【ストーリー】EPISODE 3-6 宝の山ですよ!

| EPISODE ◆ 3-6 宝の山ですよ! 豊作マーケット! |
登場人物
グリム、エペル、ジェイド、セベク、イデア
テキスト全文
── 豊作村‐林檎広場 ──
グリム:「オレ様、もっとアップルパイが食いたい!」
エペル:「巨大アップルパイは1回しかもらえないけど、普通のアップルパイなら売っているよ。」
ジェイド:「あちこちにパイの屋台が、たくさん出店していますね。」
エペル:「あ〜〜どれにしようか迷うなあ!」
エペル:「パイの包み方や中に入れる林檎の品種、調理方法なんかは、それぞれの屋台で工夫をしてるんです。」
セベク:「ほう。屋台ごとに味が違うのか。」
エペル:「村の人たちには、それぞれに自分が気に入ったアップルパイの作り方があるんだ。」
エペル:「お店だけじゃなく、各家庭によっても作り方は違うんだよ。」
エペル:「林檎をざく切りして生地に入れる人もいれば、半分に切ったのをトッピングする家庭もあるし」
エペル:「生に近いシャキシャキした食感にする人も、長時間甘く煮込んでトロトロ食感にする家もある。」
グリム:「ウマそー! 全部食いたいんだゾ!」
エペル:「林檎以外にも色んなフルーツパイが食べられているんだけど、アップルパイは特別。」
エペル:「「美しき女王がこよなく愛した」と言われていて村人全員が大好きなんだ。」
エペル:「最寄りの市街地には、豊作村産の林檎を使ったアップルパイを売りにしたお店がたくさんあるよ。」
エペル:「あんまりにも美味しいから、『どんな人もよだれを垂らすアップルパイ』って評判なんだ。」
エペル:「誰かに難しい頼み事をする時に、豊作村のアップルパイを持って行けば」
エペル:「その味の虜になって依頼を引き受けてもらえる……なんて言われているんだよ。」
ジェイド:「ふふ、そう言われているのも納得できるくらい美味しいです。」
セベク:「随分誇らしそうだな。林檎に対する、村の者たちの自信が伝わってくる。」
エペル:「うん。豊作村の林檎はとっても品質がいいからブランド化しているんだ。」
エペル:「人気があるから、本当はもっとたくさん作りたいんだけど……」
エペル:「村の高齢化が進んでいるから難しいんだよ。お年寄りは農作業をするのもたいへんだから。」
エペル:「村の若い子って言ったら、僕か、最近うちに生まれたいとこみたいな赤ん坊が数人だけ。」
エペル:「人手が足りないなら、化学肥料やバイオテクノロジーをもっと使った方が楽になるって僕は思うんだけど」
エペル:「お年寄りの中には、そういうものは危ないっていう偏見を持っている人も多いんだ。」
エペル:「使い方によっては、品質や生産性の向上に役立つんだけどね……。」
ジェイド:「高齢者の方々が、新しい技術に対応するのは大変でしょうね。」
エペル:「そうですね。でも僕は、みんなが住みやすい豊作村にしたいんです。」
エペル:「だからナイトレイブンカレッジで、もっと薬学の勉強をして、村に貢献できたらなって。」
エペル:「村の農作業が、今よりもっと楽になって、みんなが安心できるような方法を見つけたいなと思ってます。」
ジェイド:「エペルくんは、将来のことをちゃんと考えているんですね。」
グリム:「おい!それよりオレ様、もっとなんか食いたいんだゾ。」
セベク:「あっちで、ベリーやチェリーを売っているな。」
エペル:「あれは屋外市場で量り売りをしているんだ。見に行こう。」
エペル:「カラフルなベリーや、青々とした野菜や山菜、新鮮なキノコ類……」
エペル:「様々な山の幸が売っています。」
エペル:「買った果物をこの場で絞って、ジュースにしてくれたりもしますよ。」
ジェイド:「すごいですね。山菜が積み上げられています!」
ジェイド:「ブレンネスラ、キッシュコール、オルムブンケ、マイトホルスマ、ラムスローク……」
ジェイド:「ウィギンツリー、ラムソン、グロブラッド、オーケルフレーケン……!」
ジェイド:「感激です。まるで宝の山ですよ!」
セベク:「……な、なにを言っているのかさっぱり分からん。何かの呪文のようだ。」
イデア:「ほ、本当……モンスターかロボット兵器の名前かと思ったっすわ。」
エペル:「この辺りでは山に生えている草花を自由に摘んで
いいんです。持ち主がいる森でも、公有の山でも。」
エペル:「だから、地元の人がお金を出して山菜を買うことはありません。」
エペル:「この山菜は、お祭りに来た観光客向けの商品です。」
グリム:「誰でも自由に採っていいのか!?オレ様、山菜採りとキノコ狩りやりたい!」
グリム:「モルン山中の山菜を食べてやるんだゾ!エペル、連れてってくれ!」
エペル:「こういう困った考えの人もいるから、山菜やキノコが群生している穴場は、みんな他人に教えないんだ。」
エペル:「みんなで少しずつ採らないと、すぐに山の幸が採れなくなっちゃうからね。」
グリム:「ちぇっ、つまんねーんだゾ。」
エペル:「それに、春から夏じゃないと出来ないよ。冬山は危ないから。」
ジェイド:「そう。僕も山菜採りやキノコ狩りを楽しみたかったので残念ですが……」
ジェイド:「雪の山は危ない。舐めてはいけません!」
イデア:「なにポジからのなにアドバイス?」
ジェイド:「ですので、ここでたくさん買って帰りましょう。」
ジェイド:「トラット・カンタレラ、カール・ヨハン、トランペットスバンプ……!」
ジェイド:「こんなにたくさんの山菜やキノコを見られるなんて!」
イデア:「はぁ……興奮してるマニアにはドン引きですわ。」
エペル:「ジェイドサンも、イデアサンにそんなことを言われるとは思ってなかっただろうな……。」
グリム:「ここの屋台は、なにを売っているんだ?」
グリム:「ウニャ! この魚、干からびてるゾ!」
セベク:「よく見ろ。それは干からびているんじゃなくて、乾物だ。」
グリム:「ウニャ……本当だ!」
エペル:「昔は、今のように道が整備されていなくて冬場は食料の調達がとても困難だったんだ。」
エペル:「魚や肉といった生鮮食品を食べたくてもなかなか手に入らない……。」
エペル:「そこで冬場の間、長期保存するために食料を乾燥させるようになったんだよ。」
エペル:「今では生鮮食品も気軽に手に入るようになったけど、乾物はそのまま名産になったんだ。」
グリム:「すっげーウマそうなんだゾ!」
エペル:「乾物はそのまま食べずに、火で炙ったりすると中にある旨味が出てくるよ。」
エペル:「出汁を取ったりしても美味しいし、色々な料理に使えるんだ。」
エペル:「保存がきくから、お土産にしても喜ばれるしね。」
グリム:「よし! オレ様、お土産に買っていく!」
エペル:「へぇ。誰へのお土産?」
グリム:「オレ様からオレ様へのお土産なんだゾ!」
エペル:「……だと思った。」
セベク:「僕もマレウス様やリリア様へのお土産を買わねばならないな。」
セベク:「……シルバーにも、まぁなにか渡してやるか。」
エペル:「では、これからみなさんのお土産を探しに行きましょうか。」
エペル:「観光地ではないので、お土産らしい物がたくさん売っているわけではありませんが……」
エペル:「美味しい食べ物や、村の人たちが丹精込めて作った民芸品が売っていますよ。」
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