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【白猫】蒼空の竜騎士2 Story2

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

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story9 ソウくん




「みんな死んだっ!!」

「……!」

「お母さんもお父さんも死んだ!まだ一歳だった弟も、死んだ!

友だちのチイちゃんも、ソウくんも、マーちゃんも、みんなみんな、死んだんだ!」


チイちゃんも、ソウくんも、マーちゃんも……

……ナギ。

みんなみんな……死んだんだ……

俺は、こうして生きている。

……岸まで歩くぞ。



だって……ソウくんは……ソウくんは、あのとき――


「逃げろ、ナギ!逃げるんだ!」

「ソウくん!ソウくん……!」

「うわああぁぁぁぁぁぁっ!」


 あのとき――!


「熱いよおぉぉぉぉ!」

「きゃああぁぁぁぁぁ!」

「……あ……あぁ……にげろ……ナ……ギ……


…………

う、うぅぅぅぅ……

死んでもおかしくはなかった。だが、俺は生き残った。

……この身を蝕んだあの痛みを、俺は忘れたことがない。

いまでもたまに傷がうずく。いまだに俺は、焼かれているんじゃないかと思うときもある。

だが、それでいい。消えない痛みは、俺に怒りという力を与えてくれる。

……どうしても…………信じられないよ……

……ニレの木を覚えているか?村の外れの、小高い丘にあった木だ。

ニ人で根元に宝物を埋めた。木彫りの小鳥と、エメラルドの装飾が施されたナイフ……

俺とお前だけの、秘密。

…………

ほんとうに……ソウくん……なんだね……?

……<ソウ>はもういない。弱くてちっぽけなソウは、あのとき、死んだ。

だが……”俺”は確かに、ここにいる。

ソウくん……!




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story10 みなぎるクライン




ブタァ!なに手こずってんのよォ!

「こいつら、強いですよ!

言い訳なんか聞きたくないっ!

そろそろ、限界か?

あぁ!?

魔獣の召喚にも限度があるはずです。

勝手なこというんじゃねえよ!クソ穢れたクソ下等種が!

<クラインは、ぶつぶつと呪文を唱えた。>

ア”ーーーーーーーーー---ー!

あなた、なにを……!

命を削りィ……ご主人様に仕えるゥ……それが、メスイヌのォ……

役目ェ!

ブタ。アタシはそろそろ移動するわ。ここ、頼んだわよ。

じゃあね~♪


ゲオルグ、ここは私が引きうけるわ。

あなたは、あの人を止めて。

かしこまりました。行くぞ、カグツチ!

……うむ。


さあ、ラピュセル!気を引きしめていくわよ!



ずいぶんあっさりと承知したな。

……いまや、守られるだけのお方ではあるまい。

岩のような固い頭も、少しは柔くなったらしい。

お前に褒められる日がくるとはな。

褒めてなどおらぬわ。



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story11 市街地の戦い



「距離を取れ!

くっそ、やりづれえな!堂々とかかってこいよ!

「貴様を倒すのが目的じゃないんでな。

あたしを釘づけにしようってんだろ?

「…………

(……とはいえ離れるわけにもいかねえんだよな)

こんにちは、下っ端ドラグナーちゃん。

……新手か!

貴様は逃がさん!

団長っ!

しつこいわねェ……!


お客さんはこれで最後ね。

……さて、次はどうする?

ここからだと街が近いわ。セルジュさんと合流しましよう。

りょーかい!


…………

……


セルジュ!レース客の避難、かんりょーしたわ!

ありがとう、みんな。助かったよ。

国民のみなさんは大丈夫ですか?

みんな屋内に避難してる。犠牲もいまのところは出ていない。

よかった……

けど、形勢はあまりよくない。一部の敵兵が民家に侵入して、立てこもっているんだ。

なんですって!?

これまでの状況を考えると、あの黒い騎士は、ナギをここから連れ出すつもりみたいだね。

人質を取ったのも、いざというときの取引の材科にするためなんだろう。

ひ、ひきょーな……!

「セルジュ殿!増援です!

「お前たちはマリシア地区へ行け。あそこは路地裏か多い。ドラグナーから身を隠せるだろう。

この国へ来たのは、初めてじやなさそうだね?

「カシラはな。

カシラ?

「人質を助けようなんて思うなよ。必要にならない限りは殺さないが――

踏み込まれて戦闘になったら、巻き込まない保証はない。

(……キミたち。お願いしたいことがある)

(……なんとなく、想像できたわ!)


