【ストーリー】EPISODE 21 理想の立ち回り

| EPISODE ◆ 21 理想の立ち回り ハッピービーンズデー |
登場人物
アズール、ジャック、ルーク、トレイ
テキスト全文
── 学園裏の森 ──
ブィーン……
アズール:「──スキャン完了。このあたりに農民チームの姿はないようです。」
アズール:「1度落ち着いて作戦を立てましょう。」
アズール:「……それにしても、ジャックさん!あなた本当に僕の命令を聞きませんね!」
アズール:「あなたが不用意にフロイドを刺激したせいで、ラギーさんを失ってしまった。」
アズール:「それどころか、ジャックさん自身も脱落するところだったんですよ。」
ジャック:「グルルル……
あんたの指図を受ける気はねぇと最初に言っただろ。」
ジャック:「ここから先は別行動にしたっていいんだぜ!」
ルーク:「ふむ。私たちと出会うまでに……」
ルーク:「努力の君(ロア・ディ・フォート)とムシュー・タフガイには幾多の戦いがあったようだね。」
アズール:「どれもが必要性の薄い小競り合いばかりですよ。はぁ……。」
トレイ:「まあまあ。ヴィルやフロイドたちと鉢合わせたのに、
こうして無事に退却できたんだ。」
トレイ:「敵情視察と考えれば、悪い戦果じゃないさ。」
ルーク:「そうとも。怪物チームにとって重要なのは、農民チームを捕えることじゃない。」
ルーク:「我らにとっての勝利とは、竪琴の防衛だ。ならば任務は無事に遂行できていると言えないかい?」
アズール:「……そうですね。」
アズール:「現時点で、ゲーム開始からそれなりに時間が経過している。」
アズール:「そろそろコロシアムにある魔法の竪琴を奪還しにくる農民チームもいるはずです。」
アズール:「コロシアムを目指す農民チームを、あらかじめ
決めていたルートに追い立てて誘導。計画的に撃破。」
アズール:「これが怪物チームにとって理想の立ち回りです。」
トレイ:「パソコンやボードゲームによくある、「防衛ゲーム」と考えかたは同じだな。」
ルーク:「ウィ。あとは、先程のような奇襲をどれだけ避けられるかが大切になってくるね。」
ジャック:「奇襲か……。ヴィル先輩、朝から俺の行く先々に現れてる気がするぜ。」
アズール:「それは偶然ではなく、行動を予測されていたと考えるべきでしょう。」
ジャック:「えっ?」
ルーク:「アズールくんの言う通りさ。森で出会った獣と違い、我々はお互いを“知っている”。」
ルーク:「人物、場所、装備……全てが先の行動を予想する情報になりうるからね。」
トレイ:「つまり、ここにあまり長い時間留まっているのも得策じゃないってことだ。」
トレイ:「長話はこれくらいにして、次の行動を決めよう。」
トレイ:「どうする? 4人でまとまってコロシアムに戻り竪琴の守りを固めるか?」
ジャック:「俺はまだフィールドで狩りをするつもりだ。攻め入られるのをただ守るってのは、性に合わねぇしな。」
アズール:「ジャックさん、またあなたはそんなことを……」
アズール:「と、言いたいところですが。今回は僕も賛成です。」
アズール:「竪琴の守りを固める前に、仕留めておきたい相手もいるので。」
ルーク:「それは、ムシュー・計画犯……ジェイドくんのことかい?」
アズール:「ええ。ジャックさんと共にある程度校内を巡回しましたが、ジェイドはまだ一度も姿を見せていない。」
アズール:「アイツがなにも仕掛けないまま終わるとは思えない。絶対なにか企んでいるはずです。」
ルーク:「トレヴィアン! 彼はどんな攻撃を仕掛けてくるつもりなんだろう? ワクワクするね。」
トレイ:「おいおい、場合によっては脱落させられるかもしれないんだぞ。」
トレイ:「まあ、ジェイドはフロイドのように敵陣に単身で乗り込んで大暴れするようなタイプにも見えないが……。」
アズール:「“大暴れ”の質が違うだけで、あの2人はそっくりですよ。主にネジの外れかたが。」
アズール:「ジェイドよりフロイドのほうが、見るからにネジが緩んでいるぶんまだ親切です。」
アズール:「その点、ジェイドは…………たちが悪い。」
アズール:「あいつを見かけたら、刺激せず、目をそらさず、ゆっくりと距離をとることをおすすめします。」
トレイ:「自分の寮の副寮長を、まるで猛獣みたいに言うんだな。」
ルーク:「自分の寮の……といえば、トレイくんの盟友、ムシュー・マジカメの姿もまだ見ていないね。」
トレイ:「ケイトか……あいつ、ノリは良いがさほど行事に熱心なタイプでもないからな。行動が読みづらい。」
ジャック:「ケイト先輩といえば……さっきデュースを捕まえた時、」
ジャック:「「ケイト先輩たちは植物園方面へ向かった」ってリドル先輩に伝えてたぜ。」
トレイ:「う~ん……デュースのやつ。寮長を守ったことは評価できるが、」
トレイ:「敵チームに大声で情報を漏らすとは……。」
アズール:「ヴィルさん一行はその情報を頼りに植物園に向かったとみるべきでしょうね。」
ルーク:「では我々も後を追い、ヴィルたちにリベンジを果たすとしようか!」
アズール:「いえ、待ってください。ここは二手に分かれましょう。」
アズール:「怪物チームは団体行動をするメリットがあまり多くない。それに……」
アズール:「リドルさん自身、僕らに情報が漏れているとわかっているはずだ。」
トレイ:「確かに。情報漏えいを逆手にとって……というパターンもあり得るな。」
アズール:「はい。確かめたいこともありますし、僕は購買部方面へ向かいます。」
アズール:「ジャックさんは僕と来てください。」
ジャック:「わかった。」
ルーク:「では、薔薇の騎士(シュヴァリエ)と私は植物園に向かおう!」
トレイ:「ああ。それじゃあ、アズールたちも頑張れよ。」
アズール:「はい。お2人もどうぞご無事で。」
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