縁結びの儀
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
5545
入手方法
ガチャ
物語
結婚に縁起の良い日である今日。江柳柳は、真っ赤な花嫁の輿に正座していた。緊張で手に汗を握り、袖の中の手巾までびしょびしょになっていた。朝早くから着飾って、鳳の冠に刺繡の肩掛けを纏った瞬間、今日から自分は人の嫁になるのだとやっと実感した。夫が幼なじみの恒なのもあり、そこまで緊張していなかったが、何故か式場に近づくにつれ、ドキドキした。花嫁衣装が少しきついせいなのか、花嫁が頭にかぶる赤い絹蓋が厚いせいなのか、息が詰まりそうになったが、幸いのことに、揺られていた花嫁の輿は彼女の心臓が持たなくなる前に止まった。結婚式の流れはすでに心得ている。司会者に支えられて輿を降り、門に入り、北を向いて立つ。後は夫が中門を通って自分に礼をするまで待つだけだ。頭に被った絹蓋が視界を遮り、前は見えなかったが、夫を待つ江柳柳の耳に、自分の前で立ち止まる靴音が届いた。「我が妻よ。」その声に、江柳柳はほっとした。そしてその瞬間、彼女の脳裏にたくさんの思い出がよみがえった。まだ四歳の頃、この声が彼女に言った。「飴玉は弁償するから、泣くな」と。十二歳の頃、この声が、庭の鞦韆に腰掛けた彼女の隣で詠んだ。「妾が髪初めて額を覆いしとき、花を折りて門前にたわむる。郎は竹馬に騎ってきたり、床をめぐりて青梅を弄す……」と。十五歳の頃、この声がいつもより少し悲しげに彼女に言った。「今回は、試験の合否に関わらず、すぐに帰ってくるから」と。……時は巡り、今、十八歳になった彼女は、いよいよこの声の持ち主と縁を結ぶことになった。少し煩雑で長い式の後、彼女の夫はついに彼女の絹蓋を取った。江柳柳は顔を上げて、咲いた牡丹の花よりもきれいな笑顔で問いかけた。「恒さん、これからもあたしのこと、大切に思ってくれる?」「ああ。」