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【白猫】続・麗しの花を求めて Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん


2015/11/24


目次


Story1 再び幻の花を求めて

Story2 幻の残骸

Story3 精霊の涙

Story4 竜の肥

Story5 雨の祝福と目覚めの鐘

最終話 妖しき虹の幻



登場人物


アンナ・セイクリッド cv.青木瑠璃子
セイクリッド公爵家の一人娘。気位が高くわがままでかわいいものが大好き。
アマーリエ・グラス cv.田澤利依子
世界を放浪し唄を聞かせる吟遊詩人のエルフ。その清らかな唄声に全ての生命が耳を澄ませる。
ディーネ・オンディーネ cv.潘めぐみ
大きな剣を携えた湖の精。
不法投棄は決して許さない。
マイ・ヒカリネ cv.照井春佳
お米を愛する少女。お米の繁栄を信じて、戦い続ける。
セルジュ・ラングレイ cv.小林裕介
竜騎士団の団長補佐を務める若きドラグナー。相棒は水竜マクリル。
ツユハ・レイニーデイ cv.戸田めぐみ
雨そのもの。けろけろりん!
リンベル・マクドネル cv.日高里菜
願いを叶える<魔法のベル>の使い手。魔法でハンドベルを奏でる演奏家でもある。




story1 再び幻の花を求めて


リベンジですわ!

いきなり気合入ってるわねぇ。

<アンナたちは再び新たな珍しい花を求め、ひと気のない森へ足を踏み入れた。>

今度こそ目的のお花が見つかるといいですね。

ええ、一度欲しいと決めたら、空の果てまででも追いかけますわ!

もうフォレストクイーンはカンべンよ?

ご安心なさい、キャトラちゃん。今回は下調べもバッチリですわ。

今度はどういったお花なんですか?

この森の奥には、<虹牡丹>と呼ばれるとても珍しいお花がありますの。

ニジボタン?

とても美しくて愛らしく、見た者を魅了する幻のお花だそうですわ。

まさに、わたくしに相応しいお花だと思いませんこと?

……また執事のウィリアムが埋まってたりして。

や、やめてくださいまし!あれは軽くトラウマなんですの……

まあ、それは同感かも……

でも、今回は大丈夫ですわ!ウィリアムには屋敷にとどまるよう強く言い含めておきましたから!

えらく入念ね!!

このアンナ・セイクリッド、同じ失敗は繰り返しませんことよ!

ふーん。アンナも成長したってわけね。

まあまあまあ♪キャトラちゃんにそう言ってもらえるなんて!

お礼にぎゅーってしてさしあげますわぁ~☆ぎゅう~~~~~~~!

ぎにゃあああ!力も成長してるかんじぃ!?

ふぅ……さて、キャトラちゃんからカワイイ成分もいただきましたし、出発しますわよ~!

とても深い森ですね。ちゃんと進めるかしら……

うふふ、道がないのなら……作ればよいのですわ!

はぁーーーー!!エクセレントアンナスラーッシュ!

<アンナ渾身の撫で斬りが、道を阻む草木や藪を一掃する!>

おお!まさかの新技!?

槍ならブリリアントに!斧ならエクセレントにいくのがアンナ流ですわ!

違いがよくわかんないけどなんかすごい!

さあ、いきますわよー!お花さん、待っててくださいまし!



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story2 幻の残骸



到着ですわぁ~!

エクセレントアンナスラッシュのおかげで早く着いたわね。

虹牡丹ちゃ~ん、どこですの~?いたら返事してくださいまし~♪

返事されたら逆に怖いわよ……

っ!みんな、もしかして、これ……

っ!そんな……!

<そこには、牡丹と思わしき花が無残にも踏み荒らされた跡が残っていた……>

魔物にやられたのかしら……ひどいことするわね。

ああ、かわいそうに……わたくしがもっと早く見つけていれば……!

あら~、みんなおそろいで♪

アマーリエさん!どうしてここに……?

たぶん、目的は同じかも?みんなも虹牡丹を探しに来たのね。

あなたもご存知なんですの?

エルフのお伽話にも出てくる有名なお花だしね~。それに落ち込むのはまだ早いわ。

どういうこと?

ほら、よく見てみて。お花のあったところ……

……!これは……!

種、ですね……

ふふふ……そういうことですのね!

ア、アンナ?

欲しかったお花がないのなら……育てればいいのですわ!

ま、まあ確かにその通りだけど、アンタ、花を育てたことあるの?

ありませんわ!でもなんとかなる気がしますの!

自信だけはご立派ね!?

うふふ、そういうことなら、いい方法がありますよ~。

いい方法?それは一体なんですの?

