【白猫】メインストーリー 第13章 後編
開催日:2018/10/19 |
目次
主な登場人物
story8 問1
「しくじったか……
あんな隠し玉を持ってやがるとはなァ……
なんべんやっても同じだぜ……どうしたもんかなァ……
……ちっ。流れ着いたか。潮は融通利かねえなァ。
…………
コソコソ十年修行するか?そんな馬鹿な……
ルーンの技術……吐かせるか?
いや、結局は施術者が必要だ。やってくれるワケがねえ。
――参った。八方塞がったぜ。」
「なら、九つメの道はどおです?」
「あ?なんだてめえ……?」
「ワタクシはエピタフ。闇まとう道化。あるいは――
――ステキな足長オジサン♪いや、この場合、<お兄ちゃん>ですかね♪
ギャハハハハハ♪」
「……『兄』だと?てめえもあの馬鹿どもの仲間か?」
「イイエエ、ワタシは本物デス♪――ンフ!ンフフフフフフ!!!」
「気色悪いな。」
「そう邪険になさらズに♪ワタクシは好きですヨォ、アナタみたいナ単純なカタ♪」
「こーえーだね。」
「アナタ、欲しいのは<力>ですネ?」
「くれんのかい?」
「道化師クィ~ズに正解すれば、ネ!イヒヒヒヒィ♪
もんだぁ~イ。どうして<力>が欲しいのか、ナ?」
「生きるためだろ。」
「そのココロは?」
「人生には限りがある。てこた行動できる回数にもな。
したくねえことをする暇はねえ。やりたいことだけやってやる。」
「ほ~ぅ?」
「たいがい邪魔が入る。邪魔ってな自分のじゃねえ意思だ。他人だ。
それを排除するのは『やりたいこと』に含まれる。
別に、特筆して、生涯かけてやりたいことなざ、ねぇよ。
けど、トータルで、やりたいことだけ選び続けて死んでやろうと思ってる。
折り合いとか基本、クソだろ。いても自分に得なヤツ以外、いらねぇよ。人生には。
それが生きるってことのシンプルな答えじゃねーの。
だから<力>がいる。」
「……うく!うくククククク……!」
「ほれ、答え合わせは?」
「ギャハハハハハ!アナタ、嫌われてマセン?」
「クズともにいくら疎まれようがどーでもいーぜ。」
「ワタシ好きですヨ、アナタのコト♪
――イイヨウに言っちゃってますしネェ!?ギャッハハハハハハハ!!!」
「…………」
「じゃなンでココにいンの?」
「…………」
「ヨワムシちゃん♪」
「……バケモノになんざ会いたくねぇよ。」
「ウハハハ♪デスヨネェ?
隊に、国に、守られてェ?喧嘩売るのは、自分より弱いヒトだけ~!
自分がトップの居心地のいい世界デ、これが理想だトカわめくゥ!
そりゃいい生き方ですヨォ!アハハ!デモネェ!?
雑魚を排除してレバ、残ってくのはと~ぜん、キョウテキです。
いつまで貫けますゥ!?その究極の生き方ァ!?ギャッハハハハハ!!!」
「……いいトコで死ぬさ。」
「デモできれば生きてたいでショウ?」
「別に。そこそこでいーよ。」
「ンフ♪ス・ナ・オ♪わっかりましたァ♪せいかいでェ~~~ス♪
<混ぜて>あげマスゥ~♪ボクちゃん秘蔵のタカラモノ~♪」
「ルーンか?」
「ん~、そうナルのかナ?こっちの世界でハ?」
「なんでもいい。この国にあるヤツ、<大いなるルーン>つったか。より、強ぇんだろうな?」
「特別なことハできませンヨ?センノーとかヘンソーとか?タダ純粋な、エネルギーです♪」
「上等だ。」
「デ・ハ♪」
「――オォオオオオオッ!!!???
