霊山の猿洞
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
50
入手方法
梅山の七怪
物語
キタは線香を三本あげて、目の前の洞穴に向かって一礼した。伝承によると、この地で梅山の猿が仙人になるまで修行をしたというが、誰も興味を持っていなかった。つい数ヶ月前まで、葛小武の母は病床に臥していた。葛小武は薬を求めて仙人を拝んできても一向に治らなかったが、この洞穴を拝んだところ、母親はたちまち快方に向かった。それ以来、葛小武は不思議な仙猿の話を広め、次第に参拝者も増えていった。「気休めだっていい。」心の中でキタはつぶやいた。「最初のお線香は、ツボミがいつまでも元気でありますように。」「次のお線香は、故郷の豊穣と、友人親戚の息災を祈って。」「最後のお線香は、奇っちゃんの長生きを願って。ちょっと変わった人だけど、とてもいい師匠だから。」キタは三本の線香をきちんと立てて入れ、新しい蝋燭に火をつけてから立ち上がった。ふと、故郷の方向を見やる。この地に来て久しいが、それでもやはり、いささか郷愁は感じるものだ。