ここにはいない、か。

……ルォーン……

<――ソウくんっ!>

ルオォッ!?

……どうしました?

ルウオォォン、ルオーーーン!

あの人間の声が聞こえた……?

……なにも聞こえなかったけど……

ルオォォォォーーーン!

待ちなさい!

またひとりで……!



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story12 ともに生きる道



……そうか。お前は、竜狩りに助けられたのか。

ソウくんは……この竜に助けられたんでしょ?

何故そう思う。

そんな気がしたの。

……あなたは、どうして助けてくれたの?

ただの戯れだ。

……金髪の女が言っていただろう。竜が憎いなら、何故一緒にいるのかと。

竜を、殺すためだ。

……どういうこと?

古より生きる邪竜は、竜族を知るために必要だった。

……よく、わからないよ。

俺を利用している、と言いたいのだろう。……ひとつ、教えてやる。

こいつはまだ、同胞を殺してはいない。何故なら、俺を殺していないからだ。

……やっぱり、よく、わからない……

<ナギの足が止まる。>

ねえ、ソウくん。……あたしと一緒に行こう?

…………?

竜への憎しみは捨てて、あたしと一緒に、この国で生きるの……

…………

ソウくんの気持ちは、痛いほどわかる。あたしも、同じたったから。

竜狩りになって、竜をみんな殺してやるって思ってた。

それが、家族と友だちへの手向けになるって、信じてた。

でも、だめだった。何かを憎みながら生きていくのは、あたしには無理だったの。

……違う。

それに気づかせてくれたのは、他でもない……

なによりも憎んでいた、竜だったんだよ……

そんなわけがない!

……お前は、この国の人間ともに洗脳されているんだ。

わかるか?奴らは、自分が大切だと思っているものを失いたくないばかりに、お前の心を捻じ曲げたんだ。

お前が竜狩りとして成長したら、数多の竜が殺される。奴らはそれが嫌だったんだ。

ちがうよ、ソウくん……

大丈夫だ、ナギ。俺が、何とかしてやる。

……一緒に戦おう。俺とお前で、竜を駆逐するんだ。

村のみんなも、きっとそれを望んでいるはず――

ソウくんっ!

…………

お願い、憎しみにとらわれないで。いまのソウくんは、ほんとうのソウくんじゃない……

……あたしと一緒にきて。この国で、一緒にくらそう。

すぐには許せなくてもいい。あたしが、そばにいるから。あたしが、あなたを――

竜は、すべて、俺の敵だ――!

…………


ルオォォォォーーーン!

……アスタ!

持て!

ソウくん……あたしは……

いっしょには……いけないよ……!

……何故だ、ナギ……!




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story13 極秘任務




「うぅぅ……

「ちっ。ここはハズレだな。金目のものなんざ、ありゃしねえ。

「作戦行動に支障が出なけりや略奪してもいい、ってカシラはいってたけどよ……

「お宝があんのは、騎士団本部とか王宮とかじゃねーのか?

「ひ、ひとのものをとったらだめなんだぞ!

「しっ……!

「なあ、お坊ちゃんよ。<ブラックタートル>って

「知ってるか?

「し、しらないよ……!

「俺たち空賊でな?その名前だよ。略して<ブタ>。

「いまは休業中だが……手癖ってのは、そうカンタンには治らねえもんでなあ。

「……誰だ!

にゃー。

「なんだ猫か……

……アタシはね、にゃーとは鳴かないのよ!覚えときなさい!

大丈夫でしたか?

「うわあぁぁぁん!こわかったよぉぉぉぉ!

”ルシフ地区3班、定時報告が来ていないぞ。”

ム……!主人公!

 ――金目のものは、ない!

”……それは残念だったな。”

……他の人質の様子は?

”ベルデ地区2班、プラド地区7班ともに異常ナシだ。”

了解――

でかしたわ、主人公。

これで残りの人質の居場所がわかったね。

でも、いつバレるかわからないわ。時間との勝負よ!

……急ぎましょう!


…………

……


魔獣はこれで全部ね。

お見事です、姫様!

「こちらも忘れないでもらいたい。

「貴様らの相手は俺たちだ!

こちらも忘れないでもらいたい。

…………

どうかした?

ラピュセル。<宝角の問>へむかいましょう。

え……?

