蓮の机
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
5
入手方法
ガチャ(封神)
物語
久しぶりに親友の凌雲から手紙が届き、虚清はどう受け取るべきか感情に悩んだ。凌雲の手紙の内容はこうだ。虚清が修行に専念するつもりでいて、あくまで厚意で大宝の世話を引き受けてくれたと知っていること。彼自身にも大宝を育てられる自信がなく、山の麓で大宝を引き取りたいという家を見つけたこと。十日後に彼を迎えに来ること。そのほか、虚清への感謝の言葉も多く書かれていた。虚清は、これは喜ぶべきことだと考えた。このところの彼は、以前のような仙気に満ちた道長ではなくなっていた。一切進まない丹薬作りの代わりに、分厚い『養父の心得百選』を書けそうなほど日常生活は所帯じみていた。しかし、大宝が来てからの暮らしは、以前よりも生き生きとしていた。しばらく考え、少しは成長した大宝自身にも意見を聞いてみるべきだと虚清は思った。彼は道観の中を歩き回ると、最後に神像を祀っている大殿の中で大宝を見つけた。その時大宝は、お供え物の置いてある蓮の机に両手をつき、香りの良い桃をじっと見つめながら、何やらぶつぶつと唱えていた。「神さま、神さま、もうお腹いっぱい?だったらこれ、お父さんに食べさせてあげるからね。黙ってたらいいって意味だよ!持ってくよ、本当に持ってくよ……」虚清は笑いをこらえきれずに声を漏らし、大宝は振り返って虚清に気づくと、桃に伸ばしていた小さな手を咄嗟に傍らの磁器にやり、中の蓮の葉を触ってつぶやいた。「あれ?この蓮の葉っぱ萎れてるなあ……」虚清は真実を明かすことなく、大宝の前にしゃがんだ。「大宝、凌雲師匠が新しいお父さんを見つけてくれたんだが、一緒に行きたいかい?」「お父さんならもういるのに、どうして新しいお父さんが必要なの?」「それはな……お前は将来勉強して、妻を娶って子を産むんだ、いつまでも道観に留まることはできないぞ。」「わかんないよ、行きたくない、今のお父さんがいい。」大宝は口を歪め、手を伸ばして桃を一つ取ると、急いで逃げ出した。虚清はどんな顔をすればいいかわからなかった。彼は大きなため息をつき、部屋に戻って凌雲に手紙の返事を書いた。その手紙には、大きな文字で一言だけ記されていた。「本件の検討はまた後日。」