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【白猫】Divine Dragon’s Saga Story

最終更新日時 :
1人が閲覧中
最終更新者:にゃん
開催日:2015/07/17


目次


Story1

Story2

Story3

Story4

Story5

最終話


登場人物




story1



……ねえ、主人公。飛行島になにかが近づいてきてるわ。

ん~、鳥じゃない?ここ、空の上だし。

いえ……もっと大きいわ!あれってもしかして……!


ふう~、よかった~!こんなところに足場があるなんて。

あなたもずっと飛び続けて疲れたでしょう。よくがんばったわね、ラピュセル。

ひっ!み、みんな、ドラゴンよ!ドラゴンが襲ってきたわ!!

持て!我々に敵意はない!まずは自分たちの話を……

も、もう一匹でたわ!敵襲よ、敵襲ーーー!!

おい、うるさいぞ、小さき猫。この程度のことでいちいち騒き立てるんじゃない。

ナチュラル話しかけられた!?もうなんなのよ、アンタたちー―!!

お、落ち着いて、キャトラ!まずはお話を聞いてみましょう。


…………

……


自分は、ゲオルグと申す者。ここより遠方の<竜の国>よりゆえあって参上した。

そして、こちらにおわす方は、エクセリア・クルス王女殿下であらせられます。

えっと、はじめまして!エクセリアといいます。この子はラピュセルです。

…………

へぇ~、<竜の国>ねえ。そんな国があったなんて知らなかったわ。

ふん、見聞の狭い奴め。所詮は愛玩されるだけしか能のない種族ということか。

……で、このシツレイでエラそうなドラゴンはどちらさまなわけ。

む、失礼した。こやつはカグツチ。少しばかり口は悪いが、これでも自分の大切な相棒だ。

竜さんが相棒……?あなたたちはー体……

私たちは、竜と人の絆を結ぶ者。竜とともに生き、ともに戦う騎士。<ドラグナー>です!

我らドラグナーは、長らく行方不明だった『白竜』を追ってこの地へと来たのだ。

白竜……白い竜さんですか?

はい。輝く鱗に純白の翼……生ける至宝と謳われた、とても気高く美しい、古の竜です。

ふーん……でもそんなすごいドラゴンがいるなんて話、聞いたことかないわねえ。

そうですか……

あの、よかったら私たちに、その白竜さんを探すお手伝いをさせてくれませんか?

本当か!……感謝する!君たちから受けた恩義、決して無駄にはしないぞ!

そ、そんなにかしこまらなくても……

騙されるでない、ゲオルグ。行き過きた善意の裏には、悪意が隠れているのが常。それが人間というものだ。

アンタはイヤミしか言えんのかっ!というかアタシ、猫だし!

みなさん、本当にありがとうごさいます!

ふふ、いい人たちと巡り会えてよかったわね、ラピュセル♪

皆、あらためてよろしく頼む!



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story2



それにしても……ドラゴンに乗って戦う人なんて、アタシ初めて見たわ。

ドラグナーの起源は、我らの祖先が竜の一族と盟約を結んだことから始まったとされている。

ですから、他の国や土地でドラグナーを見たことがないのは当然かもしれませんね。

そういえば、エクセリアは、王女さまなんたよね。こんなところにいて大丈夫なの?

え、えっと~、それは……

もちろん大丈夫などではない。何度もお止めしたのたが、どうしても、とかたくなに聞き入れてもらえず……

強引に我らに付いてきたのた。この小娘、大人しく見えてその実、とんでもないじゃじや馬よ。

うう……でも、今回ばかりは私も引くわけにはいきません!

えらく強気ねえ。なにか理由でもあるの?

……実は、私たちが探している白竜というのは、この子――ラピュセルの母竜なんです。

えっ、そうなの?

それじゃあ、エクセリアさんは、ラピュセルさんをお母さんに会わせるために……?