私に、考えがあるの。



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story14 ノスタルジー



待て、ナギ……!

……ノスタルジーだな。

……何だと?

その気になれば、すぐに捕らえられるだろう。

…………



「はあ、はあ、はあ……!

あー!また負けたー!

「ソウくん、あしおそ~い!

「おまえがはやすぎるんだよ!

「ふふふふふ!

……ねえ、ソウくん。あたし、やくそくしてもいいよ!

「やくそく?なにを?

「あたしをおいこすことができたらねえ――

……やっぱ、なんでもない!

「……な、なんだよ!

「ほらほら、もういっかい!こんどは、あの木まで!

よーい、スタート!

「ま、まてよ、ナギ……!


―ーアスタ!あたしはここだよ!

ルオォォォォーン!

ルオォン、ルオォォン!

「さっさと死になさいよ、クソドラグナアァァァ!

チギれ!殺せ!喰っちまいナァ!

ぬんっ!

あっっっっついわねェ!なにすんのよ!

団長!モニカ先輩っ!

ナギ!?

ああ!?なんで小娘が!?

モニカ、危ないっ!

こっちへ来い、ナギ――!




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story15 バルテリオスの角




<―王宮・宝角の間――>

お父様、お母様。エクセリアです――

「エクセリア!

「よかった……無事でしたか。

お二人も、よくぞご無事で。……ありがとう。エメリッヒさん、ゾエさん。

「いえ、私どもはなにも。

お父様、お願いがあってきました。バルテリオスの角を持ち出したいのです。

「……どういうことだ?

詳しく話している時間はありません。お許しいただけないでしょうか。

「……姫様には考えがおありのようですね?

敵は強大です。彼らに対抗するために、この角が必要なのです。

「あなた――

「……わかった。お前に預けよう。

「私どもにお手伝いできることはございますか?

お父様とお母様をお願い。

「……御意。

「命をかけて、お守りいたしますわ。

いきましょう、ラピュセル。


「……似てきたわね。目が。

「む……?

「あなたと。


それで、エクセリア。この角をどうするつもりなの?

バルテリオスの角がこの地にある理由を思い出してみて。

…………

もし、ウロボロスにファブニールの血が流れているとしたら……

……なるほど。確かに、やってみる価値はありそうね。

「……ずいぶんと値打ちがありそうな物をお持ちですね、お姫様?

悪いけど、急いでるの。




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story16 邪竜の血



……いた!あそこよ、ラピュセル!

こっちへ来い、ナギ……

…………

みんな、大丈夫!?

姫様っ!

邪魔を、するな……!

なんだ、その力は……!

アトモス様ぁん!

フォローしろ!

ああぁぁん、その血走った目、とっても素敵ですうぅ……

目なんか見えねえだろーがっ!

このクソアマァ!アトモス様との会話を邪魔すんじゃねェェェェヨ!

ナギ!お前は戦うな!奴は、自分たちが止める!

…………

ナギ、聞いてる!?

あ、あたしの、幼なじみなんです……!

この人は、あたしと同じ、村の生き残りなんです……!

……ウソ、でしょ……?

お願い、ソウくん……みんなとも、話しあおう?

大丈夫だから。みんなもきっと、あなたに寄り添ってくれるから……

あたしを、信じて……!

……なんということだ……

話すことなど、何もない……!

……姫様!ナギを連れてお逃げください!

えっ!?だ、だけど――

……姫様!

”そちら”は、姫様におまかせいたします!

……了解!

シエラ、フレイヤ。あなたたちに、これを。

その角……!いったい、どうして……?

フレイヤなら、わかるはずよ!

……なるほど。そういうことですか。

ナギ、ついてきて!

で、でも――

いいから行くの!ほら、アスタも!

ル……ルオォーン!



……貴様は行かせんぞ。

追え、クライン。

……はい。おまかせ、ください……

貴様……ただの人間ではないな?

知りたいか?

そんなことはどうでもいい。

奴には、竜の血が流れている。

それも、竜族を最上の種と考える邪竜の血がな。

……血を、分け与えたのですか?

憎むべき種族の血によって死の淵から甦り、生き永らえた……何とも、皮肉なものだ。

あまつさえ、竜族を滅ぼすためには、竜族の力に頼らねばならない――

黙れ。

自己矛盾を抱えた、憐れで愉快な俺の玩弄物……それがこの男だ。

絆の力については知っている。……どこまで戦えるか、試させてもらおう。






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