薫る木犀花
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
5010
入手方法
イベント
物語
十五夜の月より十六夜のほうが丸く、十七夜を経て十八夜になると半分も欠けてしまう。月明かりが大地を照らし、正は毛布をくるんで、木靴を履き、庭にやってきた。手に持っていた酒壺と盃を石机に置いて、そばに置いてあった火鉢が秋の夜の寒さを追い払ってくれた。彼は二つの盃に酒を並々に注ぎ、その一杯を一気に飲み干した。「百花が凋落する頃は、木犀が咲き乱れる時。」ひらひらと散る花びらが盃の中に落ち、正は若かりし頃のことを思い出した。意気盛んだった訓も、自分も、科挙で好成績を収めた。大志を抱いていたあの頃に、もう一杯を!秋夜の景色が人を酔わせ、盃を上げ酒を呷り続け、もう二度と覚めないことを願う。「木犀がまた咲いた。遠くにいる訓も、花見をしているのだろうか。君が高みにいながらも、木犀のように高潔で気高くいられるよう願おう。」酒壺が倒れ、流れ出た酒が正の服を濡らしてしまった。
清風が吹き、木犀の木をざわめかせた。一輪の木犀の花が風に乗り、庭を流れる小川に舞い降りた。