私、ラピュセルのためにも、白竜を無事に<竜の国>へ連れて帰りたいんです!

……はあ、わかりました、姫様。その代わり、くれぐれもご無理はなさらぬようお願いします。

正気か、ゲオルグ……どうなっても我は知らんぞ。

一緒にラピュセルさんのお母さんを見つけましょう!

みんな……ありがとう!

いいのよいいのよ。仲間のためだし、気にしないでよ。

仲間……はい!そう言ってもらえて、私、すごく嬉しいです!

カグツチ、余計なことを……む、これはもしやちょうどよい機会なのでは……?

どうしたのよ?まだなにかあるわけ~?

いや、なにも問題はない。皆、よければこれからも姫様と良い関係を築いてほしい!

言われるまでもなくそうするけど……急にどうしたのよ?

……こう言ってはなんだが、姫様はご友人と呼べる方がほとんどいないのだ。

あ~、なるほどね。王女さまだから、身分の違いで~ってやつでしよ?

いや、そうではないのだ。

姫様は、その……かなりの竜好きでな……友と呼べる者は竜ばかりなのだ。

ドラゴンがトモダチ……そ、それはまた変わったご趣味で。

べ、別にいいじゃない。だってみんないい子たちばかりなんたもの……

自分は姫様の将来か心配なのです!ちゃんとご友人も作っていただかないと……

というか、ゲオルグがいるじゃん?

じ、自分は姫様の指南役だ!友人などと、そんな……おそれおおいにもほどがある!

姫様には歳相応の友人が必要だ。できれば同性が望ましい。不埓な輩が姫様に近づく危険は避けたいところだ。

ゲオルグ……お父様とまったく同じことを言ってるわ……

もうドラゴンが友人でいいじゃん……



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story3



ふう~、結構遠くまで来たわね。さすがに疲れちゃったわ。

そうですね……ラピュセル、大丈夫?

皆、疲れているところすまないが、事は一刻を争う。今はとにかく先を急がねば。

……あの、もしかして竜さんの身になにか……?

……白竜は、<竜狩り>に狙われているのだ。

竜狩り?

文字通り、我ら竜族を狩ることを生業とする下賎な人間とものことだ。

高等な竜族の角や甲殼などは、貴重な素材として高く取引される。

特に白竜は、希少で個体数も少ない竜族。その価値は国一つに匹敵する。

以前はそれで大規模な『白竜狩り』が起こり、その眷属のほとんどが死に絶え……

…………

っ!も、申し訳ありません姫様!姫様のお気持ちも考えず、自分は……!

いいのよ、ゲオルグ。

竜狩りは、竜を倒すことにその人生を棒けた残忍な狩人です。

そんな竜狩りの魔の手から竜たちを守ることもドラグナーの大切な使命なんです。

奴らはまさに、人間の卑しい欲望を体現した連中よ。まったく反吐が出る。

アンタってほんと口が悪いわね……

事実を言ったまでだ。竜は誇り高さ種族ゆえ、人間のように嘘偽りを述べなどしない。

あーはいはい。ソーデスネー。

ふふっ、カグツチったら、すっかりキャトラちゃんと仲良しね。

はぃ!?コレとアタシのどこが仲良しだっていうの!?

コレ……だと?……小さき猫よ、どうやら竜狩りよりも先にお前が消し炭になりたいとみえる。

……皆がキャトラ君のように竜に理解を示してくれればな……

ゲオルグさん……

はいはい、なんでも悪い方向に考えるのはやめましょ。冒険は前向きが一番よ!

そういえば、みなさんは冒険家なんですよね。

いいですね、なんだか憧れます。

アンタならいつでも歓迎よ。ラピュセルも連れてさ、一緒に冒険しましょうよ!

はい、ぜひおねがいします!

むう、お言葉ですが……姫様には<竜の国>で王女としての公務が……

もう!エクセリアだって子供じゃないんだからさ!少しは本人の意思を尊重してもいいんじゃないの?

