九玲瓏
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
2010
入手方法
厳さま取引
塩商
物語
強が杭州で事業を始めると、春花も自分の事業を杭州まで拡大した。新たな地域で市場を開拓するのは、容易なことではない。春花は毎日忙しく、朝早くに出かけては夜遅く帰って来る日々で、強と話をする暇すらほとんど無いほどだった。月末は春花の誕生日だが、もしや彼女自身も忘れてしまっているのではないか。強は忙しそうな春花の様子を見てそう心配し、誕生日の贈り物をしようと決めた。しかし、何を贈るべきか。それは強にとって、かなりの難問だった。広々とした中庭を眺めていた強は、その景色に少し物足りなさを覚えた。贈り物は手作りするのが一番だと考え、強は中庭を改造することに決めた。強は市場に出向き、大きな玲瓏石と、いくつかの植物を買ってきた。そうして、趣向を凝らした甲斐あり、春花の庭には、以前とは比べ物にならない風景が広がった。だがまだ何かが足りない。強は小さな机と小さな香炉を運んできた。気持ちを安らげるお香を香炉に挿すと、青い煙が幾筋も立ち昇った。夜になり、春花がやっと戻ってきた。強は玄関で春花を迎え、自分が作った庭を見せようと案内した。春花は椅子に座ってその風景を眺め、強に親指を立てて見せた。「春花ちゃん、ちょっとここで休んで待ってて、実は贈り物があるんだ。」「贈り物?なによ、急に。よそで何か悪いことでもしたのかしら?」「いやいや違うって、とりあえず座って待っててね。」「早くしてよね、まだ会計の仕事が残ってるんだから!」しばらくすると、強は手作りの長寿麺を運んできた。だが春花は、椅子にもたれかかって眠ってしまっていた。月明かりの下、春花の寝顔に桃の花の影が落ちている。ぐっすりと眠る春花の表情はとても優しく、穏やかだった。強は毛布をかけてやると、しゃがみこんで、眠っている春花を見つめた。「もう少しゆっくりしていってね、今日は春花ちゃんのお誕生日なんだから。どうかこれからもずっと、春花ちゃんが楽しく幸せでありますように。」