雪割り迎春花
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概要
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イベント
物語
「わしは今年の冬まで生きられん。」
九十九歳の顧おじいさんの口癖だ。 皆からは長寿だとよく言われるが、実際どれくらい生きたか彼自身よく覚えていなかった。
「顧じいさん、春が来たらあんた百歳だよ！」
「まあ、わしはそんなに長く生きとるのか？」
顧おじいさんは自分の髭が中庭の雪のように白くなっていることに気づくと、
「今年の冬までは生きられんな」とまた口にした。
………………と言っていたものの、中庭の石に積もった雪は解けていき、うっすらと残る雪の下では黄梅が若葉を芽吹かせた。顧おじいさんは、春を迎えた。これまでの九十九年間と同じく、無事に百年目を迎えたのだ。
知府は「新年を祝する雪割り迎春花、延年転寿を慶ぶ百歳の南極星」と書いた祝い状を送り、長寿の秘訣を是非みんなに聞かせてほしいと彼を招いた。
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