そ、そうか……言われてみれば確かにそうだな……

かような小さき猫に説き伏せられるとは……ドラグナーも落ちたものだな。

はっ!いかん、つい頷いてしまった……むう、自分もまたまだ修行が足りないということか……

ほらほら、先を急ぐんでしょ!早く白竜を見つけなきゃ!

そうですね、いきましょう!



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story4



焼き払うぞ、カグツチ!はああああーーっ!!

ふん、言われるまでもない!

翔んで、ラピュセル!たああああーーっ!!

――!


すごい……!魔物があっという間にいなくなったわ……!

自分が道を切りひらく!皆はここで周囲の警戒を!

わかったわ。先鋒はおねがいね、ゲオルグ。


ふう……ラピュセル、怪我はない?

ゲオルグって強いわねえ~!まさに一騎当千ってやつ?

ゲオルグは、<竜の国>が誇る竜騎士団の団長ですからね。

ドラグナーの中でも最強と名高い英雄なんですよ。

ひぇ~……そんなスゴイ人だったのね。

でも、エクセリアも結構やると思うわよ?

ううん、私なんてまだまだです……

そうなの?

ドラグナーは、竜と人が真の絆で結ばれたとき、その真価を発揮します。

竜と人が互いに理解し合う――これはドラグナーの試練でもあるんです。

ゲオルグはその試練を乗り越えた?

そのとおりです。カグツチは竜でありながら人の言葉を話しますよね。

ドラグナーの竜が人の言葉を話せるようになるのは、乗り手と真の絆で結ばれたことの証です。

そうなんですか……なんだかステキな話ですね。

ゲオルグとカグツチは互いを深く信頼しています。だから彼らは『最強』なんですよ。

でもさ、エクセリアとラピュセルだってすっごく仲良いんだから、ラピュセルも話せるはずじゃ……

えっと、その……私とラピュセルは、まだ……

……あ、ごめん!そんなつもりで言ったんじゃなくて……

……ううん、いいの。そう……私とラピュセルの絆はまだ完全じゃないんです。

ラピュセルが言葉を話せないっていうのは、そういうことだから……

あ、ごめんね!不安にさせちゃったかな?大丈夫よ、安心して、ラピュセル。

私、もっとがんばるから……!あなたのことは、私がちゃんと守ってあげるからね。

姫様……

おい、ゲオルグ。まさか、あのまま放っておくつもりか?

……自分は姫様を信じる。あの方は<竜の国>の未来を尋くドラグナーとなる御方。

必ずやご自分のお力で乗り越えられるだろう。

愚か者め。それはただの盲信というのだ。後悔することになるぞ。

忠告として受け取っておこう。だがこれは盲信ではない。忠義を尽くす、というのだ。

ふん、喊らず口を……





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story5



……ゲオルグ。

つけられているな。この突き剌すような殺気……間違いない……奴らだ。

隠れているのはわかっている!大人しく姿を現せ、竜狩りよ!

いっそここらを焼き払って、文字通り炙りだしてやろうか。


これはこれは。かの有名なドラグナーのお二人にこのような場所で相まみえるとは。

コイツが奄狩り……!?

そうです。私も実際に見たのは初めてですが……くっ、なんておぞましい殺気なの。

ひどい言い様ですな、竜の姫君。私からみれば、獣とつるんでいるあなた方のほうがおぞましく、野蛮に見えますがね。

黙れ!竜の血に塗れた賊め。我らと事を構えようというのなら容赦はせんぞ!

まことに残念ですが、我ら竜狩りは人と争うような真似はしない主義でして。ですが……

ぞこの二匹の竜……特に白い鱗のほうとは、ぜひとも一戦交えたいところですなぁ……

っ!下がりなさい!ラピュセルには指一本触れさせません!

これは頼もしいナイトですね。ご安心ください、今は小物の相手をしている暇はないのです。

……やはり狙いは白竜か。

白竜?……ああ、なるほど。たしかにそうとも言えますし、違うとも言えますね。

……?一体どういう意昧なの?

