【白猫】スウィート・ホラー・ナイト Story
2014/10/24
目次
登場人物
story1 オカシなオバケたち
みんな、足元に気をつけて。この洞窟、思ったより暗いわ……
さっき魔獣の骨が落ちてたわよ……足元だけ注意してもダメなんじゃない?
主人公、いる?ミゼリコルデのランプから離れないようにしようね。
急いで来ちゃったもんだから、ひとつしかないものね~。
ランプの灯りが消えたら大変ね……
安心して。<灯火のルーン>から得た炎は、そう簡単には消えないから……
それに、オバケを導くためにも必要なの……
迷える子供の霊をさがしてるんだっけ?どうして、こんなところにいるの?
普段、オバケたちは寂しがり屋で人前に現れるものだけど……
好奇心で洞窟や森に迷い込んでしまうことがあるの……
教育だけじゃなくて、調査も仕事のうちってわけね。
ええ……
ん?主人公どうしたの?
奥のほうから何か聞こえる……
うっ……これってうめき声……?それに混じって魔獣の声も聞こえるわね……
オバケの泣き声だわ!魔獣が怖くて洞窟から出られなくなっていたのね……
みんな、私に力を貸して……オバケを助けに行きましょう
story2 迷子の声に導かれ
いたたたた……
どうしたのキャトラ?まさか、さっきの戦いで!?
ち、違うのよ……あんまり暗いものだから、壁に何度も頭ぶつけちゃって……
だから、ミゼリコルデのランプから離れちやダメだって言ったじゃない。
だってオバケがランプに寄ってくるって言うから~……
安心して……キャトラが想像するような怖いオバケじゃないから……
でもさ~、オバケにはかわらない――
先に行くわよ。壁に頭をぶつけたくなかったら、私についてきて……
はいっ!
ふふっ。まるで先生と生徒ね。
先生!もしもまた魔獣に襲われたときは、どのように対処すればよろしいでしょうか~?
それはね……これをまくの……
キャンディ……?
そう。これに気を取られている隙に走って逃げるのよ……
ほんとに成功したことあんのそれ~?
ええ。魔獣に追いつかれたことは一度もないわ……
それって、たんにミゼリコルデの足が速いってだけじゃ?
そうともいうわね……
全然速そうには見えないけどね~。
くすっ。小さいときからオバケたちと、追いかけっこしているからかしらね……
story3 約束の光
はあ……はあ……これで魔獣は全部倒せたかな……
<魔獣の恐怖から解放されたオバケが嬉しそうに飛び回っている。>
みんな、協力してくれてありがとう……
ねえ?ほんとにここにオバケいるの?
キャトラの目の前にいるよ?
きゃあ!やだやだやだやだぁ!
ダメよ、キャトラ!オバケがまた怯えちゃったわ……
えっ!?アタシのせい?
ごめんなさい。
オバケはあっちにいったよ。
そんなに怯えなくていいわ……私たちはあなたの味方だから……
<ミゼリコルデがカバンからキャンディを取り出す。>
怖がらせて、ごめんなさいね……
<オバケは戸惑いながらも、キャンディを受け取る。それと同時に体の震えが止まった。>
聞いて……
私も小さいときはよく迷子になって親に叱られたわ……
迷子になるたびにオバケたちが一生懸命さがしてくれたの……
最初はみんながいるから寂しくない、って思ってた……でも違った……
私を見つけたときみんな……いつも心配そうな顔してた……
それで気づいたの……みんなといるってことは嬉しさも悲しさも共にすることだって……
迷惑かもしれないけれど……
もしもこれから、あなたが私と一緒にいてくれるなら……この言葉を忘れないでほしい……
<恐る恐るオバケがランプに近づく。中に入ると、緊張の糸が切れたように眠りについた。>
ありがとう……よろしくね……
オバケどうなったの?そこにいるの?ねえ、ねえ?
し~っ!
くすっ。帰りましょうか……
story4 イタズラは突然に
まさか、もう1匹オバケがいたなんてね~。
この先は天井が低くなっているから、鍾乳石に気をつけて……
アタシは小さいから平気、平気~♪
キャトラはランプから離れないように気をつけて。
え~……そのランプの中にオバケがいるんでしょ?ほ、ほら~。アタシが近づいたらまた怖がっちゃうわよ~。
オバケが入っているのはこっちの三角のランプ。こっちはこれから、この子の友達を入れるの……
<三角ランプの中で、オバケが小さく震えている。>
心配しないで……あなたの友達は必ずつれて帰る。魔獣が来ても守ってあげるから……
待って!魔獣の気配がするわ!
<岩を削り取るような激しい足音が近づいてくる。>
きゃっ!
ミゼリコルデ!
しまった……ランプが……
<落としたランプを拾おうと走るミゼリコルデ。そこに魔獣の鋭い爪が襲い掛かる。>
この子は私が守る!指一本触れさせない!
<意を決して飛ぴ出した主人公の一撃が、魔獣の意識を奪う。>
主人公!よくやったわ!
大丈夫、ミゼリコルデ!?
私は平気……この子が無事ならそれでいいわ……
気にしないで……あなたのせいじゃないわ……
さあ、先に進みましょう。
最終話 甘美なる夢の中へ
気をつけて!まだ魔獣が一匹残ってるわ!
狙いは私たちじゃない!?オバケを襲おうとしているわ!
あれは死霊……あの子が見えるんだわ!?
早くなんとかしないと!
<主人公が先陣を切って飛び出す。>
ダメッ!間に合わない!
<そのとき、主人公の横顔を突風が追い抜いた。>
えっ?
あの子……
<オバケが一心不乱に死霊の周りを飛び回る。
死霊の容赦ない猛攻を必死でかわし、決死の覚悟で自分に注意を引きつけている!>
今よ!みんな!
<主人公の一閃が死霊の体勢を崩し、ミゼリコルデの渾身の一撃が続く――>
直撃だ~!
<死霊が悲痛な叫びをあげて消滅する。>
やったね!勇敢なオバケが戦ってくれたおかげだね!
<ミゼリコルデがオバケに笑顔で近づき、キャンディを渡す。>
えらかったわ……
持たせて、ごめんなさい。さあ、ランプの中に入って……
あら?どうして入らないの?ランプの形が気に入らないの?
くすっ……そうなの?そういうことならいいわ……
<三角ランプの中に、2匹のオバケが入っていく。
仲良く寄り添って眠る姿は、ランプの灯りをひときわ輝かせた。>
おやすみなさい……