……これがっ……!」
「気に入ってもらえまシたァ?」
「悪くねぇ気分だ……!」
「上・等・デス♪ギャハ♪」
「!!あなたはっ……!」
「ンフ♪サービスであのコも<混ぜて>あげまショか?」
「いらねえよ。」
「!! かはっ……!!!???」
「0.1とか、いまさら。」
「あらラ~ラ。少しでも足しときゃいいのに。信念ブレてちゃ負けマスよォ?」
「言ったろ。したくねぇことはやんねぇ。」
「ククククク……♪そうでシタネ……♪
オダイジニ~♪ギャハハハハハハ!!!」
「……けっ。
守られてる、ね。わかっちゃいたよ。
けじめ、つけるか。」
8-2 あの日の二人
「――結果が届いたわよ!」
「ほんと!?どうだった!?」
「『適性あり』だって!すぐにでもセンテリュオヘ来られたし、って!」
「やったじゃない!これであなたの夢が叶うわね!」
「夢?そんな話だったっけ?」
「言ってみただけ!」
「おっ茶目~♪」
「あはははは……でもホント、嬉しいわ。まるで自分のことみたいに。」
「あなたもよ、エレメージュ。」
「なにが?」
「あなたへ届いた結果も、同じく『適性あり』だもの。一緒にルーンナイトになれるのよ!」
「え……ええええええ!?」
「どうしたの?嬉しくないの?」
「だって、あれは、あなたの付添いで……歌もダンスも散々だったし……」
「そんなのしたっけ?」
「ごめん、記憶が混乱してて……」
「いつのなんの記憶よ……」
「ホントにホント?私にも通知が来たって?」
「はい。自分の目で見てごらんなさい。」
「え……何語……?」
「上下逆さま語じゃない?」
「あ、ほんとだ。……ホントだ!
本当に!まさか、二人そろってだなんて!」
「なんだか、やっと、報われたカンジね……
師匠から残されたこの道場を、二人でえっちらおっちらやってきたけど……
私たちだけじゃ限界があったものね。」
「楽しい暮らしよ?」
「ええ、楽しいわ。二人だけの生活は、本当の姉妹みたいで。
だけど……もったいないから。」
「もったいない?」
「エレメージュ。あなたには才能があるわ。」
「サイの脳……」
「あなたはしっかりしてるし、人もまとめられるし、空気も読めるし。」
「シカとした?」
「拾わなくていいかなって。」
「モウ。」
「茶化さないで聞いて。あなたはこんな田舎で終わるにはもったいない。
あなたなら、きっと……そう、ルーンナイトの隊長にだってなれるわ。」
「買いかぶりすぎよ。その説でいけば、もったいないのはあなたの方よ。
私はぼんやりしてるもの。」
「そうね……ときどき、さも神妙そうな顔をして、何も聞いてなかったときは、心底腹が立つけど……」
「わざとじゃないんだってば。」
「わかってる。でも、だからこそ、あなたの器ってとっても大きいんだと思う。私なんかより、全然。」
「そんなことないと思うけど……」
「私にはわかってるから。だから、そうね。
あなたが隊長になって♪私はそのサポートをするわ♪」
「うん、わかった。じゃあそれで決定で。」
「…………
……あっはははは!決定だって!まだ入隊もしてないのに!」
「あはははは!そうね、何言ってんだろ……!」
…………
……………………
「おめでとうございます。ルーンナイト一位<ヘイス>、レベッカ殿……」
「うむ……」
「…………」
「…………」
「『うむ』だって!ぽくない!?」
「あっははははは♪ぜんぜん、ぽくなーい!」
「ちょっと!声が大きいわよ!あなただって、今日から副長なんだから!」
「まだ全然実感湧いてませーん♪」
「うっふふふふ……♪
ありがとう。私が隊長になれたのも、全てあなたのおかげよ、エレメージュ。」
「こちらこそ。あなたがいるからこそ、私もここにいられるのよ、レベッカ。
これからもよろしくね。」
「ええ。ずっとずっと、あなたを支えるわ。
……気を引き締めなくっちゃね。」
「ええ。これからは、私たちがこのセンテリュオを守らなければいけないのだから。
国主に仕える弟のためにも、精一杯職務を全うするわ。
私も、田舎に残してさた弟のためにも、寸暇を惜しんでがんばらなくっちゃ――」
――!?
どうして、あのときのことを……?
……へんだわ。何かか、矛盾していた……?
「副長殿!お疲れのところすみません!続けての指令です!
飛行島の冒険家たちを殲滅せよ!
「!?まさか……!?
…………
……ルーンナイト心得の一。姉道に背くまじきこと。
弟を守る姉が如く、国家安寧のための切っ先となれ。
いくぞ!私に続け!