竜狩りよ!白竜は我らの祖国へ連れ帰る!今すぐここから立ち去るがいい!

まったく……これだからドラグナーの連中というのは……あなたに言われるまでもなく、お先に行かせてもらいます。

それでは……ごきげんよう。


なっ!もうあんなところに!なんて足の速さなのよ!

竜狩りは己の身ーつで竜と対等に渡り合う、戦闘のエキスパート。身体能力は常人を遥かに凌ぐ。

……急ぎましょう。白竜を、竜狩りから守らないと……





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story6




 ごめんなさい、ごめんなさい……

 痛いですよね……苦しいですよね……


『ググググ……』


 心と体がぐちゃぐちゃになって、

 自分が自分でなくなるようで……

 いっそ死んじゃいたいですよね……


『ググ……ガ、ガ……』


 だけど死なせません……

 仕方がないんです……しょうがないんです……


『グアガァァァーーー-!!』


 ごめんなさい、ごめんなさい……



…………

……




はぁぁぁぁーーっ!!


はぁ……はぁ……これだけの数のレッサードラゴン、一体どこから……

それになんだか、すごく怒っているというか……激しい敵意を感じます。

このままじゃジリ貧だわ。とっとと谷を抜けましょ!


…………

どうしたの、ゲオルグ?難しい顔をして。

いえ、なんでもありません。キャトラ君の言う通り、今はこの場を切り抜けることに徹しましょうqええ、わかったわ。


(……この状況、覚えがある。

このレッサードラゴンたちは、『引き寄せられている』のだ。

そして、彼らを呼び寄せているのは……)


……あ!みんな見て、建物よ!あれって街じゃない?

山間の城塞都市のようだな。ちょうどいい、あそこを目印に行軍するとしよう。

(しかし、あのような巨大な都市があるにもかかわらず、

ここまで人通りはまったくなかった。やはり、これは……)


ゲオルグ、どうやらこの件、最悪の事態も覚悟しておいたほうがよいかもしれんな。

……ああ、そうだな。

ゲオルグ……?





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story7




な、なにこれ……?

そんな……一体なにが……


<山間にある城塞都市。

そこは激しい破壊の痕が残る廃墟と化していた……>


遅かったですね、ドラグナー御一行様方。

!出たわね、竜狩り!もう逃さな……

待って!あれは……!


グガアアアーーー!!!

<アイリスが示した先には、宮殿の頂上にまたがり、

天に向かって咆吟をあげる巨大な竜の姿があった――>


な、なによ、あれ……あれもドラゴン……なの?

……あれは、破壊の衝動に目覚めた竜の成れの果て――<邪竜>だ。

まさか……あの邪竜は……!

お察しのとおり、あの邪竜こそ、あなた方が探していた白竜――その今の姿です。

え……え?あれがラピュセルのお母さんって……ウソでしょ!?

(この<気配>……まさか……!)

竜も所詮は獣にすぎません。些細なきっかけで、こうも簡単に人へ牙をむくのです。おわかりいただけましたか?

っ!そんなことはありません!そもそもあなたたちが白竜を……!

それよりも、みなさん。よろしければ、あれの討伐に協力させてくれませんか?

は?なに言ってんのよ!アタシたちはあのドラゴンを助けにきたのよ!

おや、そうですか。ですが、ドラグナーのみなさんはやる気のようですよ。

……っ!

…………

ど、どうしたのよ、二人とも!なんで黙ってるのよ!

――!静かにっ!


<邪竜はゆっくりと動き出し、

瓦礫の割れ目から宮殿内部へと姿を消した……>


ちっ、逃がすか……!

ま、待ちなさい!くっ……!追いかけましょう、ゲオルグ!

