輝く少女と奪われた夢 序章 Story【白猫プロジェクト】
目次
主な登場人物
story1
わたしは14歳まで生きられない――
そのことを知ったのは、13歳の誕生日。
担当医と看護師が話しているところを偶然聞いてしまったからだった。
「ミューエ。少しだけでいい。リハビリをしてみないか?」
「先生、タイムリミットまであとどれくらいですか?
それまでにわたしが元気な身体を取り戻せる確率って何%なんですか?」
「…………」
「無駄なことだとわかっていて頑張れるほど……わたし器用じゃないから。」
「――――いくぞ~っ! ぜったい取れよ~!」
「――――ちょっと! 強く打ちすぎだってば……!」
窓の外から聞こえる楽しげな声が、やたら耳に障った。
***
「はあっ……! はぁ……!!」
「どうしてこんな……っ! 容態が急変して……」
(ああ……そっか。そうなんだ――
(わたし、もう…………………………………………………………)
「ぎにゃーーーーーーーッ!!?」
(そう。ぎにゃー…………って。……へ?)
「どうしたの、キャトラ?」
「突然目の前にこの子が現れたのよっ!!」
「えっ? えっ?」
……ここ、どこ……?
story2
(違和感ないのに違和感がある……不思議な場所……)
わかったわ! アンタ、きおくそーしつってヤツね!
あなたがたは天使ですか!? 悪魔ですか!?
アンタ、あぶない人ね!!
***
story3
いつの間にかここに来てたのね?
ぜんっぜん意味わかんないわ!!
いつも窓の外から聞こえる声が楽しそうだったから……
やってみたいなって思ってたんだけど。わたし、身体が弱くて。
むしろ、ちょー元気そうに見えるわよ?
え……? あ、あれ……?
なんで……? なんでこんなに身体が軽いの!?
なんで!? なんで…………あは……
アンタ、泣いてんの? 笑ってんの?
両方……ですっ!!
ミューエちゃん。一緒にテニス、やってみない?
story4
もっと肩のちからを抜くといいわよ~!
(すごい……)
(すごい、すごい……っ!!
(身体を動かすって……テニスって……)
***
これが現実であって欲しいくらいに……
story5
ただちょっとだけ……帰りたくないなって。
ずっと、ここにいれたらなって。そう思って。
ずっと居ちゃいなさいよ!
いきます……!
「――――ミューエッ!!」
「――――戻ってきてくれ……ミューエ……ッ!!」
本当に……ありがとうございました……!
ミューエがいなくなっちゃった!?
story6
「くっ……! 戻って――戻ってきてくれ……ミューエ……!!」
「はい。」
「うわああああーーー……っ!!!? 戻ってきたあーー……!!!??」
「戻って来いって先生が言ったくせに。」
「そ、そうだけれども!
まさか本当にこんなことが……奇跡だ……!!」
(奇跡……か。さっきわたしが見た光景は、結局なんだったんだろ……
ゆめ……?)
「というかミューエ……いつの間にテニスボールなんて持ってたんだい?」
「え…………?
あ……う……そ…………? あは…………あはは…………!」
「ミューエ、泣いてるのか……? ……笑ってる?」
「…………りょうほう。」
「両方? どこか痛むのかい?! 意識ははっきり――――」
「ねえ、せんせ。わたし、がんばるよ。」
「頑張る? なにを……?」
「…………」
「――――くらえ~っ! 必殺サーブ~!」
「――――あははっ! かっこわるーーー!」
「リハビリ。」
「!?」
***
「ま、マジかよ……あのナタールを相手にこんな、一方的な試合……」
「あ、あの子なんなの!? あんな子いたっけ!?」
「いくよ……ここからがわたしの……」
――――物語だ!
その他
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白描テニスのオリジナルとなる「メインストーリー」が始動! |
相関図
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