」

「もうすぐごはんよ。いらっしゃいな。」

「セントリーはもう帰した。私だけ戻らないわけにはいかないわ。」

「こんな時間よ。ごはん食べて、泊まってけばいいわ。」

「……やっぱり、ふところが広いのね……」

「やっぱり?」

「ううん、なんでもない。

……ごはんだけ、甘えちゃおうかな?」

「えー帰るのー?はっちゃく場、まだやってる?」

「三交代制だもの。」

「なるへそなー。」


「悪かったわね。

あいつ……アキシオンだけのことじゃなく。過剰に警戒しちゃって。」

「警戒は大事よ。過剰かどうかはご時世によるわ。」

「ふふ、賢いのね。そうね……私はそこまでだけど……

ヘイス……レベッカ隊長は、何かを感じているのかもしれない。」

「なにかって?」

「変化の兆し……かしら?」

「かしら?と言われても……」

「そうよね。本人と話してみなきゃ。あなたたちのことも伝えておくわ。」

「なんてふーに?」

「いい人たちだ、って。」

「アタシ猫よ!」

「そこかー。」

「馬もいるしロボもいるわ。」

「全部ひっくるめて。」

「ならいいかな。

いいひとって言ってくれるひとは、いいひとなんだと思っちゃう。

それって単純かしら?」

「ううん。真理のような気もするわ……」



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story6 すぐにわかることだし


「……この雰囲気は……」


(なら、もしかして……

<白なる民>というのは、あの時代にいた、誰か……?)


(生き残っていた、誰かがいたの……!?)


「いかがですか?この王宮は、白の王国の宮殿を模していると言われているのです。」

「え?あ、はい、そうですね。確かに似ていますね……」

「ほっほっほ。お若いのに博識で。」

「あ、まあ……はい。」

「?」

(すぐにわかることだし……)


「どうぞ、こちらへ。」

「ええ……」


6-2 椅子で待ちながら



「――謁見の間です。」

「……ここは……」


「――なされました?」

「!?いえ、なんでも……」

「ご気分でも?」

「大丈夫です……

……似ています。本当に、あの頃の、あの場所に……」


(あの頃――

――みんな――)


「やはり、どこかお体の具合が……?

「――いいえ。大丈夫です。

――っ!!!???」


「どうされました!?」

「…………」

「いえ…………!

「…………」

「どうしてここに……!?」

「…………」

「どうされたのですか?そこに、なにが?」

「え? 誰も……いませんか?」

「はぁ……

「…………」

しばしお待ちを……」


「…………」

「…………」

「あなたは――」


「椅子をお持ちしました。どうぞ。」

「あ、は、はい、ありがとうございます。」

「では、お待ちを……」


「……?

…………

……そっか……<白なる民>って、……テオくんが……

この国を建てたんだね……

あのとき……助かっていたんだ……ね……


…………

……だけど…………縛られているの……?

私の……せいで……」


「国主がいらっしゃいます。」


6-3 謁見


「――ようこそセンテリュオへ。飛行島の冒険家殿。」


「お招きくださりまして、ありがとうございます。」

「センテリュオの意義からすれば当然のこと。

ルーンの光を、世界中に――

――その光で、<闇>を晴らす。」

「…………」

「お聞きしました。飛行島の皆様は、<大いなるルーン>を集め、<闇>に対抗していると。」

「はい。

7つの<大いなるルーン>……それを全て集めれば――

――蘇るでしょう。かつての、天空大陸――

――<約束の地>が――」

「ふむ……すると……?」

「光とは、天より降り注ぐことで、その真価を発揮します。

かつて<始祖のルーン>と呼ばれた、全ての輝きの根源たるルーン――

――それさえあれば。<闇>など恐れるに足りません。」

「……素晴らしい。」

「……いえ……」

「目指す理想は同じ。誓いましょう。国を挙げて、皆様に協力させていただきます。」

「ありがとうございます……!」

「我が国の守り抜いてきた<大いなるルーン>、正義のためにお譲りいたします。」

「言葉もありません……!必ずや、世界に平和をもたらすことを、こちらもお約束いたします。」

「……ただし。

その前に、認めていただきたく思います。」

「認める……?」

「ご自身の犯した罪を。――<光の王>アイリス様。」

「!!」

「我が国センテリュオは、<白なる民>の生き残りが興した国です。

つまり、あなたにはあるはずだ。

我らが祖先の同朋の命を――

――悉く奪った罪が!」

「――!?

