【黒ウィズ】メインストーリー 第02章 Story
2013/03/05
目次
story1 深夜の警備
王都ウィリトナヘとやってきた君は、改めてその人の多さに驚きを覚えている。
トルリッカとはうってかわった華やかな街並みに君は心奪われる。
王都ウィリトナ
活気に満ちた王宮広場を抜け、君はウィリトナの魔道士ギルドヘと足を運ぶ。
ギルドの構えはトルリッカとほとんど変わらないようだ。
君は自分がトルリッカの魔法使いであることを告げる。
ボクはアレク。一応、ウィリトナのギルドマスターを務めてるんだ。よろしくね。
よろしく、と君は言う。
ウィズは気づかないフリをして丸くなる。
ココは人が多いだけあって依頼の数も山ほどあるんだ。手伝ってくれるなら大歓迎だよ。
さっそくいくつか依頼を紹介しておくから気が向いたら受けてみてね。
story2 まぼろしの素材
とある日の昼下がり。君はウィズを連れて、ウィリトナの市場を食べ歩いている。
大麦の粗挽きパン、ロック豆の煮込み、野鹿のべーコン、山鱒の薫製……。
市場には国中から物資や食料品が集められ、取引されている。
別に私もウィリトナは嫌いじゃないけど、食べ物に関してはトルリッカの方がよかったにゃ。
一通り遊び歩いてから、君は魔道士ギルドに顔を出す。
どこからどう見ても、今の君は暇をしているようにしか見えない。
それなら悪いようにはしないからさ、ちょっと僕の手伝いをお願いできないかな。
断る理由も特にない。
story3 流砂より現れし者
アレクの手伝いを終えた君は、ウィリトナヘと戻ってくる。
しかし最後までアレクが何の調査をしていたのか見当すらつかなかった。
アレクは足早に去っていく。
まるで誰かさんを見ているようだ。
気にはなるが、どうしようもない。
どことなく気がかりな気持ちを抱えたまま、君は帰途につくのだった。
story4 日覚めし聖樹
君は依頼を終え、ウィリトナの魔道士ギルドヘと戻ってくる。
するとそこにアレクはおらず、代わりに見知らぬ男性がいる。
この男は、いったい……?
有無を言わせず出かけようとする男を、君はあわてて押しとどめる。
最近、この国のユーシヴ遺跡の発掘権を買い取ったのさ。この国で発掘される骨董品は、カムシーナじゃ高く売り飛ばせるんだ。
が、困ったことにその遺跡には魔物がウジャウジャいやがるときたもんだ。で、アレクの野郎に話を聞いたら、お前さんを紹介してくれたってわけだ。
あいつには前払いでカムシーナの魔道器を渡してあるんだ。イヤとは言わせねーぜ。
貿易商は言いたいことだけ言い終えると魔道士ギルドから出て行った。
……行くよ、と君は力なく答える。
そういうとこ、嫌いじゃにゃいけどにゃ。
story5 失われた技術の結晶
貿易商の依頼を終えた君は、へとへとになりながら魔道士ギルドヘ戻る。
本当は僕が行ければ良かったんだけど、ちょっと手が空かなかったからさ。
君は無言で抗議の眼差しをアレクに向ける。
君は、アレクが大事そうに何かを抱えているのを確認する。
カムシーナから輸入した特注品の天文鏡だよ。あの貿易商からもらったんだ。……ま、仕事してくれたのは君なんだけど。
君はあきれてものも言えない。
その日が来たら、また声をかけるよ。今度は君にも実のある話さ。それまでもう少しだけ、我慢して待っててね。
しぶしぶ君は了承し、魔道士ギルドを後にするのだった。
story6 巨大な岩石の影
依頼を終えた君がウィリトナに間借りしている部屋へ戻ると、玄関前でアレクが待っている。
大丈夫、と君は言う。
大人しい子だから、と君は言う。
上がっていくか、と君は訊く。
やっと準備が整ったから、それを伝えにやってきたんだ。
準備?
言うと、アレクは去って行く。
最終話 広大な砂漠の夜に
砂漠に巣食っていた魔物を倒すと、あたりは驚くほど静まり返る。
やっぱり今日が特別な日だからかな?
そろそろ説明して欲しい、と君は言う。
アレクはじっと天を仰ぐ。
君もつられて空を見るが、そこにはいつもと変わらない美しい夜空が広がっているだけだ。
アレクは、いつだったか貿易商から手に入れた天文鏡を君に手渡す。
促されるまま、君は覗き込む。
そこに広がる異様な光景に思わず君は息を呑む。
普段、僕ら魔法使いが詠唱することでしか開けない叡智の扉が、自然と開かれる日。
この日、ある特定の場所で、特別な装置を使ってのみ、あの扉が観測できるんだ。
あまりにも異質な光景に君の目は釘付けになる。
わかっているのは、あの扉が開く前後で精霊たちが騒ぎ出す、ということと――。
あの扉をくぐった人で、戻って来た者はいないということ。
魔物たちが現れるのも、あの扉があるからだって言う人もいる。
ウィズがそわそわしながら頬を寄せてくる。
君はアレクに気づかれぬよう、こっそりウィズにも天文鏡を覗かせる。
君にはまだ、わからないことがある。
アレクはなぜ、自分にこの光景を?
今から19年前の混沌の夜、あの扉を通って、この世界へやってきた。
だから、この世界の住民には見えないものが、なんとなく見えたりするんだ。
例えば、猫の姿をしている聖賢さんとかね。
それと、ちゃんと伝えた方がいいと思うよ。
君の大事なお弟子さんも、たぶんこっち側の世界の人間じゃないってことをさ。
!?
ウィズさんだって感じ取っているんでしょ?
多くは存在ごと消滅したり、正気を失って魔物と化してしまう。
僕は君に、自分自身が特別な存在だってことを知っておいて欲しかったんだ。
そうすることが、この先君が魔法使いとして生きていく上で必要だと思ったから。
抽象的でごめんね。僕が言いたいこと、わかるかな?
なんとなく、と君は言う。
君たちは視線を夜空に戻す。
それから夜が明けるまで、ウィズと君、アレクは天空の扉を観測し続けるのだった。
story
長旅を終え、君は久しぶりにウィリトナヘと戻ってくる。
次はどこへ向かうか決めてるの?
決めていない、と君は言う。
でも、君が自分で決めたらいいよ。
君といられて楽しかったよ。ウィズさん、あなたもね。
それじゃ、僕は戻るよ。またいつでも遊びにきてね。