【ストーリー】EPISODE 3-7 タワーバゲット

| EPISODE ◆ 3-7 タワーバゲット 魅惑バザール! |
登場人物
ナジュマ、ジャミル、トレイ、ケイト、マレウス、グリム
テキスト全文
── 熱砂の国‐ラクダバザール ──
ナジュマ:「シルキーメロン、おいしかった~。さ~て、次はなにをおねだりしようかな~。」
ジャミル:「やれやれ……まだ食べるのか……。」
トレイ:「パンを扱う屋台が多いな。焼きたての香ばしい香りが食欲をそそる。」
ナジュマ:「この国って、パンが主食なんですよ!」
ジャミル:「路肩の小さなベーカリーにも、パン焼き釜があって、焼きたてのパンが楽しめます。」
ジャミル:「出来たばかりの香ばしいパンは、格別の味ですよ。」
ケイト:「丸いパン、四角いパン、細長いパン、ふっくらしたもの、カチカチに固そうなもの……。」
ケイト:「形も大きさもトッピングも、いろんなパンがある!」
ケイト:「目移りしちゃうな~♪」
マレウス:「あそこには、子どもの背丈ほど大きなバゲットがあるぞ。」
ケイト:「うわ! ホントにデカい!」
ナジュマ:「タワーバゲットっていうんです。あれも花火大会名物なんですよ。」
ジャミル:「熱砂の国では、大きいバゲットを食べると、一生食べ物に困らないと言われています。」
ジャミル:「花火大会の伝承に出てくる青年が、お腹を空かせた子どもたちに、パンを分け与えた……」
ジャミル:「という伝説が、由来となっているんです。」
ジャミル:「そこから祭りの日には、縁起物として多くの屋台で売られるようになりました。」
グリム:「こんな大きなパン、見たことない!」
グリム:「食べ応えありそうなんだゾ! いただきまーす!」
ナジュマ:「あっ! 1人で食べ始めちゃった……。」
グリム:「もぐっ……ウマい!」
グリム:「うー、食べても食べても全然なくならない……。ウマいけど、飽きてきたんだゾ……。」
ナジュマ:「やっぱり〜。」
ナジュマ:「このパンは、1人で食べる用じゃないんだ。みんなでちょっとずつ、分けて食べるの。」
グリム:「ユウ、残りを食べてくれ。」
選択肢:
├ [ わかった ]
└ [ 全部は食べられないかも ]
トレイ:「仕方がない。俺たちも一緒に食べてやるか。」
ケイト:「でも、この大きさのパンをそのまま食べたら、グリちゃんみたいに飽きちゃうんじゃない?」
ジャミル:「それなら、店先にあるジャムを付けて食べてみてください。」
ジャミル:「特産品がフルーツなので、それらの加工品も名物です。特にアプリコットジャムは有名ですよ。」
ジャミル:「すごく美味しいので、みなさんもぜひ。」
ジャミル:「はい、ジャムをどうぞ。」
トレイ:「ありがとう。それじゃあ……」
トレイ:「ぱくっ。」
トレイ:「なるほど、甘くておいしいな。」
トレイ:「大きな杏が果実のままで、しっかりと残っていて、フルーティーだ。」
マレウス:「果実の酸味も感じるが、それにも増してとにかく甘い。」
ケイト:「そ、そんなに甘いの……?」
マレウス:「あぁ。これはパンがすすむな。」
ナジュマ:「家でもこのジャムをよく使ってますよ。」
ナジュマ:「私、甘い物大好きで何枚も食べちゃうんです!」
ナジュマ:「はい、ケイトさんもどうぞ!」
ケイト:「えっ!?」
ケイト:「それも美味しそうだけど、けーくんは別の物を付けようかな~……。」
ケイト:「これなに?」
ジャミル:「こちらは、焼きナスのペーストです。」
ジャミル:「みずみずしい野菜も特産品ですから、これもお勧めですよ。」
ケイト:「それじゃぁ……」
ケイト:「ぱくっ。」
ケイト:「あっさりしていておいしい!ヨーグルトも混ざってるね、これ。」
グリム:「どれどれ……」
グリム:「ぱくっ。」
グリム:「ウマいウマい!コレならいくらでも食べられるゾ!」
ジャミル:「さっきもう食べられないとか言ってたのに、本当に調子の良いヤツだな、グリムは……。」
ナジュマ:「私も、いただきまーす!」
ジャミル:「ナジュマ、食べる前にちゃんと手を拭け。」
ジャミル:「ほら、ウエットティッシュだ。」
ナジュマ:「もー、子ども扱いしないでよ!」
トレイ:「面倒見がよく気が利くな、ジャミルは。」
ケイト:「ちょーっと、過保護過ぎる気もするけどね。」
マレウス:「焼きたてはうまいな。バイパーの家にも
ベーカリーのようにパン焼き釜があったのか?」
ジャミル:「俺の家にあるのは普通のオーブンです。釜を使い
たいときには、カリムの家で借りていました。」
ジャミル:「出来立ては格別のおいしさですし、大きさや形を自由に作れるのも、子どもの時は楽しみでした。」
ナジュマ:「そうそう。私、初めてパンを焼いた時、焦がしちゃったんだよね。」
ジャミル:「仕方ないさ。パン焼き釜で作るのは難しい。」
トレイ:「俺も子どもの頃、オーブンでパイを焦がしたし、気持ちはわかるな。」
トレイ:「残念だったね、ナジュマちゃん。」
ナジュマ:「がっかりでしたよー。泣きそうでしたもん。」
ナジュマ:「でも、焦げたパンを使って、ジャミルがハンバーグを作ってくれたんだ。」
グリム:「ん? 焦げたパンがハンバーグに?どうやったんだ?」
ジャミル:「焦げのひどい部分を削って、残りをつなぎのパン粉の代わりにしたんだよ。」
ナジュマ:「あれ、おいしかったなー。」
ジャミル:「あのまま捨てるのも勿体なかったからな。」
ジャミル:「それにナジュマが失敗でめげたら、俺ばかりパンを焼き続けることになる。」
ナジュマ:「はいはい。おかげで、今でもパンを焼くのは好きですよ。」
ケイト:「いいお兄ちゃんだね~。」
ジャミル:「……そういうわけじゃありません。」
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