……姫様、その前に彼らに伝えなければならないことがあります。

皆、聞いてくれ!これより我々は、あの白竜を……いや、あの邪竜の……

『討伐』に向かう!




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story




ドラグナーは、竜狩りから竜を守ることが務め。ですが、逆もまた然りなのです。

……つまり、あのドラゴンを倒すってことね……

……はい。

でも、相手はラピュセルのお母さんなのに……

……かつて、<竜の国>領内の僻地で大規模な『白竜狩り』があった。

あの白竜は、そこから落ち延びた数少ない生き残り。以来、行方はようとして知れず……

自分が辛うじて救えたのは、たった一匹の幼体だけだった……

その幼体って……もしかして……

…………

あのときほど自分の無力を痛感したことはなかった。

だが今度こそ……今度こそは救えるはずだと思っていた。なのに……くっ!!

ゲオルグ……

……どうして邪竜になんてなっちゃったのかしら……

眷族を狩られ、仔すらも失った白竜の憎しみの深さは我々の想像を絶するだろう。

憎悪にかられ、外道に堕すのは、人も竜も同じことよ。……認めたくはないか、な。

……しかし、今回はいささか妙でもある。

妙って、なにが?

自分は過去に、何度か邪竜と対峙したことがある。今回のような状況も、初めてではない。

だが、竜が憎しみだけであれほど強大な邪竜になった前例はない。なにか他に要因が……


それは……おそらく、<闇>の仕業だと思います。

<闇>……ですか?

はい。私はあのとき、確かに<闇>の気配を感じました。

白竜さんの強い憎しみが<闇>を呼び寄せて、おそらく、それで邪竜に……

アイリスさん、その<闇>から白竜を救う方法は……!

ごめんなさい……その方法は、私にも……

……そうですか。ごめんなさい……


……姫様、我らは我らの務めを果たさねばなりません。

邪竜は天災に匹敵する脅威。ここで討たなければ、さらなる犠牲が出るでしょう。そうなる前に……

竜を守ると散々豪語しておいて、結局ラビュセルの母竜を討つか……

……道を外した者に、竜も人も関係ない。もし自分が道を外したら、遠慮なく自分を討つといい。

ほう……その言葉、決して忘れるなよ。

……大丈夫よ、ゲオルグ。ドラグナーの使命に殉じることに、異論などあるはずもないわ。

(だけど……

怖いのね、ラピュセル。当然だわ。やっと再会した母親があんなことになっていたら……

やっぱりこの子に母親を傷つけるような真似はさせたくない。もちろん傷つけさせもしない。

私がこの子を守らないと……!)





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見て、竜狩りが――!


破ァァァーー!!

グガァッ!?

獲ったッ!

ぐあっ!?な……に……だれ……だ……き、さま……

ごめんなさい……ごめんなさい……

な、なんなのよアイツ!?いきなり襲ってきたわ!

うう、この気配……!間違いない、<闇>よ!

なに!あの者が<闇>だと!?ではまさか……奴が……!

『<愉快な道化の影芝居>――〈シャッテンシュピール>』ウィユ・ブロサール……です。

この竜を……助けたいんですよね……?

っ!当然です!私たちはそのためにここへ来たんですから!

そうですよね……助けたいですよね……

……わかりました。それじゃあ……

グォ……ガガガァ!

もっと<闇>の力を……あたしにはこれしかできないから……

これは……!<闇>が限界まで高まって……いけない、このままじゃ……!

グルアァァァーーー!!!

きゃあああ!!

姫様ぁーー!!

きゃあっ!!

<禍々しい気をまとった邪竜のすさまじい力の波動によって

主人公たちは大きく吹き飛ばされた。>

……みんな……!うっ、痛っ!あ、足が……!

wごめんなさい。ごめんなさい……こんなこと、本当はしたくないんです……

でもあなたたちが、この竜を助けたいだなんて言うから……仕方がなかったんです……

……狂ってるわ!許せない……あなただけは、絶対に……!

