手毬飾り
画像
レベル
Lv.31
紹介
【装飾・手毬飾り】
「おばあちゃんおばあちゃん、お隣の二戌くんが、大人になったらテマリを投げるって言ってたけど、テマリって何?」孫娘は祖母の前に駆け寄り、不思議そうに問いかけた。
祖母は糸を編んでいた手を止め、立ち上がった。「手毬の事を知りたいの?おばあちゃん、ちょっと探してくるわね。」
祖母は寝室の中に行き、しばらく箱の中をあさると、やがて、色あせて萎びた手毬を見つけ出した。
孫娘は祖母が差し出した手毬を見て、口を口を尖らせた。「これがテマリ?全然可愛くない。」
祖母は孫娘が手にしている手毬を優しく見つめ、「これは何に使うのか知っているかい?」と小声で尋ねた。
孫娘はしばらく悩み、やがて首を振った。
祖母は孫娘が返した手毬を受け取ると、背中を向けて目を閉じた。
「これは、女性から人への……贈り物なのよ。」
部屋はしんと静まり返っていた。
しかし、祖母の耳には、当時の人々のはしゃぐ声が響いているようだった。
彼女が手毬を手に、群衆に背を向けると、屋根裏の青年たちは手を振って歓声をあげた。
司会が良き時の到来を告げると、全員が息を殺し、天から手毬が降ってくるのを待った。
ところが、手毬を持った女性は、突然階段を駆け降り、通りに飛び出し、手に持っていた手毬を、隅にいる書生に渡した。
「あたしの結婚相手は、天ではなく、あたし自身が決めるべきものだわ!」
孫娘に服の裾を引っ張られた祖母は、思い出から引き戻された。
「おばあちゃんおばあちゃん、どうしてテマリを贈るの?」
「贈り物は、あなたの気持ちだからよ。」
孫娘は分かったような、分かっていないような顔で頷いた。「じゃあ、あたしもおばあちゃんにテマリを贈るの!」
ステータス
所要材料 | 500 1 2 |
繁栄度・環境 | 繁栄度10・環境10 |