【ストーリー】EPISODE 7-12 向後プラン!

| EPISODE ◆ 7-12 向後プラン! 深淵の支配者 |
登場人物
マレウス、リリア、セベク、シルバー
テキスト全文
── 大食堂 ──
マレウス:「──落ち着け、セベク。食事の席だぞ。」
リリア:「マレウスの言う通りじゃ。それに、もう決めたことよ。」
セベク:「そ……そんな…………。」
セベク:「信じられません。リリア様が……」
セベク:「魔力を失い、この学園をッ、」
セベク:「ご……ご退学なさるなどッ!!!」
リリア:「そう大袈裟に騒ぐでない。年々わしの魔力は弱まっていた。」
リリア:「それこそお主らが生まれる前から徐々に、じゃ。」
リリア:「時がきた。それだけのことよ。」
マレウス:「………………。」
シルバー:「では今朝魔法を使わずに走ってこられたのも、もしかして……」
リリア:「左様。情けない話じゃが、もう魔法を使って移動をすることもかなわぬ。」
シルバー:「そんな……」
リリア:「……わしも、在学中の4年くらいは保つだろうと思っておった。」
リリア:「予想より、少しばかり早かったな。」
マレウス:「…………………………」
マレウス:「これから、どうするんだ。」
リリア:「東方にある、赤竜(せきりゅう)の国へ移住するつもりじゃ。」
セベク・シルバー:「えっ!?」
シルバー:「そんな……赤竜の国なんて、この星の裏側じゃありませんか。」
リリア:「なに古代人みたいなこと言っとる。」
リリア:「確かにわしがかの国を訪れた頃は箒か船でしか渡航手段はなかったが……」
リリア:「今は飛行機に乗ってビューンで到着じゃわい。」
リリア:「……もともとこの学園を卒業したとしても、わしは茨の谷には戻らないつもりでいた。」
マレウス:「──は?」
シルバー:「何故です? 茨の谷は親父殿の故郷ではありませんか。」
セベク:「しかも、谷にとってリリア様はなくてはならない御方です!」
リリア:「だからじゃよ。」
リリア:「老後は鶏の世話でもしながらのんびり暮らそうと思っていたが……」
リリア:「何せしがらみが多くてなぁ。」
リリア:「茨の谷にいると、何かと理由をつけてわしを働かせようとする奴らが多い。」
リリア:「特に現女王のマレフィシア様は人使いが荒いからのう~!」
マレウス:「……おばあさまにはリリアを頼らないよう、僕から進言しよう。だから……」
リリア:「よいよい。冗談じゃ。」
リリア:「昔1度だけ赤竜の国を訪れた時、わしはある重要な使命を帯びていた。」
リリア:「食事や観光をのんびり楽しむ時間もなくてのう。それがずっと心残りだったのだ。」
リリア:「理由はそれだけ。」
リリア:「ただのジジイの我儘じゃよ。そう深刻そうな顔をするでない。」
セベク・シルバー:「…………………………。」
シルバー:「俺やセベクは、赤竜の国を訪ねることも難しくないでしょう。」
シルバー:「ですが、マレウス様は!」
マレウス:「やめろ、シルバー。」
マレウス:「リリアがそう決めたなら、僕たちに止める権利はない。」
リリア:「……ありがとう、マレウス。」
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