ガイアビハインドストーリー
ガイア
ガイアは大地の女神だ。オリンポスの絡み合った政治を嫌い、平穏な日々を送るため人間界へ降りていき、中でも人がいないところを選び住むことにした。生命が育つ人間界の大地は、ガイアの祝福によりできたものである。エルフやダークもまた、ガイアのもとで誕生した。
ガイアは大地を青く培った。そのためガイアの森を中心に、青々とした健康な土地の気運は広く広がっていった。この青い土地は生命力に溢れ、それは美しかった。ガイアの祝福であり、ガイアの楽しみが込められている美しい大地。この場所に偶然足を踏み入れた人間たちは、二度とこの場所を見つけることは出来ないが、そのうっとりとする光景を書きとめ、時に神話を作ることもあった。
「人間よ。私に会った気分と、この森を見た気分を輝かしい詩にしておくれ。」
ガイアは人間たちが、ここの景色を見てうっとりする姿を見て楽しんだ。エルフの姿をして行動をしているときに人間に出会ったときは、こう言って人間たちを再び森の外へと返した。ガイアは人間たちの文化を愛し、人間たちが作ったものを森に置いた。そのためエルフたちは人間に好意的であり、人間たちと共存することを望んだ。
神の地位などは、ガイアにとってどうでも良かった。ガイアは温かい大地、平穏な生活が幸せだった。森の中の自分の好きなところに寝ころぶことができて、本を読みながら、オリンポスの様子をうかがうことが性に合っていた。
だからといってオリンポスに情がなくなったわけではなかった。オリンポスはガイアの根底となる場所であったからだ。
オリンポスの平和が、人間界の平和に繋がっていることも分かっていた。しかしガイアの動向を伺いに定期的に訪ねて来るオリンポスの使臣が、いつからか来なくなった。ガイアはオリンポスに何か大きな異変があったのだと直感で感じた。
「何か良くない予感がするわね・・・。」
ガイアはオリンポスの異変を感じ取るため動き出した。
ガイアはオリンポスに戻る前に、自分が作った大地を一周してみた。森の精霊たちは、ガイアが去ることを残念がりながらもみな幸運を祈ってくれた。
「ガイア様がいらっしゃらなければ、大地の青さを維持することはできません。早く戻ってきてください。」
特に大地の精霊の樹は怯えて震えていた。ガイアはブルブルと震える葉を見て気の毒におもった。
「精霊の樹よ、なにがそんなに心配なの?」
「不吉な気配が入ってきています。これはガイア様にも近づいて来ているようです。ガイア様・・・本当にオリンポスへ行かなければならないのでしょうか?」
「心配しないで。私もここにいる間、遊んでばかりいたわけではないわ。大地の気運がオリンポスにも行き渡ることで、ここでも私の力を限りなく感じられるはずよ。」
オリンポスに戻ると、不吉な気配の実態を感じた。強力な闇の気配はどんどんと地面から湧き上がっていた。大地の女神だからこそ感じることができる不吉な気配だった。ガイアは女神の力を精一杯呼び覚ました。そしてガイア自身がオリンポスの大地を踏みながら一歩、また一歩と浄化していった。エルフの姿をしていても、力は十分だった。じっくりとオリンポスの平和のために一歩ずつ前へと進んで行った。
そろそろガイアも自分の姿に戻ろうと思っていた。不吉な力がついて回れば、より大きな力が必要であると感じたからである。オリンポスの大地もガイアの呼びかけに応じ、大地にある些細な情報さえもガイアに伝えた。ガイアはオリンポスにいる全ての神を集め、話をする必要があると考えたのだった。
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