【黒ウィズ】カプレイ・シュシュ
カプレイ・シュシュ
2015/04/16 |
ウィズセレ
ここはふにゃふにゃした柔らかな生き物だけが住む異界……。
「でも私、特にふにゃふにゃでも柔らかでもありません! メェ!
あ、初めまして。私はカプレイ・シュシュ。この異界で郵便屋さんをしています。
メエエエ? 手紙を食べる? 私か? なんで? ……ないないないって、そんなこと……。
私、意思強いですから! そりゃ、ハラペコで誘惑に負けちゃいそうなときとかありますよ……。
でも、みんなの想いがつまったお手紙を食べちゃうなんて、絶対メェですから。」
それでは早速、そんな素敵なお手紙さんたちを皆さんのもとへ……ってアレ? ……ん?
「メェエエエ! ゆ、郵便カバンがない!?」
独り言の多い慌てんぼうの郵便屋、カプレイはいつものように急いでホウキに飛びのって……。
「キャッ!」
ひっくりかえって、またまたがって、なくなった郵便カバンを探しに飛んでいきました。
story2
郵便カバンを探し求めて飛び回るカプレイは、空の上から小さな妖精をみつけました。
「あ、ラパパさんだ!
彼は普段はとても温厚パパなんですが、いざって時は天敵のゴーラを倒しちゃうくらいすごいんです!
だからきっと、こんな私の「いざって時」も助けてくれるはず!」
そんな独り言を言いながら、カプレイはその妖精の元へ急降下していく。
「ラパパさん!」
『ぷぅ?』
「私の郵便カバン、知りませんか?」
『ぷぷぅ? ぷぷぷぅ?』
「そ、そうです! あの手紙がいっばい入った大きなカバンです!」
『ぷぅぷぅぷぷぷ……。ぷぅぷぅぷぷぷぅぷぷ!』
「メェエエエ!! 誰かが拾って持ってった? ……それで、その人はドコですか?」
『ぷぅ、ぷぅぷぷぅ。』
「なるほど! ありがとうラパパさん!
「きっとお腹をすかせた人のしわざね。大事な手紙を食べるなんて絶対メェなのに!」
怒った彼女は、二つのツノをブルブル震わせながら、急いでカバン泥棒の元へ向かいました。
story3
「……メェ? 自分はこれまで一度も手紙を書いたことがない!?」
カバンを取り返したカプレイは、カバン泥棒から事情を聞くことにしました。
「……だから人の手紙を参考にして、好きな相手にラブレターを書きたかった……そういうことね?」
話を聞いたカプレイは、少し考えてから言いました。
「他人の手紙を見るのは絶対にメェです! だってその手紙にはその人が想いがつまってるんですから。
……でも手紙を書きたい、っていうあなたの気持ち、私は本気で応援したいと思います!」
カプレイはそう微笑んで、カバンから便箋とペンをとりだすと……。
「まずは、気持ちを落ち着けて、相手の顔をイメージしてください。それから……。」
と、気持ちを込めた手紙の書き方を教え始めました。
その人があなたをどれだけ素敵な気持ちにさせてくれるのか、素直に書いてみましょう――。
想いを届ける郵便配達人、カプレイ・シュシュのお手紙講座は、結局朝まで続きましたとさ。
「夜中に書いたラブレターには要注意! びっくりするくらい想いがコモッちゃってるかも!
封筒に入れる前にもうー度読み返してみてね!」