【ストーリー】EPISODE 3-1 なんでも頼ってくれ

| EPISODE ◆ 3-1 なんでも頼ってくれ 遭遇デンジャラス! |
登場人物
シルバー、ジャミル、ゴーストA、ゴーストB、ゴーストC
テキスト全文
── 異空間‐禁断の研究室 ──
シルバー:「研究所の中にあった扉を開けただけなのに……」
── 異空間‐幽玄の渓谷 ──
シルバー:「まさか建物の中から、いきなり山の中に出るとは!」
シルバー:「元いた研究所は、扉を閉じると同時に消えてしまった。」
ジャミル:「ゴーストの世界、本当になんでもありだな。いちいち驚くのが馬鹿らしくなってくる。」
シルバー:「用心するに越したことはない。まずはさっきと同じようにこの場所を調べてみよう。」
ジャミル:「城壁なのか、廊下なのか分からないが、長い建造物が霧の向こうまで続いている。」
ジャミル:「不思議な建物だ。熱砂の国出身の俺からすると、馴染みのない建築様式というか……。」
シルバー:「奥に滝が見えるぞ。ここは渓谷だろうか。」
シルバー:「水の心配はしなくて良さそうだ。これならば、1ヶ月以上この場所で迷っても問題ない。」
ジャミル:「おい……冗談はやめてくれ。俺は1ヶ月もここで生活するつもりは無いぞ!」
シルバー:「冗談? 俺はなにかおかしなことを言っただろうか。」
シルバー:「『ハロウィーンを終わらせ隊』の任務が長期に渡る可能性も、十分あると思ったんだが。」
ジャミル:「それでまず水の心配を?」
ジャミル:「研究室で水槽を調べたときにも思ったが、君は時々発想が野生的になるな。」
シルバー:「ああ。野山で生き抜くための知識なら人並み以上にあるつもりだ。なんでも頼ってくれ。」
ジャミル:「頼りにしてないわけじゃないが……お前と話してるとどうも調子が狂う。」
シルバー:「下に水面が見える。飲み水になるか、降りて確認しよう。」
ジャミル:「水面に花が咲いているな。これは確か……」
シルバー:「蓮だな。親父殿が送ってくれた絵葉書で見たことがある。」
シルバー:「水が豊かな東方の地で見られる風景だと教えてもらった。」
ジャミル:「ゴーストの世界を見てきたという親父さんだな。東方の国にも行ったことがあるのか。」
シルバー:「ああ、親父殿は旅行が好きなんだ。だからとても物知りで、俺に海外の話をよく聞かせてくれる。」
ジャミル:「へえ……いいな、興味深い。俺もいつか東方の国に行ってみたいと思ってたんだ。」
シルバー:「そうなのか?」
シルバー:「ならば親父殿から聞いた中でも
とっておきの、素敵な話がある!」
シルバー:「見ろ。水面に、蓮の葉がたくさん浮かんでいるだろう。」
ジャミル:「ああ。月の光を浴びて、とても綺麗だな……。」
シルバー:「東方では、あの葉を踏んで水の上を駆け抜けることができれば、一人前の武人だと認められるらしい。」
ジャミル:「騙されてる!」
ジャミル:「水に浮いたただの葉っぱの上を走れるわけがないだろう。親父さんに騙されてるぞ!」
シルバー:「騙す? 親父殿は、水の上に浮かぶ木の葉の上も走ってみせるぞ。」
ジャミル:「何者なんだ、シルバーの父親……。」
シルバー:「俺は習得できていないんだ。
まだまだ半人前ということだな。」
シルバー:「……そういえば、頭上にある紙で作られたランタンも、父の話に出てきたものによく似ている。」
シルバー:「東方の国のとある英雄が、ランタンの綱を使って王の命を守ったと、聞いたことがある。」
ジャミル:「英雄?」
シルバー:「ああ。魔法士ではなかったそうだが、幼い頃に俺が影響を受けた、すごい人なんだ。」
シルバー:「その昔……」
シルバー:「ん? なにか聞こえる。」
???:「いーっひっひっひ!!」
ジャミル:「この声は……隠れろ!」
ゴーストA:「こ~んなにたくさん、鏡の欠片を見つけましたぞ!」
ゴーストB:「大勢で手分けして、方々探し回ったかいがあったなあ。」
ゴーストC:「鏡の欠片をたくさん集めて持って行けば、
あのお方もお喜びになるに違いない!」
シルバー:「ゴーストだ。鏡の欠片を大切そうに持っている。」
ジャミル:「探し回った? アイツらも鏡の欠片を元々持っていたわけじゃないのか。」
シルバー:「苦労して見つけたみたいだな。よほどハロウィーンパーティーに必要なものなのだろう。」
シルバー:「俺たちも、この渓谷で鏡の欠片を探した方がいいかもしれない。」
ジャミル:「いや……それよりも……。」
シルバー:「!? ジャミル、なにを……!?」
ジャミル:「おい、ゴースト!」
ゴーストA:「い、生きている人間!?
あのお方の元に連れていかねば!」
ゴーストB:「ゴーストの恐ろしさを思い知らせてやる!」
ジャミル:「ふっ……かかって来い!」
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