【アナデン】レンリ Story
アナザーエデン・キャラクエスト「レンリ編」 |
人の犯した罪が適正に裁かれる世の中を目指して、犯罪と戦い続けるエルジオン司法組織の若き捜査官。エリート集団の中でも傑出した存在だが、自身の正義に実直すぎるところがあり、上層部との折り合いが良いとは言えない。気を抜くと甘い物を食べすぎてしまうため、専用アプリでカロリー制限をしている。 |
目次
レンリの元に事件に関する連絡が入る。
ところがレンリは浮かない顔をしている。なにやら事情があるらしいのだが……。
story1
「ごめんなさいアルド。着信だわ。
こちらレンリ。ええ……はい、ええ……。
また……ですか?……いえ何でもありません。至急現場に向かいます。
「はあ……。
「ため息か……何か問題でもあったのか?
「チーフ……COAの上司から指令がきたのよ。
「COAってたしか……
「ええ……司政官直属の捜査機関のことよ。私はそこに所属してる捜査官なの。
「じゃあ指令がきたってことは何か事件が起きたんだな?
「いえ……それはどうかしら。
「……え?
「あの上司……COAの仕事とはとても思えないような任務ばかり私に押しつけてくるのよね。
今回の件はEGPDが手に負えないかもしれないってCOAに泣きついてきた案件よ。
以前同じようなことがあって被害者?の狂言だったのよね……きっとそれで私に回したんだわ。
「それは災難だな……。
「まあ……それでも一応通報があったことは事実だから調べないわけにもいかないし。
「オレも手伝うよ。どこに向かうんだ?
「シータ区画よ。そこに依頼主がいるはずだわ。
- Quest Accepted -
***
「通報者の住所は……あっちね。
「お邪魔します。あなたが通報を?
「はい……ええと失礼ですがあなたは……?
「COA所属のレンリです。早速ですが詳しいことを聞かせていただいてもよろしいですか?通報によるとご主人が……
「……ねえお母さん。お父さん帰ってくるよね?
……お父さん悪いことしてないもん。だからぜったい帰ってくるよね……?うう……えぐっ……。
「ちょっと……静かになさい!お母さんこのお姉さんとお話しないといけないの。
ごめんなさい……この子夫が家に帰らなくなってからずっとこんな感じで……。
「いえ……大丈夫ですよ。ねえお父さんのことが心配?
「ひぐっ……えぐっ………うん……。
「そう……お父さんのことが大好きなのね。
……大丈夫。お姉さんたちがきっとまたお父さんに会わせてあげるわ。
だからもう泣くのはおしまい。再会したときに泣いてたらお父さんびっくりしちゃうわ。
「……うんわかった。
「よしいい子ね。そうだチョコレートがあるの。よかったら食べるかしら?
「いいのっ!?ありがとうお姉さん!こーいうときは半分こだよね。お姉さんもいっしょに食べよ?
「……ちょっと待ってね。
『摂取カロリーオーバーです。間食は控えましょう。
「………………。
ごめんなさい……お姉さん今はちょっと食べられないの。だから遠慮しないでひとりで食べていいわよ。
「そうなの……?あっ!お姉さんダイエットしてるんだ!お母さんもしてるんだよ!
「やだっこの子ったら……!
「レンリそうなのか?
「そっ……そんなわけないじゃない。純粋に体調管理が目的よ。
常に健康を維持していないといざってときに最高の力を発揮できないでしょ?
「それもそうか……レンリってしっかりしてるんだな。
「……そろそろ話を戻しましょう。改めてご主人のことを伺ってもよろしいですか?
通報によるとご主人が犯罪に加担しているかもしれないとのことでしたが……
「ええ……。……最初に違和感を覚えたのは主人が見慣れない客人を家に連れて帰ってきたときです。
主人は古い友人と言ってましたがあのような友人がいるとは今まで聞いたこともなくて……。
それで一緒に出かけたきり……
「なるほど……先程ご主人が家に帰っていないと仰っていましたね。
「……はい。連絡もなくて……。それと……お姉さんにあのことを話してもらえる?
「うん……。あのねお父さんがお部屋で電話してたのを聞いちゃったの。
いほーしょーひんとか、みつゆとか……意味はよくわかんないけどお父さんすごく泣きそうな声だったの。
「……違法商品の密輸?
「後でわたしがお父さんに意味を聞いたらすぐに忘れなさいって怒鳴られて……
あんな風にお父さんが怒ったの初めてだった……。
「主人はとても温厚な人です。理由もなく怒鳴るなんてことは今までありませんでした。
「でもねすぐにわたしのこと抱きしめてぜったい守るからって言ってくれたの。
「そう……教えてくれてありがとね。
「うん……。
「……事情はわかりました。まだご主人が犯罪に加担してることが確実とは言いがたいですが……
……それでも何かしらの事件に巻き込まれている可能性は十分にあると判断しました。
このことはCOA捜査官として責任を持って調査いたします。
「ありがとうございます……!夫をお願いします。
「お姉さん……お父さんのこと助けて……
「ええ任せてちょうだい。
***
「……とは言ったもののまだ情報が足りないわね。
「こういうときCOAはどうするんだ?