…………

グウウウ……

ラピュセル!近づいちゃダメ!その竜はもうあなたの母親じゃ……

グルアァ!!

ギャウ――!

いやぁー!ラピュセルー!!

ああ……あああ!おねがい、やめて!やめて……やめてよぉ……

自分の子供をあんなに痛めつけて、ひどいよね……このままじゃ死んじゃうよね……

ラピュセル……ラピュセルー!!

うおおおーー!!

ガァッ!?

エクセリア!大丈夫!?

ラピュセル!ああ、こんなに傷ついて……ごめんなさい……本当にごめんなさい……

よかった、生きてて……邪竜も、そこの二匹も……お願い、どうか死なないで……

……この外道がッ!まずは貴様から討つ!!

ごめんなさい……あなたたちとは戦えない……せっかく用意した舞台が台無しになっちゃう……

だから……ごめんなさい……ごめんなさい……

おのれ<闇>め!逃げるつもりか!

グルアァァァーーー!!!

ちょ!その前にあれをなんとかしないと!


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story



グルアァァァーーー!!!


ううう……

きゅう……

がはっ!!


ゲオルグ!みんなっ!

グルルルルゥ……

これが邪竜の力……ダメだわ……私だけじゃとても敵わない……

(っ!それでも……私は、退けない……!

これ以上この子に傷ついてほしくない……!)


……ラピュセル、私が血路をひらくわ。

大丈夫、あなたのことは私が命に代えても守ってみせる。

だから……生きて!


グルアァァァーーー!!!


……いいんだな。

……ああ!

うおおお!カグツチィーー!!


……ゲオ、ルグ……?

うう、まだ目が回るわ……って、なにが起きたの!?

ゲオルグさんが、邪竜を弾き飛ばした……?


……姫様、これが自分とカグツチ、人と竜が真なる絆を交わしたドラグナーの力です。

ゲオルグ……私は……

この馬鹿者がッ!!

――っ!

己の竜を信じずしてなにがドラグナーか!

お前たちの絆はその程度のものだったのかっ!

で、でも!私は……ラピュセルを守りたくて……あの子を傷つけたくなくて……

大切に想うだけが絆ではない!ときには命を預け合うこともまた『絆』なのだ!なぜそれがわからないのだ!!

それでも!ラピュセルに母親を討たせるなんて……だから私が……!

自己犠牲が美徳とでも思ったか?それで絆が芽生えると?そんなものはお前の傲慢に過ぎん。

カグツチ……

……だが、竜を心からおもいやるお前の意思は……正直、我は嫌いではない。

……え?

竜と盟釣を結びし王家の末裔よ。人と竜の真なる絆を今こそ見せてみろ!

っ!真の絆…………私は……!

…………ラピュセル!


ごめんなさい……せっかく母親に会えたのに。

みんなで<竜の国>に帰ろうって私、言ったのにね……

…………

でも……それでも私、あなたのことが大好きなの。あなたのことを守りたい。だから……

あなたの力を、私に貸して!私と一緒に戦って欲しいの……!


……ワ……


……え?


ワ……ワタシ、モ……アナタ、ガ……好キ……


――っ!あなた、言葉を……!

ワタシ……モ、戦ウ……アナタノ……タメ、二……戦イ……タイ……!

ああ、ラピュセル……ありがとう!一緒に、いきましょう!

グルアァァァーーー!!!

エクセリアさん、危ない!

今なら……いけるわ!翔んで、ラピュセル!!

グルゥッ!?

おお、攻撃を跳ね返したわ!

すごい、まるでさっきのゲオルグさんみたい……

私とラピュセルが出ます!ゲオルグ、あなたも続いて波状攻撃を!

姫様……はっ!いくぞ、カグツチ!今こそ我らの真の力を見せるのだ!



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最終話



グ……ガ……ガァ……


……ごめんなさい。もっと早くあなたを見つけていればこんなことには……

姫様、我らの務めはまだ終わってはいません。

……そうでしたね。ゲオルグ、お願いできますか?

