【ストーリー】EPISODE 5-41 本音リリース!

| - 本音リリース! 美貌の圧制者 |
登場人物
デュース、エペル、ヴィル
テキスト全文
── 海 ──
デュース:「ここには僕しかいない。思いきって大声で言いたいこと叫んでみろよ。」
デュース:「それだけでも、スゲースッキリするぞ!」
エペル:「うん…………わかった。」
エペル:「……………………」
エペル:「スゥーッ…………」
エペル:「そった急にめごぐなれって言われで、なれるわげねーべよ!」
デュース:「!!??」
エペル:「わーの地元は、人間よりベゴのほうが多いド田舎だし、わーは、農家の息子だや!!!」
エペル:「まんず訛んねーでしゃべるだげで精いっぱいだはんでな!」
エペル:「踊りだっきゃ、村の祭りと運動会のお遊戯でしかやったことねーんだはんで!」
エペル:「流行りの服だの、上品な仕草だの、そったのわがるわげねっきゃ!」
エペル:「つーがわーは、めごぐなりてぐねーんずよ!」
エペル:「わーは、逞しくて背たげくて、強い男さなりてーんだね。」
エペル:「ばっきゃろ~~~~~~~~~~!!!」
エペル:「はぁ……はぁ……っ! あ゛~~~~~~~~ッ!!」
エペル:「たげスッキリした!」
デュース:「な、なにを言ってるのか半分くらいわからなかった」
デュース:「何語……いや、もしかして訛りか!?」
デュース:「エペル、お前どこの出身なんだ……?」
エペル:「輝石の国の北のほうの山奥。豊作村っつーどご。」
エペル:「寮長が訛ってで伝わらねーはんで、人前であんまりしゃべるなって。」
エペル:「寮長、口開けば「訛るな、上品に「クン」つけで名前呼べ、大声出すな」って」
エペル:「もう、どひゃーいんずよ!」
デュース:「お前のこと、初対面からずっと気弱で無口なヤツだと思ってたんだが……。」
デュース:「本当は全然違ったんだな。ははっ。」
エペル:「だってよ、寮長の前でうっかり訛るとしばかれんだ。だから気軽に口が開けなくて。」
エペル:「制服のフリフリのシャツも、全部寮長の命令でいやいや着てるだけ。」
デュース:「えぇっ? 寮長命令で?」
デュース:「ハーツラビュルのように独自の法律があるわけじゃないのに、なんでそんなことに?」
エペル:「それは………9月の入学式の日…………。」
── 鏡の間 ──
ざわざわ
エペル:「(どご見でも、育ぢいいえふりこぎばりで好ぎでね)」
エペル:「(俺はこのナリだし、地元じゃナヨナヨしてて弱そうだってナメられてきた)」
エペル:「(まあそんなこと言うヤツは全員ぶっ飛ばしてやったけど)」
エペル:「(この学園でも、ナメられねぇようにしねぇと)」
ヴィル:「ちょっと、そこの新入生。」
エペル:「……あ? おめ、なんだば……。」
ヴィル:「入学早々伝統ある式典服を着崩すとはいい度胸ね。今すぐ首元のボタンをとめなさい。」
エペル:「(こい……ポムフィオーレの寮長?)」
エペル:「(こったナヨナヨした女みてぇなヤツの寮だっきゃ、絶対まいね)」
エペル:「(ひょろっと背でげーばって、サバナクローの寮長に比べればようぇーべ)」
ヴィル:「ふぅん。遠目からでも悪くないと思ってたけど……」
ヴィル:「アナタ、近くで見ると本当に可愛らしい顔をしてるわね。」
エペル:「は? 今なんてしゃべった?わーがナヨナヨして女みてーだってが?」
エペル:「おめもヒョロヒョロして、女みてーだべな!」
ヴィル:「──ああ、ダメね。全然ダメ。」
ヴィル:「アナタ、全然“なってない”。」
エペル:「ハァ?」
ヴィル:「着こなしも、振る舞いも……そもそも考え方にセンスがない。」
エペル:「なんなんず……その発言、後悔させでやるや。表さ出ろ!」
ヴィル:「はぁ……、この学園に選ばれる生徒ってどうしてこう血の気が多いのかしら?」
ヴィル:「まあいいわ。」
ヴィル:「ナイトレイブンカレッジ流の洗礼を与えてあげるのも先輩の役目よね。」
── 廊下 ──
エペル:「ぐはっ……!」
エペル:「なんだんずこい、魔法使ってねーのに、たんげつえ……!」
ヴィル:「いいこと、小さなジャガイモちゃん。この学園では弱者は強者に従うのがルールよ。」
ヴィル:「見たところ寮選別もまだのようだけど負けたからにはアタシに従ってもらう。」
エペル:「く、くそっ……!」
エペル:「(一体なにされるんだべが!? 有り金全部巻き上げられる? それとも、パシリだべが?)」
ヴィル:「まず、だらしなく外してる式典服のボタンを全部とめなさい。」
エペル:「……え?」
ヴィル:「さっさとしなさい!」
ヴィル:「次はベルトよ。たいして足が長くもないくせにそんなローウェストにゆるゆるにつけちゃって。」
ヴィル:「みっともないったらありゃしないわ!」
ギュッ!
エペル:「ぐえっ! く、くるしい!」
ヴィル:「それから髪! 櫛くらい入れたらどうなの。ボサボサでみすぼらしいったら。」
エペル:「そったごどいわれでも、櫛だっきゃ持ってねぇよ。」
ヴィル:「最後に言葉!もっと丁寧に喋りなさい。」
エペル:「は、はぁ!? わーの方言が、都会の言葉に劣ってるってな!?」
ヴィル:「指摘の意図を勝手にすり替えるのをやめなさい。」
ヴィル:「アタシはアンタの地元に対して言及したわけじゃなく、アンタの態度に対して物申してるの。」
ヴィル:「郷土愛に溢れてるのは結構だけどTPOへの配慮は必要よ。」
ヴィル:「目上の人に対してのしゃべり方が全然なってない。」
エペル:「ぐ、ぐぬぬ……。」
ヴィル:「この学園では、負け犬がガタガタ文句を言う資格はないわ。」
ヴィル:「反論があるなら、アタシに勝ってからにすることね。」
ヴィル:「さあ、返事は?」
エペル:「…………くっ……、はい。」
ヴィル:「フン。アンタがどこの寮に配属されるかは闇の鏡だけが知るところだけど、」
ヴィル:「せいぜいポムフィオーレに選ばれないように祈っておくことね。」
ヴィル:「このアタシ──ポムフィオーレ寮長ヴィル・シェーンハイトのお膝元へきた暁には、」
ヴィル:「今日のような振る舞いは一切許さないわよ。覚悟なさい。」
ヴィル:「さあ、さっさと言われたとおり服を整えて!入学式に戻るわよ。」
エペル:「ち、ちくしょ~…………。」
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