「自分の足で……って普段なら言うところだけど今回の件は時間がなさそうね。
前にCOAの同僚から聞いたことのある情報屋を当たってみましょう。
「そっかよかった。チーフとうまくいってないって聞いて少し心配してたけど同僚とはうまくやれてるんだな。
「当たり前よ。上から押さえつけられてる以上横のつながりは何より大切だから。
それじゃカンマ区画に向かいましょう。そこに同僚が使っている凄腕の情報屋がいるはずよ。
***
「あなたが情報屋ね?
「……ん?なんだいきなり。
「あなたから情報を買いたいの。いい腕してるんでしょう?
「………………。どうするかなぁ……あんたCOAのレンリ捜査官だろ?
「……どうして私のことを?紹介してくれた同僚から聞いたの?
「いいやあいつからは知り合いが来るとしか聞いてない。待ってる間戯れに調べたのさ。
あんた有名人らしいじゃないか。上のやつらに随分と可愛がってもらってるってな。
「……皮肉はお腹いっぱいよ。小さな事件ばかり押しつけられて身動きも取れないような有様だし。
……でも今回の事件はちょっとだけ匂うのよね。
「ほう……匂う……ね。捜査官らしい嗅覚はあるってことか。
「あなたこそこの短時間で私のことを調べ上げた実力は買わせてもらうけど……
それをペラペラ話してどういうつもりなのかしら?
「いやねえ上は常にあんたを左遷するタイミングを狙っているみたいじゃないか。
そこで俺がちょーっとあんたの悪いウワサをでっちあげて流せばどうなるかと思ってな。
「……なるほど。そうやって脅して情報料を吊り上げようってわけね。
でもお生憎さま。このやり取りはあらかじめ全て録音させてもらっているわ。
この音声を然るべきところへ出したらどうなるか……あなたほどの人ならわかるわね?
「……へっ用意がいいことだ。
「改めて情報を売ってもらえるかしら?もちろん適正な価格でね。
「ハハッなかなか面白い捜査官さまだ。あんたのこと気に入ったぜ。そういうことなら売ってやる。
今回は初回サービスでタダでいい。さあ何が知りたいんだ?
「……とある市民が犯罪に関わっている可能性があるの。調べてもらえるかしら?
「……ほう名前とID揃い踏みか。これだけあれば楽勝だ。
よし出たぜ。
「はやっ!?
「ふむふむ……なるほど。こいつは一癖ありそうだな。クロでもありシロでもある匂いだ。
「どういうこと?
「偽装したつもりだろうがこの男の口座に出どころの分からない入金がある。
普通に考えたらヤバい連中と関わりがあるってことになるな。だが……
「……クロでありシロでもあるっていうからには何かあるのね?
「まあ待て。こいつの信用履歴をちょいちょいっと漁るとだな……
……ビンゴ。やっぱり借金だ。親戚筋の尻拭いのようだが……。まあ典型的なケースだよ。金のために裏組織を頼るっつうな。
だが妙だな……こいつ借金は完済してるじゃないか。簡単に稼げるってんで味を占めたか?
「どうかしら……あのご家庭からそんな旦那さんは想像しにくいけど……
「どうだかな。金は人を変えるぜ。
「………………。とりあえずありがとう。ここまで分かれば十分だわ。
「行くんだな。じゃあ最後に土産だ。その男の足取りを辿ってみたんだが……
「……もしかしてエアポートじゃないかしら。
「あ、ああ……シータ区画にある正門から出たのが最後の記録だ。だがどうしてわかった?
「別にちょっと考えただけよ。素人を巻き込むとしたら運び屋として使うのが常套手段でしょう?
それで真っ先に思い浮かんだのがエアポートだったの。
「……なるほどな。
「それじゃエアポートヘ向かうわ。速やかに真実を確認しないとね。
***
「これが今回のブツだ。しっかり運んでくれよ。
「……やむを得ないか。
「あれが例の旦那さんか……?
「ええ写真データと一致するわ。あの子供が言っていたとおりね。
彼は怪しい荷物の運搬を手伝っている……。あのケースの中身が違法なものなら間違いなく犯罪行為だわ。
「………………。
「……でも人生が台無しになってしまうほどの間違いじゃない。今ならまだ何とかできるかも。
どちらにしてもまずはこの件の違法性の確認が先決ね。
「そうかそれじゃあ早速……
「……待って。このまま無策で突っ込むのはさすがに心もとないわ。
今この辺りにいてチーフの息のかかってない捜査官は……
げっ……あいつだけ?まあ仕方ないか……
「まだかレンリ?なんだかそろそろ動きそうな感じだぞ……?
