乾元門
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
35
入手方法
ガチャ(封神)
物語
ある日、虚清道長が物資を調達しようと山を下り、乾元門を開けると、道友の凌雲がちょうど門を叩こうと手を上げたところだった。二人はしばらく顔を見合わせていたが、凌雲道長が先に後ろに手をやり、薄汚れた男の子を押して虚清の前に出した。虚清は大きく眼を見開いた。男の子は痩せていて背も低く、年の頃は二、三歳ほどか。服はぼろぼろで、泥沼から引きあげられたばかりかのようだった。黒い大きな瞳が、おずおずと虚清を見ていた。「どこでそんな泥猿を拾ってきたのかね。」「ああ……」凌雲道長はため息をついて説明した。ある商人が江南水都を通った折、強盗に遭い家族全員殺されてしまったが、幸いにも凌雲が手助けし、この三歳の子供だけが生き残ったのだという。しかし今日修行の旅に出る予定のため、帰ってくるまで虚清に面倒をみてもらいたいという話だった。「大人しい子だから、食べ物と暖かい服を与えてくれればいい。」「そうは言っても、一日中丹薬作りで忙しくて、面倒を見る暇なんてないぞ……まして俺は道士で、子供の世話などわかるはずもない。」「あなたに弟子入りさせようと考えているんだ。日頃見守ってくれればそれでいい。さあ、師匠と呼びなさい。」凌雲が前に押し出すと、その子はしばらく虚空を見つめた後、恐る恐る口を開いた。「お父さん。」虚清は驚き、後ずさった。この子はきっとあまりの惨劇でどうかしてしまったに違いない。「坊や、お父さんだなんて、勝手に呼んではいけないものだぞ。」凌雲も呆気に取られ、笑いをこらえていたが、目の前で髭を生やして老成した道長に見せかけている虚清も、実はまだ三十代前半で、確かに男の子の親と年頃は同じだった。虚清は凌雲に別の手を考えるよう勧めようとしたが、男の子はふと汚れた小さな手を伸ばし、虚清の裾をそっとつまみ、丸い目で彼を見上げた。「お父さん、ぼく、大宝っていうの。お、多くは食べないし、自分で服も着れるよ。」虚清はもはや一言も発せなかった。門の鐘が風に揺れて低い音を立てた。その日、虚清道長の仕入れ一覧には、やむなくさまざまな子供用品が加えられた。