――そう――

――当然、だよね――」



6-4 懺悔の宣誓


「――風化した罪だと、開き直るならそれでも良い。

そのときはこちらにも考えがある。

ご返答をいただきたい。<光の王>アイリス様。」

「…………」

「――ご返答を!」

「…………

……ごめんなさい。」

「!?ごめんなさい!?

はっ!何を言うかと思えば、いかにも子供じみた!

そんな言葉で、罪が晴れるとでもっ!?」

「足りてはいません。言葉も。体も。

この身を細切れにし。一つ一つに懺悔の言葉を刻み。永遠にお詫びし続ける。

それが出来るのならば、そうします。」

「……この場で言うだけでっ……!」

「私の命をお望みですか?それは――渡せません。

今は――まだ。」

「……なぜ?」

「やらねばならないからです。他の誰でもない、この私が。

あの日討てなかった<闇の王>を。この手で……

……この手で!仕留めなければならないんです!」

「っ……!」

「一度は汚れた手です……!<闇の王>を討つまで、とんなそしりを受けようと構わない……!

全人類に忌み嫌われようと!」

「!!」

「<闇の王>を討つ……!それか私の、たった一つの、全てを犠牲にしてでも!やらねばならないこと……!

贖罪だとも思わない!」

「…………」

「……そうです。私――<光の王>アイリスは。

世界を――崩壊させました。

数え切れないほどの命を奪いました。

それが私の罪。

償っても償いきれない、罪……

ですが、償う努力をさせてください。

この世から<闇の王>を消し去ったあとで――

――未来永劫。ずっとずっと。」

「…………

……よく、わかりました。

お顔をお上げください。アイリス様。」

「…………」

「いまの宣言は、アイリス様の本心でした。そのくらいはわかります。

我らが祖先への謝罪の言葉、しかと受け止めました。

すぐに<大いなるルーン>をお持ちしましょう。」

「……っ……!」

「信じます。あなたを。」

「ありがとうございます……!」


「……駄目だよ……」

「!?」

「そんなの信じたら。」

「――っ!?」


どうしてここに?

向こうへ行っていなさい。

さ、お姉ちゃんの言うことを聞いて。

……え?


「――まさかっ……!?」


「久しぶり。アイリス様……!」


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story7 覆う光


「テオくん……テオくんなの!?

本当に……!?本物のテオくんなの!?」

「ヘヘヘ……」

「テオくん……テオくん!」


 

 テオ……?

 

 ?


「待っててね、姉ちゃん。」

「姉ちゃん……?

シーマさん!?シーマさんも!?」

「ここにはいないよ。」

「どこにいるの!?」

「死んだよ。」

「!!」

「とっくの昔。」

「……ごめんなさい……」

「ずっるいよね~。」

「……ずるい。」

「謝る風で一喝してさ。そりゃ、当事者じゃない相手ならああいう手もあるよ。

説得は謝罪じゃなくない?」

「っ……!」

「それにさ。今まで何やってたの?いまさらノコノコ起き出してさ。

……ずっる。」

「テオ……くん……?」

「痛いときって長いでしょ?苦しいときって長いでしょ?

長かったんだ。本当に……」


「あの日。地面が落っこちて。

僕と姉ちゃんは。ボロボロになった。

ソウルもほとんど失ってて。動けなかった。」

「……テオくん……」

「ちょっとちょっと。口挟まないで。」

「…………」

「死なないんだ。死ねないんだよね。そのままじゃ、自然には。純粋な、白の民だから。

でも姉ちゃんは、幸い。<闇>を植え付けられてたんだね。少しずつ、変質していった。」

「っ……!」

「姉ちゃんはね。徐々に、魔物になっていってた。でもそれはマシだったんだ。

姉ちゃんはね。魔物になりきるより前に。頭をやられちゃった。」

「!!」


 ***


「姉ちゃんっ……!?」

「あいつ……!白の巫女……!……あのヤロォオオオ!!!」

「どうしたんだよ姉ちゃん!なんでアイリス様のことを!?」

「全てあいつの!あいつのせいだ!

あの日!この私を差し置いて!あいつが王になったせいで!