「はっ!
story9 同じ手
たいへんだったわね。今度はアイリスのところへ急がなくっちゃ……!
友好的なひとたちの国だと思ってたけど……
こうなってきちゃうと……なんだか嫌な予感がするわ……!
だいたいにして……なんだかこの街、雰囲気が……
もう二度と、あんなの……!
……そうね……あのことは、辛い思い出だけど……
アタシたちだって、あの頃のままじゃないもの……!
何が起きても負けないわ!
――しゃべれるから!
ちゃんと見て!ちゃんと考えれば!争いなんか避けられるのよ!
きちんと見てみなさいよ!まじりっけない気持ちで!この世界の姿を!
ルーンナイト心得の三。命に疑念を抱くべからず。問答無用っ!
……だいじょうぶ……!揺さぶりは入れたわ……!
ひっくり返すには!原因をやっつけるしかない!
こんな展開、二度目だもの!このキャトラさんに、二度同じ手は――
――通用するけども!前よりは我慢できる!
9-2 フィルター
退けろっ!
ここにはいねぇ。価値のあるヤツは。
いつ敵になるかわからねぇ。いま殺しとくのがベストだ。
そんな傍若無人の振る舞いが!人の子に許されるわけかない!
最高だなァ!イメージと寸分の狂いもなく、体が動きやがる!
感触が物足りねえが、ま、もっと硬ぇヤツもいるだろ!
いいもんだなァア!やりたいようにやるってのはよォオ!!??
謳歌してやるぜ!人生を!
「ふざけるなっ!!!
――解放――
ヒュ~♪
残念だったなァ。前までだったら、てめぇの勝ちだったのに。
!?体内にルーンのない貴様が、なぜこれほど……!?
「肉体の練度は限界だったけどよ。別の伸びしろがあって。伸びた。そんだけ。
「馬鹿なっ……!?
「すぐに死ぬなよォオオ!!!???
story10
……あぁ……なんて……
キレイチャン……♪
ンフ……ンフフフフフ……
デモ……まだ……まだ……まだ……
まだまだまだまだ……
まだまだまだまだまたまだまだまだ
まだまだまだまだまだまだまだ!
ま~~~だ~~~だ~~~め~~~
!!!!!!!!!!!!!!!!
だってだってだって!
もっ卜ずっト長かったしィ~!
長いの何倍も長かったしィ~!
その間ずっ卜考えてたしィ~!
楽しませてもらワナイとでショオオ!!!???
それに……ワタクシも、ネ?
気高く丸まるキレイチャンな
あなたサマにツリアウには……
もっと……堕ちナキャ。
――グッチャッグッチャにぃ!
ギャハハハハ!!!
10-2 わからずや!
だけど、姉道には背けない。私は副長だから……
ルーンナイト隊そのものが!私たちにとって、かけがえのないものだから!
ちゃんと見なさいちゃんと見なさいちゃんと見なさい!
間違いだったなんて、よくあるわ!
***
「レベッカ?何よ、かしこまっちゃって?」
「…………」
「心配ないわ。誰も近くにはいない。
いつも思うけど、隊長室って豪華よね。豪華というより、厳重?
ま、ルーンナイトの隊長ともなれば、オカタイ話にも関わるでしょうし、その方が都合もいいんだろうけど。」
「…………」
「レベッカ?」
「…………」
「隊長!」
「あ、ごめんなさい。考え事をしていて。」
「久しぶりに出たわね。まあ久しぶりだから目をつぶってあげる。」
「そうなの。隊長には、国にとって重要な情報を知らされることもある。」
「聞いてたのね。」
「少し高い位置から見渡せるようになって……違和感を覚えることが増えたの。」
「違和感?」
「これまで当たり前だと思ってたことに対して。」
「当たり前だと思ってたこと……たとえば?」
「どうしてルーンナイトは女性だけなのかしら?」
「弟を守る姉のように、国を思いやる素質……姉道の心得か必要だからね。」
「私たちから見て、ルーンに通性がありそうな男性を推挙しても……
決して入隊することはない。それはどうして?」
「隊長が知らないことを知る由もないわ。
というかその理由も『姉道』なんじゃないの?」
「国を思う気持ちに、男女の別があるなんて誰が決めたの?」
「私にはわからないって。」
「ちゃんと考えて。
……いいえ、考えましょう。幸運なことに、今のルーンナイトを変えようと思えば、あなたと私である程度のことはできる。」
「ルーンナイトを変えたいの?」
「私は島を守りたいの。あなたや、弟や、大切な人たちを。
言ってしまえば……守りたいのは『国』じゃないもの。不自然な法律や制度があるなら改革したい気持ちもあるわ。」
「こらこら、物騒なこと言わないの。仮にも隊長でしょう?」
「エレメージュ、茶化さないで。一緒に考えてよ?」
「いいけど、答えはいつも同じよ?
