【ストーリー】EPISODE 33 普通に嫌ですけど……

| EPISODE ◆ 33 普通に嫌ですけど…… ハッピービーンズデー |
登場人物
ヴィル、オルト、イデア、ルーク、トレイ
テキスト全文
── 購買部前 ──
タッタッタッタ……!
ヴィル:「はぁ、はぁ……フロイドたちは無事に逃げられたかしら。」
ヴィル:「せっかく集めたパーティーがバラバラ。結局最後に頼れるのは己のみ、ね。」
ヴィル:「……ハッ! そこにいるのは誰!?」
オルト:「やあ、こんにちは!ヴィル・シェーンハイトさん。」
ヴィル:「オルト!アンタがここにいるってことは……。」
イデア:「ヒ、ヒィ〜〜……見逃してくだされ、見逃してくだされぇ……。」
ヴィル:「イデア!よく見て、アタシはアンタと同じ農民チームよ。」
イデア:「いや、外の人間は敵味方関係なく全員もれなく怖いですし……。」
イデア:「ああ、なぜ安全な中立地帯から外へ出ねばならないのか……。」
オルト:「なに言ってるの、兄さん。」
オルト:「購買部に来たジャックさんがドリンクのビンを割ってしまって……」
オルト:「ばらまかれたドリアンジュースの臭いに耐えられず、自分から逃げ出したんじゃない。」
イデア:「そりゃ最終的には自主的に出てきましたよ?」
イデア:「でも、元はと言えば購買部にジェイド氏さえ来なければ……」
イデア:「拙者の安全なシェルターがアラバスター値バリ高の激臭に包まれることもなかったのに……ブツブツ…。」
ヴィル:「ジェイド? 今ジェイドって言った?」
ヴィル:「あの男がここへ来たの?」
イデア:「え、うん……。ケイト氏とはぐれたって言ってたけど……。」
ヴィル:「!!」
ヴィル:「あの2人、一緒に行動してたのね。点と点が繋がってきた。」
ヴィル:「ちょうどパーティーを失ったところだったの。イデア、アタシと一緒に来なさい。」
イデア:「え……普通に嫌ですけど……。」
ヴィル:「YESかNOかは尋ねてないわ。「来なさい」と命令したの。」
イデア:「もっと嫌だが!? なんなの!? この学園の寮長たち……みんな性格に難ありすぎでは?」
オルト:「でも、出場資格がない僕は兄さんの援護を禁じられてるし……」
オルト:「1人でいるより、ヴィルさんと一緒に行動したほうが兄さん自身、安全かもしれないよ。」
イデア:「そ、そりゃね? ヴィル氏見るからにゴリゴリのアタッカーだし、守ってくれそうではあるけど……」
ヴィル:「!!」
ヴィル:「イデア、危ない!」
ドンッ!
シャッ!!
イデア:「うぎゃーーーっ!? なに? なになに?」
イデア:「なんかラケットみたいなものが草むらから飛び出してきた!」
ルーク:「気配は完全に消していたつもりだったが……フフ、おさえきれない胸の鼓動が伝わってしまったかな?」
ヴィル:「来たわね……怪物チーム!」
イデア:「イヤーーーーーッ!!」
イデア:「腹にイチモツありそうで近付きたくない副寮長ランキング上位(※僕調べ)のルーク氏とトレイ氏!」
トレイ:「なんだか、勝手に不名誉なランキングにノミネートされてるな……。」
イデア:「い、いやだ……この2人に追われて日差しの下を全力で走り回るなんて嫌すぎる」
イデア:「……………」
イデア:「か、かくなるうえは」
イデア:「…………。」
イデア:「拙者、降参します! 捕まえてください!」
オルト・ヴィル:「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
ヴィル:「アンタなに言ってるのよ、イデア!」
オルト:「そうだよ、兄さん!せっかくここまで生き残ったのに!」
イデア:「フヒヒッ………逆だよオルト。」
イデア:「この時間まで生き残ったから、今捕まっても体力育成の成績が減点されることはない!」
イデア:「さらに拙者がこの行事に強制参加させられるのは3年生である今回まで。」
イデア:「つまり勝ち逃げだ〜! デュフフッ!」
ヴィル:「さ、最悪な考え方すぎる……!」
イデア:「合理的、と言ってほしいですなぁ……ヒ、ヒヒッ。というわけで拙者は降参!」
イデア:「トレイ氏、早く捕縛してくだされ。」
トレイ:「え、えぇ〜〜? 最後の大会のシメがそれでいいのか? ……まあ本人がいいならかまわないが……。」
イデア:「では、拙者はこれにて失礼いたしますぞ!」
イデア:「シュバッ!」
ヴィル:「くっ……普段よりハキハキしゃべって素早く立ち去っていくのが、より腹立たしい……!」
ヴィル:「大会が終わったら覚えてなさい、イデア!」
ルーク:「ヴィル……怒りに燃える横顔も美しいよ。でも……」
ルーク:「あまりよそ見ばかりしないでおくれ!」
シュバッ!
ヴィル:「ハッ! いきなり本気ね。余裕がない奴は、嫌われるわよ。」
ルーク:「トレイくん……ここから先は手出し無用だ。」
トレイ:「あ、ああ……わかった。」
ヴィル:「人数というアドバンテージを捨ててわざわざ1対1で挑んでくるなんて……」
ヴィル:「アタシを馬鹿にしてるのかしら?」
ヴィル:「——後悔しても知らないわよ。」
ルーク:「ふふふ。馬鹿になどするものか。キミとの勝負を大切にしたいと思っただけだよ。」
ルーク:「ついにこの時がきたね。毒の君(ロア・ドゥ・ポアゾン)……さあ!」
ルーク:「誇りと、拳と、豆をぶつけあい……」
ルーク:「……正々堂々と戦おう!」
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