虹牡丹はね~、<4つの条件>を揃えることで~、すぐに開花する特別なお花なのよ~。

ほ、本当ですの!?本当にすぐ咲きますの?

本当よ~♪

わたくし、どうしても虹牡丹を咲かせたいんですの!

教えてくださいまし!その<4つの条件>について!

もちろん、いいわよ~。えっとねぇ~――

<主人公たちは、アマーリエから詳しい話を聞いた。>

わかりましたわ!それでは、先を急ぎますわよ!

あ!待ってください~!

みんな~、がんばってねぇ~♪



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story3 精霊の涙



一つ目の条件は……<精霊の涙>ですわ!

『涙』っていうくらいだから、花を育てる水ってところかしら。

とはいったものの、どこで手に入るのかしら。皆目見当もつきませ――あっ!

ああああ、なんてことですの!わたくしの愛しいキャトラちゃん人形がっ!!

ちょっと待って。なんでそんなモノ持ち歩いてるわけ。

不法投棄!ダメ!絶対!これを持ってお帰りなさい!

ぎにゃー!アタシじゃないのにっ!

わたくしのキャトラちゃん人形!ありがとうございます!美しくも不思議な御方♪

いいえ、どういたしまして。

おもいっきり投げつけといて『どういたしまして』ですと……?

あの、よろしければお名前を……

これは申し遅れました。わたくしはディーネ。湖の精霊ですわ。

湖の、精霊……!

あ、精霊の涙って、もしかして……

ディーネさん!どうかお願いいたします!あなたの涙をいただけませんこと?

はい?

んもう!ちゃんと説明しなきゃわからないでしょ!

し、失礼いたしましたわ。つい興奮のあまり……

<主人公たちは、ディーネに事情を説明した。>

そういうことでしたのね。いいでしょう、差し上げますわ。

感謝いたしますわ!このご恩は決して忘れませんわ!

いえいえ、構いませんよ。……ですので、その物騒な傘をしまっていただけませんか?

……え?で、ですが、ディーネさんに泣いていただかないことには……

やめんかっ!他にも方法はあるでしょ!感動させるとかあくびするとか……

身の危険を感じますので先に説明しますと、<精霊の涙>はわたくしの涙ではありませんよ。

え?そうなんですの?

わたくしが沐浴した湖には、わずかですが精霊の力が宿ります。

その湖から汲んだ霊水を、地上のみなさんは<精霊の涙>と呼んでいらっしゃるそうです。

……涙カンケーないじゃん。それっぽい名前ってだけで。

まったくですわ!これは<精霊の涙>ではなくて、<精霊の出し汁>じゃ――

それ以上言ったら湖底に沈めますわよ?



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story4 竜の肥



二つ目の条件は……<竜の肥>ですわね。

おそらく肥料のことですね。

『竜の』だなんて、仰々しい名前よねぇ……お?

いつもありがとうございます、セルジュさん。

いいえ、この程度のことであれば、お安いご用ですよ、マイさん。

あの二人、知り合いだったんだ……なにしてるんだろ?

お友達ですの、キャトラちゃん?

うん、まーねー。お~い、アンタたち~!

あら、みなさん!お米にもしかして、お米に会いに来たんですか?

そこは、『私に会いに』じゃないのフツー……

奇遇だね。君たちもお米をもらいに来たのかい?

君たち『も』ってことは、セルジュはお米目的でここに?

そうさ。マイさんのご飯は魚料理にとても合うからね。

代わりにセルジュさんからは竜さんの、えっと……<アレ>を融通していただいてるんですよ。

<アレ>、ですか?

竜舎から運んできたのさ。文字通り腐るほどあるからね。

竜さんの<アレ>から作った肥料は、植物を育てる至高の土といわれてまして――

ちょっと、それってまさか……

<竜の肥>に間違いありませんわ!ついに見つけましたわよ!

おねがいいたします!わたくしに、その肥料を分けていただけませんこと?

ええ、いいですよ。ちょっとお待ちくださいね。


お待たせしました。どうぞお納めくださいませ♪

ひぃ!!なこの臭いは!なんですの!う、うっぷ……

こ、これは強烈ね……

鼻が曲がりそ……めまいもしてきたわ……

うううう、ハンカチ越しでも臭いがしてきますわ…………かくなる上は、ですわ!

<アンナは、キャトラを抱き上げて顔を近づけると――>

ちょ、なにすんの、アンもがっ!

スゥゥ~~~……!ああ、キャトラちゃんの白いお腹♪とってもいいニオイがしますわぁ!

ぎゃはははは!くすぐったい!や、やめてぇ~~~!!

アンナさん!これを!密閉容器です!

ええ、承知しましたわ!

