【ストーリー】EPISODE 4-8 出せ

| - 出せ 絶叫ナイト! |
登場人物
男性A、B、アズール、男性B、オクタヴィネル寮生A、オクタヴィネル寮生B、フロイド、ジェイド
テキスト全文
── 魔法薬学室‐薬品庫 ──
???:「困りますねえお客さん……。」
男性A・B:「どきっ!!」
コツン
……
男性A:「だ、誰?ナイトレイブンカレッジの生徒っすか?」
アズール:「はい。同時に、ここの管理を任されている者です。」
アズール:「水槽の中にいるのは、いわく付きの人魚。見学をするのは自由ですが……」
アズール:「どうかくれぐれも刺激しないようにしてください。呪われても知りませんよ。」
男性A:「い、いわくつき……?」
アズール:「ええ……。」
パッ!
アズール:「ご存知でしょうか……その昔、珍しい人魚のマミーは非常に重宝されていました。」
アズール:「折れた骨を一瞬でくっつけたり、傷跡を消してくれたり、解熱剤になったり、腹痛を治したり……」
アズール:「万病に効く薬になると信じられていたんです。迷信にすぎないのに、愚かな話ですよね。」
アズール:「マミーにされてしまった人魚たちは当然人間を強く恨みました……。」
アズール:「凶悪なゴーストとなって復讐を始め、手に負えなくなった人間たちはやっと己の過ちに気付き……」
アズール:「命からがら、人魚の怨霊をこの魔法の水槽に閉じ込めたのです。」
アズール:「絶対にこの水槽を傷付けてはならない。学園に伝わるその教えを守るために僕たちは……」
アズール:「厳重に! 細心の注意を払って!指紋1つ付けないように!」
アズール:「……とーっても気を付けているんですよ。」
男性B:「へ、へえ〜。そそ、そうなんですかあ〜……。」
男性A:「あのー……ちなみになんすけどぉ……。」
男性A:「水槽に傷を付けたら一体どうなるんっすかね?」
アズール:「水槽に込められていた封印の魔法が解けてしまうでしょう。」
アズール:「一度鎮めたとはいえ、ゴーストの恨みは根深い。今でも人魚たちは復讐する機会を狙っています。」
アズール:「彼らの一番の目的は、人間から生気を吸ってこの世に蘇ることです。」
アズール:「もし、万が一にでも水槽が傷付けられて封印が解かれれば……」
アズール:「ここにいる全員カラカラになるまで生気を吸われ……」
アズール:「マミーの仲間入りでしょうね!」
男性A:「あ、あはは! まっさかー!おにーさん冗談きついっすわー!」
男性A:「……冗談だよね?」
男性B:「でもさ……今はハロウィーンだしもしかしたらワンチャンマジ話ってことも……。」
男性B:「それに……この人の真っ直ぐな目!嘘とかつけなさそうじゃね?」
アズール:「おや?顔色が優れないようですが大丈夫ですか?」
男性A・B:「えーっと……。」
アズール:「ご心配は要りません!」
アズール:「この水槽に傷でも付かない限り人魚のゴーストは蘇らない……」
アズール:「って、ええっ!!??」
アズール:「水槽にヒビが入っている!一体なぜ!?」
男性A・B:「それは……。」
アズール:「まさかあなたたちの仕業ですか?」
男性A:「ち、違くて! 自撮り棒が勝手に動いたんです! だから当たっちゃったつーか……。」
オクタヴィネル寮生A:「あ? 自撮り棒が勝手に?兄さん、そんなデタラメ通用すると思ってるのか?」
オクタヴィネル寮生B:「ここで自撮り棒の使用は禁止だっただろ。どう落とし前をつけてくれるんだ? ん?」
アズール:「どうしよう。このままではマミーが蘇ってしまう……。」
ガタガタ……ッ!!
男性A:「うわあっ! 突然動き出した!?」
男性B:「ほ、本当に人魚だったんだ!ということはさっきの話もマジ!?」
フロイド:「『ここからオレを出せ!!聞こえてんだろ! 出せ! 出せ!』」
フロイド:「『出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ出せ』」
フロイド:「『出せ」
フロイド:「……………』」
ドン!!!!
