【ストーリー】EPISODE 5 入念な準備

| EPISODE ◆ 5 入念な準備 ハッピービーンズデー |
登場人物
カリム、ジャミル、ヴィル、ポムフィオーレ寮生たち、エペル、ルーク
テキスト全文
── スカラビア寮‐談話室 ──
カリム:「おう、ジャミル。まだ起きてるのか?」
ジャミル:「お前こそ。そろそろベッドに入らないと明日に響くぞ。」
カリム:「そうなんだけどさ。明日のこと考えるとワクワクして寝付けなくて……」
カリム:「ん?」
カリム:「なんかいい匂いがする。それ、明日の弁当か?」
ジャミル:「ああ。野外で食べるのにぴったりで、学友と共に楽しめるメニューにしたつもりだ。」
カリム:「流石はジャミル! 明日の昼食が待ち遠しいぜ。」
ジャミル:「普段と違って、俺が持っていくわけじゃないからな。寮に忘れていくなよ。」
カリム:「あ、そっか。オレたち去年は同じチームだったけど、今年は別々なんだっけ。」
カリム:「ジャミルと本気で鬼ごっこするなんて、何年ぶりだろう? 明日、すっげー楽しみだな!」
ジャミル:「ああ、そうだな。…………俺も楽しみだ。」
ジャミル:「フフフ……。」
── ポムフィオーレ寮‐談話室 ──
ヴィル:「寝る前のストレッチは、緊張した身体をほぐし血流を良くする効果があるわ。」
ヴィル:「そして副交感神経の活性化により、質の良い睡眠が得られるの。」
ヴィル:「明日は一日中走り回ることになる。今夜はしっかり休息をとること。いいわね。」
ポムフィオーレ寮生たち:「はい!」
ヴィル:「……それじゃあ、最後に足腰のストレッチよ。床に座って両足の裏をくっつけて、身体を前に倒す。」
エペル:「ぐ、ぐ、ぐぎぎ……ヴィルサン、まねんです。これ以上、せなが曲がりません!」
ヴィル:「エペル。背中を倒そうと考えるからそんな不格好なことになるのよ。」
ヴィル:「もっと股関節を開く!」
エペル:「そ、そんなこと言われても」
エペル:「……あいででで!」
ルーク:「おお……ムシュー・姫林檎。苦戦しているようだね。」
ルーク:「でも大丈夫。毎日ヴィルの指導でストレッチを続けていれば、すぐに柔らかくなるさ。」
ルーク:「ほら、この通り!」
エペル:「うわっ! ルークサン凄い!上半身がべったり床についてる。」
ルーク:「柔らかな関節と、しなやかな筋肉。ふたつが揃うことで、カモシカのごとき美しい走りが実現するのさ。」
ヴィル:「……あらルーク。アンタ、少し鍛えた?腿や肩が少しバルクアップしているような……。」
ルーク:「ウィ。明日のハッピービーンズデーにむけて、この1ヶ月ほど普段より高負荷のトレーニングを。」
エペル:「えっ、ハッピービーンズデーのために、わざわざ!?」
ルーク:「今年は念願叶って、ヴィルと競い合える。後悔がないよう、最高の状態で勝負に挑みたくてね。」
ヴィル:「ふっ……そういえば、いつも言ってたわね。「狩りに大切なのは、入念な準備だ」って。」
ルーク:「そうとも。しかも私は怪物チームで、ヴィルとエペルくんは農民チーム……」
ルーク:「ああ、キミたちを捕える瞬間の高揚感を想うと、」
ルーク:「今夜は眠れそうにないよ!」
ヴィル:「取らぬ狸の皮算用は程々にしておくことね。アタシを簡単に捕まえられると思ったら、大間違い。」
ヴィル:「狸を追っていたつもりが、熊に追われていた……なんてことになってから後悔しても、知らないわよ。」
ヴィル・ルーク:「フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ…………!」
エペル:「な、なんか怖い……。明日はこの2人には近付かないようにしておこう。」
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