<アンナは、キャトラマスク(?)をしながら、<竜の肥>を容器へ厳重にしまった。

ふぅ~……ありがとう、キャトラちゃん。おかげで命拾いしましたわ。

……もう怒る気力もないわ。

あはは、おもしろいお嬢さんだね。



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story5 雨の祝福と目覚めの鐘



さて、三つ目と四つ目の条件についてですが……

<雨の化身の祝福>と、<目覚めの魔鐘>……?なんのことだがサッパリですわね。

あー、それなんだけど、実はアタシ、心当たりがあるのよね。

本当ですの!?さすがキャトラちゃん♪頼りになるし可愛いですわ!

可愛いは関係ないと思うけど……

キャトラちゃん、お待たせ~♪お友達を連れてきたわよ~。

来たよー!けろけろっ!

お手伝いにきました~!……なにをするかは聞いてませんけど!

?この方たちが、<雨の化身の祝福>と<目覚めの魔鐘>なんですの?

雨と鐘……なるほど、そういうことね、キャトラ。

ま、物は試しってね。とりあえず先に苗床の準備しちゃいましょ。

…………

どうかした、アンナ?

……キャトラちゃん、わたくしの知らない間に、たくさんお友達を作ってますのね。

ん、まあ、飛行島はいろんな連中が来るしねー。

……ちょっとだけ妬けちゃいますわ。

え、なに?よく聞こえなかったわ。

なんでもありませんわ!キャトラちゃんの浮気者!

えぇぇ~…… ?

それじゃあ、ツユハちゃん、リンべルちゃん、おねがいね~。

はーい!お花さん!おっきくな~れ♪おっきくな~れ♪けろけろ~♪

<ツユハが元気よく祈ると、優しく温かい春雨が降り始めた。>

お願い、<魔法のベル>お花を咲かせてあげて!

シィーーーーー♪

<リンベルが開花の願いを込めて鐘を奏でる。すると――>

!芽が出ましたわ!こんなに早く出るなんて……!

すごい、どんどん成長してるわ!

<芽は茎へと成長し、やがて蕾が生まれる。そして――>

ああ……咲きましたわ!これが虹牡丹ですのね……思わず溜息が出てしまいますわ……

七色の花なんて初めて見たわ……さすが『幻の花』ね!

アンナさん、やっと見つけることができましたね!

……………………

アンナさん?

あ、みんな、気をつけてね~。虹牡丹は――

魔物だわ!って、なんか集まってきてるし!

アンナさん!大丈夫ですか?

…………はっ!わ、わたくしは一体……

っ!魔物ですの!?まさかわたくしの虹牡丹を狙って……!

もう踏みにじらせはしませんわ!かかってらっしゃい!


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最終話 妖しき虹の幻



はぁ……はぁ……こ、今度こそ守りぬきましたわ……虹牡丹ちゃん……!

でも、どうして魔物たちはこの花を狙ってきたのかしら……

魔物は美しいモノを汚す不埓な存在だからですわ。

うーん、そうなんでしょうか……

だって、こんなに美しくて可憐で色あでやかなお花ですのよ?ああ!もうたまりませんわ♪

まあ、わからなくもないわ。ずっと見てても飽きないし……

……そうね。思わず見とれちゃうわ。

……………………

わっ!!

っ!!び、びっっくりしましたわ……

あ、あれ?アタシなにしてたんだっけ?

みんな、気をつけてね~。虹牡丹の七色の花びらは幻覚作用があるのよ~。

えっ!そ、そうなんですか?

それにね~……

きゃあ!また魔物が!

しつこいですわよ!エクセレントアンナスラーッシュ!

こんな風に~、魔物を呼び寄せる香りを常に発しているから、すっごく危険なお花なのよね~。

シャーーー!それ一番最初に言いなさいよ!!

でも、ロマンチックじゃない?人を惑わし、魔物を狂わせるお花。怖いけど、ちょっと切ないわ~♪

ああ、わかる気がしますわ……キレイな薔薇にトゲがあるように、この花も美しいがゆえの罪が――

ポエムってる場合!?早くコレから離れなきゃ!

えっとー……持って帰ったらダメかしら?

アンナさん、残念ですけど、やめておいたほうが……

あ~~ん!せっかく苦労してここまで来ましたのにぃ~~!!

また付き合ってあげるからさ。今日はもう帰りましょ、アンナ。

うう……キャトラちゃんがそう言うのでしたら……

ふぅ、今日は色々ありすぎて本当に疲れてしまいましたわ……

屋敷に戻りましたら美味しいフラワーティーをウィリアムに用意させましょう。

もちろんみなさまも、ぜひいらしてくださいましね♪






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