【ストーリー】EPISODE 23 僕はもう子どもじゃない

| EPISODE ◆ 23 僕はもう子どもじゃない ハッピービーンズデー |
登場人物
エペル、ヴィル、リドル、フロイド、リリア、マレウス
テキスト全文
── 学園裏の森 ──
ガサガサ……
エペル:「植物園に近付くほど、お肉の焼けるいい匂いが漂ってくる……」
ぐ〜きゅるる
エペル:「ううっ、よだれが出てきた。」
ヴィル:「気を引き締めなさい、エペル。今のアタシたちはいつ怪物チームに遭遇してもおかしくない状況なのよ。」
リドル:「そうですね。ケイトたちが植物園に向かったという情報は、怪物チーム側にも漏れている。」
ヴィル:「ええ。だから迂回して裏側から……」
フロイド:「!!」
フロイド:「シッ! 黙って。」
!!
シュビビビビビ!
リリア:「どうしたどうした! よく狙え!」
リリア:「そんな」
リリア:「ハエの止まりそうな豆ではわしに当てることなど夢のまた夢じゃ!」
マレウス:「リリアこそ」
マレウス:「、さっきから逃げ回ってばかりだ。そんな遠くにいては僕を捕まえることはできないだろう?」
マレウス:「もっと側へ。」
マレウス:「それとも、怖いのか?」
リリア:「くふふ。言うようになったのう。ではもう少し本気を出してやるとしよう!」
マレウス:「フッ……僕はもう子どもじゃない。」
マレウス:「手心は無用だ、リリア!」
ドガガガッ!
エペル:「あれは……マレウスサンと」
エペル:「、リリアサン!」
ヴィル:「まさかこんなところで」
ヴィル:「ディアソムニアの寮長と副寮長の一騎打ちに遭遇するなんて。」
リドル:「す、すごい。」
リドル:「2人の動きが早すぎて、目で追うのが精一杯だ!」
エペル:「僕たちの位置どりなら、怪物チームのリリアサンの背後をとれます。マレウスサンに加勢しましょう!」
フロイド:「やめときな、グッピーちゃん。」
エペル:「フロイドサン! せっかくのチャンスなのに、どうしてですか?」
フロイド:「ウミウシ先輩もメンダコちゃんも、今はお互いに気ぃとられてオレらに気付いてないけど……」
フロイド:「気付かれたら、メンダコちゃんはまずオレらを仕留めようとするはず。」
エペル:「えぇっ?」
フロイド:「驚くようなこと? 集団が相手なら、まず弱いやつから仕留めて頭数減らすのは鉄則でしょ。」
エペル:「弱いって……僕らが?」
エペル:「リリアサンよりも僕らのほうが、装備も人数も揃ってます。」
ヴィル:「リリアは」
ヴィル:「華奢に見えて、体力育成の成績は3年生の中でもトップクラス。」
ヴィル:「ハッピービーンズデーでも毎年終盤まで生き残ってる猛者よ。」
リドル:「シルバーとセベクも」
リドル:「「リリア先輩は自分たちの武芸の師匠だ」とよく言っています。」
リドル:「年長者を尊敬するがゆえの発言だと思っていましたが……。」
ドガガガッ!
リリア:「どうした、マレウス! そのように腰が引けていては、次期当主の名が泣くぞ!」
マレウス:「リリアこそ、年甲斐もなくはしゃぐな。息が乱れ始めているぞ。ゆっくり休んだらどうだ!」
ズバババッ!
リドル:「リリア先輩のあの戦いぶりを見ていると、シルバーたちの発言が誇張でないことがわかる。」
フロイド:「だねぇ。寮長のウミウシ先輩と互角どころか、すばしっこいぶんチョイ押してる。」
ヴィル:「リリアの実力は、このアタシにも未知数。不用意に手を出せばこちらが痛い目をみることになりそうね。」
フロイド:「ウミウシ先輩がメンダコちゃんの相手を引き受けてくれてんなら、オレらは先に進もーよ。」
リドル:「……意外だ。キミなら面白がって戦いに割り込んでいくかと思っていたよ。」
ヴィル:「勝利への欲が出てきたのかしら?」
フロイド:「ん~、別にそういうわけじゃねぇけど。」
フロイド:「あんだけ盛り上がってるとこに割り込むの、オレもあっちもシラけそうだなってだけ。」
マレウス・リリア:「ふはははははは」
マレウス・リリア:「はははははは!!!」
エペル:「うっ……た、戦いながら楽しそうに笑ってる。」
ヴィル:「あの2人に気付かれないようこっそり脇を抜けて、植物園を目指しましょう。」
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