宮殿の塀
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
10
入手方法
建築ガチャ(輝煌)
物語
宮殿の塀の片隅には、数本の傷がある。長年風雨に晒されたせいか、低い位置の傷ほど色が薄く、傷の場所を知るのは無憂と錦瑟のみだ。
この傷は、彼女たちが子どもの時分に背比べをした記録だった。
大人になり、錦瑟は宮中にいる時間が減ったが、無憂は幼少期の習慣のまま、春分の日になると、ばあやに身長の線を描いてもらっていた。
その日、無憂がいつも通り塀のところに 来ると、傷から五寸上に新しい傷が出来ると、傷から五寸上に新しい傷が出来ていた。
ばあやはすぐさま、傷を残した者を見つ けるよう宦官に命じた。まさか、宮中で皇女に不敬を働く者がいようとは!
しかし当の無憂は驚きと喜びを感じていた。彼女は、月夜の下で見た状元のことを思い出した。
彼に言わせれば「三元及第より身長を伸 ばすほうが難しい」という。彼と語ら い、一緒に宮殿の塀の下で身長を測ろう と、あの日約束を交わした・・・・・・
「約束通り彼が来たのね。」無憂は笑みを浮かべ、振り返って尋ねたのだった。
「ばあや、新しい状元の名前をご存じ?」