アナザーエデン Story13
「うん……?あ、あれ?
「元気にしてたかヴァルヲ?
「ヴァルヲどうかした?なんだかヘンな音がしたけど?
「………!?お……お兄ちゃん!?
「あ、ああ……フィーネ……。
「ほ、ほんとに……お兄ちゃんなの!?まさか夢じゃないよね?
「夢なんかじゃないってフィーネ。ほんとにオレだよ。
「お兄ちゃん……!ああ……よかった……よかった……!
お兄ちゃんまでいなくなっちゃったのかと……!わたし……わたし……!
「おいおい泣くなよ……!バカだな。オレがおまえひとり残して勝手にいなくなったりするわけないだろ?
「うん……うん……わかってる……!わかってるけど……でも!
「ほらもう大丈夫だから。なフィーネ?もう泣くな。
「う……うん………
うん……わかった……。
「アルドお兄ちゃん……。
「ああ。ただいま……フィーネヴァルヲ!
「お帰りなさい……アルドお兄ちゃん!!
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「……お兄ちゃん……アルドお兄ちゃんたら!」
「ううーん……?」」
お兄ちゃん!朝だよ起きて!アルドお兄ちゃん!」
「ふぁ~あ……。ああフィーネか……。なんだもう朝か。おはよう。」
「もう朝かではないでござる!お日様はとうにペカリとやらの樹の上でござるぞ?」
「げッ!サ、サイラス!?ってフィーネは……!?」
「今のは拙者の声色でござる。ものの見事にダマサれおったでござるなアルド。
まだまだ修行が足りぬでござるぞ!」
「見事にダマされおったって……。」
「さあ世界が待っておるでござるぞ!ノンビリしておるヒマはござらん。
ちなみに拙者二度寝は嫌いではないが三度寝はさすがに気がとがめぬこともないではござらんな。」
「何なんだアイツは……?まあともかく今日もまた頑張るとするか!」
***
「みんな……!なんだサイラスだけじゃなくみんなも来てたのか。」
「一度はソレソレの時代に戻ったノデスガヤハリナンダカ気にナッテシマイマシタノデ。」
「さあアルド!もう一度時空を超えて冒険の旅に出るんでしょう?
彼をこのままほっとくわけにはいかないものね。わたし達も協力するわ。
今はまだどうすればいいのかわからないけど失われた未来を……エデンを救けなきゃ!」
「そういうことね!やる以上は納得いくまでやり切らないとすまない性分なのよわたしも。
エデンを救う別の未来……新しい可能性をなんとかして見つけ出さなくてはならないようね。」
「ありがとうみんな!だけどどうすればいいんだろう……?」
「とりあえず足をのはしてみるのがよいのではござらんかな?
これまでに行ったことのない未知の場所に合成鬼竜で飛んでみるのも手でござろう。」
「そうだな……。新しい世界を目指してそこで手がかりを探してみるか。」
「お兄ちゃん……。」
「うん?どうかしたかフィーネ?」
「声が……アルテナの声が聞こえる……。」
「なんだって!?だけどフィーネアルテナは……?」
「わからない……でも確かにアルテナの声が聞こえるの……。生きてるどこかでアルテナは!」
「しかし……。」
「アルド……実はあの時ちょっと気になってたことがあるの。
闘いの後消滅するアルテナが緑の光に守られてるみたいで……。
あれフィーネちゃんのジオ・プリズマの光だったんじゃ……?」
「だがあの時はフィーネはまだ自分の力をコントロールできなかったはずだが……?」
「魔獣王ギルドナ消滅の際モ同じ現象が起こってイタコトが確認デキテイマス。
アノ時フィーネさんは意識ヲ失クシタ状態デシタ。
オソラク無意識下の本人モ気付いてイナイ所デ内ナルカが発動サレタモノト思われマス。
バラバラに素粒子に還元サレカケタニ人の肉体ヲジオ・プリズマが再構築シタノデハナイデショウカ。」
「大切な友人とその友人の兄を守るために知らず知らずのうちに力を使っていたということね。」
「ではふたりは消滅したわけではなく世界のどこかで生きているということでござるか?」
「………。」
「お兄ちゃんお願い!アルテナを助けに行かないと!」
「フィーネ……。」
「ダメって言われてもわたしひとりでも探しに行くから……!アルドお兄ちゃんお願い!
あれ以来ジオ・プリズマの力も感じられなくなっちゃったけど……でもそれでも行かなきゃ……!」
「ふう……わかったよ。」
「お兄ちゃん!」
「今回ばかりはなんて言っても聞かないだろ?
それにアルテナは自分ひとりで消滅することになってもおまえを守ろうとしてくれた……。
彼女が世界のどこかで生きてるっていうなら探しに行って助けてやらないとな。」
「うん!ありがとうお兄ちゃん!」
「よしじゃあ一緒に行こうフィーネ。再出発だみんな!」
「オッケー!行きましょう新世界に……!新しい未来を見つけに!」
第一章 -完-