蓮の座布団
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
5
入手方法
ガチャ(封神)
物語
山の上で一番大きな道観から、鳶の刺繍工房に、蓮の座布団の注文が入った。急ぎの注文だったため、鳶は他の仕事を中断し、針子のみんなを蓮の花の刺繍に集中させた。その日、鳶は店へ赴き、みんなの進み具合を確かめていると、新入りの針子の様子がおかしいことに気がついた。その娘はしばらく刺繍をすると針を置き、何かを祈るように手を合わせていた。何度か繰り返すうちに、鳶は好奇心を抑えきれなくなり、ついに理由を尋ねた。針子はどぎまぎしながらも、鳶に耳打ちした。「女将さん、これは道観の中の、神様の前に置くものでしょう?だったら願い事を全部糸と一緒に座布団に詰め込んだら、この先毎日この座布団を見る神さまが、私の願いを叶えてくれるかも!」鳶は失笑したが、この子の情熱には水を差したくなかった。「じゃあ、真面目に刺繍しなさいね。蓮の刺繍が下手で神様のご機嫌を損ねてしまっては、願い事も叶えてもらえないわよ。」針子は納得したように頷き、鳶に向かって胸を叩いてみせた。「安心してください!きっと上手にやってみせます!」少女の熱が周りに伝わったかのように、針子たちはいっそう刺繍に打ち込んだ。その一枚一枚の座布団が、道観を訪れた多くの参詣者に深い印象を残した。「山のあの道観、本当に素敵だったね。蓮の座布団も他のところのより綺麗で、刺繍も生き生きしてたよ。」その褒め言葉を聞いた鳶は大喜びして、工房の針子たちの給料を上げ、針子たちも最高の刺繍で恩を返した。それから間もなく、鳶の刺繍工房の評判は、町中に広まっていった……