レベッカ。あなたの考えに、私はいつでも賛成。」
「ふぅ……ありがと。」
***
ルールのためのルールなんて、なんかおかしいよ!
私一人のことじゃない。田舎にいる弟のためにも、職務を果たさなきゃ――
それとも――
――建物のガラスとかに、太陽の光が反射して、まぶしっ!てなる、アレ?
――あぁ!面倒!とにかく、標的は――
なんかて!
story11
そして今回、冴えに冴え渡るキャトラさんが思うに!
キャトラ大帝が思うに!
大ボスは国主に違いないわ!王宮目指してすっすめー!
軽すぎてナナフシかと思っちゃいましたよォ~?
長くはもたないぞ!?
や、それが。案外デメリットはねーっていう結論に至ったんだわ。
好きに生きていずれ死ぬ。っつー、人生観には。
結果で言やぁ、てめぇのおっしゃった通り、一人寂しくのたれ死ぬからさ。
その前に視界から消えておくれよってハナシ。
理解とか求めてねーってば。
……主命により、斬らせて頂く。
こりゃたいしたタイチョーサンだ!ぎゃっははは♪
この国のひとたち!みんなおかしいんじゃないの!?
なのに狂人呼ばわりしてくる。なんで自分だけ言われんだろ?ず~っとそう思ってたねぇ。
こいつら全員!言葉をいじくり倒して!同じことしてやがんのによォ!?
――やめた。水掛け論だ。そーゆーのか面倒だから、皆殺すって決めたんだ。
視界の中で動いたヤツを殺す。
民か、兵士か、旅人か、魔物か。誰でもいい。目についた端から。
もちろんてめぇも含まれる。それでいいなら、そこのガキと遊んでな。
姉道に背くまじきこと……!
いまだけ言うこと聞さなよ!いまだけは!
そいつの言ってることの方がまだまともよ!
アタシたちで協力して、そいつと戦いましょうよ!?
11-2 姉
――いたァ!!!
あーそびーましょォオ!!!???
お……?
いいのかい、副長サン?
それとも仲悪いの?
ならば、命令と。姉道に基づき、先に討つべき相手は……
弟なんていなかったの!私にも!あなたにも!
なら……ルーンナイトは……!
姉の心――<姉道>。それがある者が、ルーンナイトになって【】
ルーンナイトは、<姉>にされていたのよ!!!
――<弟>に違いないわ。
ぎゃっははは!バレてやんの!
だよなァ!?嘘はいつか、バレるよなァア!?
ぎゃっははははは……!
逆に聞きてぇ。何で信じてたの?
――そうか!あなたには、ルーンが埋め込まれていないから!
――続きやンぞォオ!!!???
やっぱりあなたこそ……隊長の器だわ……
11ー3 檻
多勢に無勢を得意とする。対峙する敵が、多ければ多いほど冴え渡る!
一人一人が実力を発揮するのは至難の業。
簡単に言えば互いに邪魔になる。
あいつは常に連携の乱れを誘う。
ま、アレがあろうがなかろうが。二人だろうか二十人だろうか。
どの道、だけどなァア!!!???
――束となり恩恵を与えたまえ――
<*×○■!&%&…………>
ンだそりゃアア!!!???
調子のンなァア!!!!!
クソザコが!るっせえんだよブンブンと!!!
――<慈愛>の檻――
……ンだこれ……?
ちィっ!?
そのままそこにいて下さい。
これ以上……命を奪わないで。
解くことは出来ないまでも、感じるくらいなら。
無礼を致しました。なんとお詫びしたらいいか……!
――それに。こんな奴でも。このまま果てるのを見ていたくはないわ。
……わかってるから。これが一番いいのよ……
その他
相関図