麓の陋室
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
15
入手方法
悪党(義賊)尋問
物語
町一の捕り手王争先が部下を率いて山賊の拠点を潰して以来、知府はかえって悩んでいた。「なんで?」それを初めて知ったキタは理由が気になり、しつこく聡に答えを求めた。「そんなことも知らないのかよ。泥棒の縄張りから、金銀財宝ずっしり入った大きな箱が二つも出てきたんだ。」「大きな箱が二つ?」「ああ、どこの盗品か知らないけど、盗まれた人たちはきっと悲しんでるだろうな……」「夢の中でだって、そんなたくさんの宝物見たことないよ。」聡もだんだん興が乗り、耳にした噂をすべて話した。「知らないだろうから教えてやるよ。その場所ってのは山の麓の小さな小屋で、一見目立たない屏風の奥に、宝物が詰まった大箱が二つもあったんだ。まるで宝の家だよな!で、その光景を見た捕り手の王さんは激怒したって……」「そりゃ怒るよ。そのせいでどれだけの人が悲しんでいることか。」……感想を述べ、キタは最初の質問を再び思い出した。「じゃあ……それだけ盗品を取り戻せたなら、いいことじゃないか。なんで知府さまは悩んでるんだ?」「あのな、持ち主不明の盗品は、戸部に引き渡すって法律があんだよ。知府さまはお優しいから、一人でも多くの持ち主を見つけ出して、みんなが損しないようにしたいんだとさ。」聡はため息と共に続けた。「でも、盗品があれだけあっちゃ、持ち主を全員見つけるのは至難の業だ。持ち主のふりする奴だって現れるし……」「大変そうだけど、うちの知府さまは頭がいいから、きっといい解決策を思いつくよ。」知府への敬意と誇らしさを感じるキタの言葉に、聡は同意するように頷いた。「その通りだな。何か食べに行こう、話してたらお腹空いちゃったよ。」キタもその気のようだった。真昼の暖かい日差しの中、二人は春花の酒屋へ向かって、足を踏み出した。