Gamerch
白黒wiki

【黒ウィズ】テネブル

最終更新日時 :
1人が閲覧中
最終更新者:にゃん

2015/03/17




テネブル・バックストーリー



冷たく暗く厚い、狭小で閉塞的な柩にテネブルは封じられた――。


テネブルはその異界に生まれ堕ちて以来、あらゆる生命を葬り、その魂を喰らってきた。

生を死へ、希望を絶望へと変換し、己の糧として内包してきた。


彼は圧倒的な力を以て、その異界における支配構造の頂点にあった。


もっとも、その世を統べる意志などテネブルには毛頭なかった。

眼前の生あるものを葬り去る事のみが彼の存在理由であり、そこに善や悪といった概念の介入する余地はなかった。それは捕食者と被食者という関係ですらなかった。そこにあるのはただ、一方的な生命の搾取だった。


彼はその異界における恐怖の象徴であり、闇の象徴であり、死の概念そのものであった。


人々は彼を怖れ、畏れ、やがて崇めた。


いくつかの星が誕生し、それがやがて消滅し、その残滓が集まって渦を巻き、新たな星として誕生する――それほどの永い間、テネブルはその異界に「死」としてあり続けた。


しかし、あらゆる事象に終末は訪れる。誕生は終末へ向かう始点に過ぎない。

圧倒的な力を以て異界の頂点に君臨し続けたテネブルとて、その理の掌中にある。

彼に終末をもたらしたのは、見るからに堅牢な、不吉な柩を曳く大魔道士だった。


テネブルにとってそれは初めて出会う、死を恐れない存在だった。

そして長い長い戦いの末、その大魔道士はテネブルを柩に封じ、遥かなる死の漂着地へと流した。


かくしてテネブルは、自ら「死」を味わう事となった。

冷たく、暗く、狭小で閉鎖的な柩の中で、彼は初めて死、という概念を理解した。

彼はそれまで、生という概念すら認識したことがなかったのだ。


生キタイ――。


流れ着いた異界の果てで、ただの骸と成り果てたその姿で、彼はなお一層強く、そう思った。


そしてその意志の力が、重く分厚い柩の蓋を、ゆっくりと、微かに――押し上げた。







TOP↑


 Abyss Code
Abyss Code 01 ~黒殻の王~
カルム vs ウラガーン
2015/09/07
Abyss Code 02 ~盲目の調和~
テルミド vs スビェート
AbCd:《聖地にて絶望を知る》
Abyss Code 03 ~生まれ堕つ無~
カイン vs バシレイデ
2015/11/29
~その産声は不浄~
Abyss Code 04 ~焼尽の陽光~
ニティアラヒルメ
2016/01/30
Abyss Code 05 ~冥世の天蓋~
ニレイヌ vs テネブル
2015/03/25
AbCd:《冥世への漂着》
Abyss Code 06 ~劫末の獣~
ミルドレッド vs イェルセル
2016/05/23
AbCd:《神読みの贄》
コメント (【黒ウィズ】テネブル)
  • 総コメント数0
新着スレッド(白黒wiki)
注目記事
ページトップへ