……御意。

<ゲオルグは懐から、不思議な紋章が刻まれた石を取り出した。>

それは……ルーンですか?

これは<竜葬のルーン>。我ら<竜の国>に伝わる、特別なルーンだ。

古の盟約の名のもとに、終わりゆく器より魂を解さ放つ。命は天に、骸は地に――

<ゲオルグが呪文を唱えると、ルーンは淡く輝き、同時に邪竜の亡骸も燐光を放つ。>

邪竜の亡骸は、その地に呪いをもたらす。竜狩りに暴かれる危険もある。

ゆえに我らドラグナーは、このルーンを使って、死した竜を大地へと還すのだ。

白竜……あなたの子には私がずっとついています。どうか安心して眠りについてください……

…………


やれやれ……すでに邪竜は処理済でしたか。

これは無駄足でしたね。


ア、アンタ!生きてたの!?

あなたたちが力尽きたあとで、獲物をいただくつもりでしたが……

どうやら私の見込み違いでした。まさか竜の姫君にあそこまでの力があったとは。

私だけの力じゃありません。彼らの助力があったからこその力です。

ふふ……あなたたちドラグナーはいつだってそうですね。

口を開けば、仲間だの絆だの獣相手にそんな虫唾が走るようなことを平気で言う。

あなたたち竜狩りに、私たちドラグナーの信念は決して理解できないでしょう。

……これを見ても、まだそんなことが言えますか?


<竜狩りは、兜の面を開け、その素顔を一瞬だけさらした。>

……っ!

……竜の炎にやられたか。

私がまだ幼い頃に、ね。友人や家族は一瞬で消し炭に。私は『運悪く』生き残り、こんなザマですよ。

あなた方の隣にいる竜が竜のすべてではないのです。よく覚えておくことですね。


……それでも私は信じ続けます。ラピュセルのこと……人と竜の絆がもたらす未来を。

頑固な姫君だ。もはや愚かですらありますね。

くだらん。そんな傷で語った気になるな。

……でしたら、あなたの主にもつけて差し上けましょうか?

傷ならば、すでにある。

なら、私の気持ちも少しはわかっていただけるのではないですか?

見当もつかんな。自分は貴様とは違う道を歩んできた。

……そうですか。では、これで。二度と会わないことを祈ってますよ。

自分は構わない。何度でも貴様のもとに赴き、何度でも止めてみせるぞ。

……ふん。


時間を無駄にしたな。所詮、人と竜とは相容れぬ生き物よ。

……カグツチ。ならば自分たちはなんだというのだ?

……我らは、人と竜の間に立つ者、<ドラグナー>だ――



……今さらだけど、アイツにもイロイロ事情があったのかしら。

ええ……彼のような犠牲者を出さないためにも、私たちが人と竜の架け橋にならなければなりません。

そうよね、ラピュセル。

…………

……ラピュセル?っ!あなた、言葉が……

そんな……!ラピュセル、どうして……!

ふん、お前たちのような未熟者が、一日で我らのようになれるわけがなかろう。

ラピュセルが人語を使いこなせるようになるのは、今後の姫様たちの成長次第ですな。

あせらなくても、アンタたちならきっとできるわよ。

エクセリアさん、ラピュセルさん、がんばってください!

……はい!私、きっと一人前のドラグナーになってみせます!


姫様、此度の白竜と<闇>のー件、これで終わりとは思えません。

自分はこの地にとどまり、あの<闇>の者を追います。

……私もいきます。ドラグナーとして、竜と人のためにここでなすべきことを果たします。

懲りない小娘だ……もういい、勝手にしろ。だが次は見捨てるぞ、いいな。

それじゃあ、みんな、飛行島に帰りましょ!

ええ!さあ、いくわよ、ラピュセル。一緒に、飛び立ちましょう!




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その他



相関図






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