フロイド:「『出せぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』」
男性A・B:「うわーーーーー!鎮まれーーーーーー!!!」
アズール:「落ち着いてください。今すぐ水槽を元に戻さないと……」
パチッ
男性B:「ぎゃあっ!ちょ、なに! 停電!?」
パチッ
アズール:「あっ!水槽に封印されていた人魚がいない!」
男性A:「嘘……さっきまでそこに浮かんでたじゃん!」
アズール:「遅かったか……。」
オクタヴィネル寮生A:「きっと逃げ出したんだ。暗闇に潜んで僕たちを狙っているに違いない!」
アズール:「一度この部屋を出ましょう。このままでは僕たち全員マミーに……」
???:「ううー……うううぅーー……」
男性B:「な、なに!?今の音!」
男性A:「唸り声みたいな……。」
パチッ
アズール:「うわぁーーーーっ!!!」
パチッ
オクタヴィネル寮生A・B:「りょ、寮長ーーーーッ!」
オクタヴィネル寮生B:「寮長がマミーにされてしまう!誰か、早く先生を呼んできてくれ!」
オクタヴィネル寮生B:「他の寮長でもいい!もう俺たちの手には負えない……!」
男性A:「えっ! はっ!?それより俺たちを逃がしてくれ!」
???:「クルシイ……ミズヲ……ミズヲクレェ……。」
パチッ
オクタヴィネル寮生A・B:「うわあ~~~! いやだ、マミーにはなりたくない!助けてくれ~~~!」
ドスン! バタン!
パリーン!
男性A:「また停電! なんも見えねーんだけど!なにが起こってるんだ!?」
男性B:「もーいやだー! 自撮り棒なんか使うからこんなことになったんだよ!」
男性A:「気を付ければ大丈夫つったのお前じゃん!?人のせいにするとかマジないわ!」
パチッ
???:「人間だ……人間がいるぞ……」
ジェイド:「この渇き……苦しみ……お前たちにも味わわせてやる!」
男性A:「ぎゃーーーーっ!!」
男性B:「ま、マミーだ!本当に出た!!」
アズール:「う……うー……。」
男性B:「ひっ! さっきの人だ!マミーにされてる!」
男性A:「えっ、ちょい待ち……横にいるのは……。」
ジェイド:「ふう……。」
ジェイド:「このたびは僕の封印を解いてくださって誠にありがとうございます。」
男性A:「さっき水槽の中から消えた人魚と同じ顔!ってことは凶悪な人魚のゴースト!?」
男性A:「だ、誰か助けて!」
男性A:「なああんた、俺たちを逃してくれよ!」
アズール:「うー……うー……。」
ジェイド:「無駄ですよ。彼はもう僕の操り人形。なにもかも、僕の思うがままです。」
ジェイド:「そうですね?」
アズール:「ううー……。」
ジェイド:「腕を組んでください。」
アズール:「うー。」
ジェイド:「歌ってください」
アズール:「ま〜♪」
ジェイド:「踊ってもらえますか?」
アズール:「!?」
アズール:「……うー。」
ジェイド:「……どうです。申し上げた通りでしょう?」
男性A:「本当だ……音楽もないのに1人で踊ってる!不気味すぎるわ、マジこえー!」
男性B:「しかもキレッキレじゃん……あれは確実にマミーに操られてるわ。」
ジェイド:「ふふふ……」
ジェイド:「ですが僕が味わった苦しみはこんなものではありません。」
ジェイド:「陸に引き上げられ、包帯でぐるぐる巻きにされ日に日に体が干からびていくのを待つばかり……」
アズール:「うううー……」
アズール:「ううーーーっ!」
ジェイド:「こんな風に嘆いたところで誰も助けに来てくれない。とても苦しかった。」
ジェイド:「絶対に、ゴーストになっても復讐をしようと心に誓いました。」
ジェイド:「ですから、僕を放ってくれたあなた方にはとても感謝しています。」
男性A:「じゃ、じゃあ、俺たちは見逃してもらえる……!?」
ジェイド:「むしろお礼をさせてください!」
男性B:「お礼……?」
ジェイド:「ええ。お礼に……」
ジェイド:「僕たちの仲間に入れてあげましょう!」
ジェイド:「Boo!」
男性A:「うわーーーーっ!!」
男性A:「前が見えないっ。ちょ、なんだこれ!包帯が絡み付いてくるっ!」
アズール:「Boo!」
男性B:「離してくれーーー!!」
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