「準備はオッケーよ。それじゃ今から突っ込むわ!
「ああわかった!
「COAよ!大人しくなさい!
「なっ……COAだと!?まさかお前……!
「ち、違う!私は何も知らない!
「ある市民から通報があったのよ。大人しくそちらの男性を解放なさい!
「解放……!?私を助けにきてくれたのか……!
「ええ。その連中と引き離すわ。私はあなたを保護しにきたの。だからあなたの持っている運搬物の中身を改めさせて。
「中身……この中には……
「ハッ……何を言ってるんだか。綺麗事を並べたって無駄だよ。
保護じゃなくて逮捕だろう?言葉を変えたってやることは一緒さ。
「逮捕……?
「何度も言ったはずだ。あんたは一度でも俺たちの仕事を手伝った時点で犯罪者なんだよ。
俺たちは同じ穴のむじなだ。ここでCOAに捕まったらもう家族の顔は見れないだろうさ。
「私はどうしたら……
「決まってるだろ。俺と一緒に逃げるしかないんだよ!
***
「やられたか……ずらかるぞ!
「わ……私は……
「待ちなさい!
「チッ!どうなっても知らねーぞ!
「アルド!この人を逃さないように見張っていて!私はあいつを追いかけるわ!
***
「ヘヘ、ここまで逃げれば………
『ざんねーん!無駄無駄ーっ!!
『騒がしいですよポンコツ。足止めくらい黙ってしなさい。
「生憎だが貴様を逃すつもりはない。
「COA……!?くそっこんなところで……!
「逃げようとしても無駄よ!
「レトロ。セーフティ・モードで容疑者を確保するんだ。
『アイアイサー!!
「くそぉぉぉおおお……!
***
「捕まえたのか?
「ええ……知り合いが協力してくれたわ。
「私も……逮捕されるのですね。……そういうことになるわ。
法を曲げることはできないしすべきことでもないもの。
「そんな……
「いいんです……どんな理由であれ犯罪に加担したのは事実です。
「………………。
「ただ……逮捕の前に家族と会うことを許可していただけないでしょうか?
「……ええそれくらいなら。監視は私か責任を持つことにするわ。
行きましょう。シータ区画でご家族が待っているから。
***
「お父さん!
「あなた!
「ああ……!またお前たちの顔を見れた……!本当にありがとうございます……!
「お姉さんありがとう!お父さんを助けてくれて!
「………………。
「お前たち……よく聞いてくれ。お父さんこれからこのお姉さんたちと一緒に行かないといけないんだ。
……しばらく会えなくなる。本当にごめんな……。
「ええーーっ!?そんなぁ……いっぱい我慢したんだよ……?ねえ明日まで?明後日まで?
「それは……
「……ずっとかもしれないわね。
「レンリ……!
「でも……もしかしたらすぐかもしれないわ。
「え……?
「罪がある以上逮捕は避けられない。それは避けようのない事実だけど………
でもその後弁護士を通じて司法取引を行う事ができるわ。
「司法取引……というと?
「捜査に協力する代わりに犯した罪を軽くできる仕組みよ。
裏組織について見聞きしたことを証言してもらえればおそらく相当の減刑が見込めるはずよ。
情状酌量の余地もあるしきちんと手続きを踏めば執行猶予がついて収監はなくなるわ。
「本当ですか……?
「ええ。あなたは二度とあんなことはしないでしょうから。今の気持ちを忘れないでね。
「お前たち……!父さんはすぐに帰ってくるからな!もう何があってもお前たちの前からいなくなったりしない……!
***
「いきなり呼びつけられて何事かと思ったが……
……相変わらず苦労してるようだな。本当なら世渡りが下手というわけでもないだろうに……
「……言われると思ったわ。だからあなたを呼ぶのは気が引けたのよ……セティー。
私は間違いを起こした人が適正に裁かれる世の中になるよう頑張っているだけ。
今のCOA……特にチーフのやり方は私とは反りが合わないのよ。
「そうか……君も大変だな。
「とりあえず今回の件についてはお礼を言わないとね。協力感謝するわ……ありがとう。
「礼を言われる程の事でもないさ。同期のよしみだ何かあったらいつでも遠慮なく声をかけてくれ。
「ええそうさせてもらうわ。私にも何でも言ってちょうだい。
お互いやり方は違うけれどあなたがよりよい社会のために動いていることくらいわかるから。
「さて!それじゃあ事件も終わったしパーっと打ち上げにでも行きますか!
「打ち上げってどこに行くんだ?
「そんなの決まってるじゃない。スイーツ食べ放題に……
『摂取カロリーオーバーです。間食は控えましょう。
「ええーっ!?そんな仕打ちないわよー!
- Quest Complete -
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