そのせいで滅んだ!そのせいでこんな目に!」

「ね、姉ちゃん……?」

「ふざけやってえええエエエ!!!」


 ***


「この場合、どっちがどうだったんだろうね?」

「どっちがどう、って……?」

「参っちゃったよ。僕。

来る日も来る日も、呪いの言葉を聞かされて……」


 ***


「許せないっ……!何が光……!兄様をたぶらかせて……!

薄汚い淫売がっ!!」

「もう……やめようよ……」

「どうして!?憎くないの!?

あの女が!光が!白が!?」

「嫌だ……嫌だよ……!」


 ***


「…………」

「だから、さ。さいごのときが来たとき。ちょっと……ホッとしちゃった。」

「……そう……」

「……なにが『そう』?」

「え……?」

「わかんないだろうね。僕の気持ち。僕はね。

そんな風になんか、思いたくなかったんだよォオ!?

姉ちゃんのことを!!!」

「ご、ごめんなさい……!」

「さいごのとき、一瞬だけ。元に戻った目で、姉ちゃんは言ったんだ。」


 ***


「――もう一度、三人で、暮らしたかった……

テオ……さよなら。また、どこかで、会えたら……」

「姉ちゃん……!」

「…………こんなの――

――悔しい――」

「――っ!!!」


 ***


「…………」

「…………」

「………………なんか言えば?」

「……っ……ごめんなさい……」

「許さない。」

「!!」

「ずっと苦しかった。胸が。ずっとずっとドロドロだった。

とっても長かった。ずっとずっと、この日を待ってたんだ。

あんたと会える日を。」

「……テオくんっ……!」

「あんたに復讐できる日をッ!」

「あぁあああっ!!!???

――ルーンよっ……!」

「<○■○%#X$……!>」

「っ!?」

「やらせないって。このときのために、準備をしてきたんだから。」

「っ……!」

(テオくんに……なら……)


(…………)


(ううん……いけないっ……!

私一人が、あきらめるわけにはっ!)


「……ふふふ。だよね。そうこなくっちゃ。

ねえ……姉ちゃん。

僕のお願い……聞いてくれる?」


7-2 それぞれの姉


「……どうしたの……?

「見たでしょ?謁見の途中で逃げ出すなんて。

不敬だよね。捕えよう?」

「……そうね……」


「どうしてあなたが国主様と……?」

「…………」

「それに、あなたはいま、郊外へ出かけてるはずじゃあ……?」

「戻ってきたんだよ。ついさっき。」

「そう……そうなのね。

でもあなたは、体が弱いんだから……」

「大事な用事だったんだ。……ねえ。

王宮の秩序を守らなくていいの?ほら、追ってよ?」

「……ええ……」


「……ふふふ……」


「一体……どういうことなの……?

どうして二人が、あなたと……?

あなたの<姉>は……私……よね……?」

「…………」

「うっ――!?」

「<○■○%#X$……!>」

「うぅううっ――!!??」


「大丈夫?姉ちゃん?」

「え、ええ……平気よ……」

「国主様と決めたんだ。ルーンナイト隊に号令を出して。

飛行島の冒険家たちは貴石の国センテリュオにとって害悪だと認定された。

殲滅せよ。奴らの本拠地である、飛行島を墜とせ。」

「えっ……?そんな様子は……?理由は……?」

「ルーンナイトは命じられた通りに戦えばいいだけだよ。」

「……そうね……

ルーンナイト心得の三……命に疑念を抱くべからず。

全てはルーンの導き……」

「そうそう。」

「……いくわ……」


「ふふふふふふ……!

そうだね……すべて、姉ちゃんのおかげさ……!」



7-3 一人でも



「……はぁ……はぁ……!」


いたぞ!


止まれ!大人しくすれば、手荒な真似はしない!

止まるわけにはいかないの!

この王宮で、ルーンの悪用は不可能だぞ、魔道士っ!

体内のルーンを媒介とする、我らルーンナイト以外はなっ!

そんなわけは……?

――もしかして――

(<幻想のルーン>の力で、場に新たな制約を設けている?

……制約……ルール……

……理……!)


はぁっ!

な!?

ごめんなさい!


一騎当千のルーンナイトを、一撃で……

魔道士だと思って甘くみるな!連携してかかれ!

ええ!


ずっと一人で戦っていたの。あの頃は。

魔法を封じられたくらいで!

くっ!休む暇を与えるな!


あなたたちこそ、無駄なことはやめなさい!

ここは通してもらいます!





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