猿猴捉月
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
50 10
入手方法
累計購入イベント(2024年5月)
物語
満月の倒影が水面に映ると、山中の猿たちは興奮し始めた。
まずは崖にある最も高い木に登り、つるを投げ下ろした。先頭の猿が尾を引っ掛け、あとに続いて猿たちが手と足を繋いで、一緒になってぶらぶら揺れ、まるで鞦韆に乗っているかのようだった。
楽しくなった猿たちは、交代で一番下に行って月の倒影を掬った。
「兄ちゃん見て! お猿さんたちが月を掬ってるよ!」
「昨日本で読んだ猿猴捉月の話は覚えているか?」
「うん!よく見てから動くように、何も考えないで行動するのは危ないよ、って話だよね。」
「その通り。賢いねぇ。」
兄弟は手を繋いで帰路についた。
隅に座っていた呉承恩は猿友達の頭を撫でた。「遊んできな。」
猿友達は嬉しそうに群れに加わり、楽しく月を掬い始めた。
紙と筆を取り出し、呉承恩は口に出しながら書いた。
「美猴王が師を求めるために遠出し、猿たちは退屈しのぎに、毎月の十五日に月を掬って楽しんだ・・・・・」
彼の横には知らぬ間に子猿が一匹座っていた桃を食べながら、呉承恩の物語に夢中になっていた。