【ストーリー】EPISODE 7-21 回想トイ!

| EPISODE ◆ 7-21 回想トイ! 深淵の支配者 |
登場人物
マレウス、リリア
テキスト全文
── ディアソムニア寮‐談話室 ──
リリア:「そやつをお主にやったのは、確か……」
リリア:「シルバーがようやくつかまり立ちをし始めた頃だったような……」
リリア:「まだ遊んでおったのか。」
マレウス:「やめ時がわからなくてな。気付けば習慣になっていた。」
マレウス:「何度か故障したが、そのたび修理させている。」
リリア:「なるほど。」
リリア:「スマホなどの精密機器はお主の発する魔力や雷撃で再起不能になりがちだが……」
リリア:「ドラコーンくん(こやつ)は部品交換などが手軽でチープなオモチャ。」
リリア:「それゆえ、逆に長持ちしておるのじゃな。」
マレウス:「なんだ、今度はフンの掃除か?」
マレウス:「仕方のないやつだ……。」
リリア:「くふふっ。」
マレウス:「なにを笑っている?」
リリア:「最初にドラコーンが寿命を迎えた日……」
リリア:「お主が城を抜け出してわしの家へやってきたのを思い出した。」
リリア:「ひどく狼狽えた様子で」
リリア:「「リリア。朝になったらドラコーンが居なくなって、卵が残されていた。どうしたらいい」」
リリア:「……とな。」
リリア:「くふふっ。」
マレウス:「あれは……」
マレウス:「最初は必ず別れがくる仕組みだと知らなかっただけだ。」
マレウス:「玩具に寿命が設けられているとは思いもしなかった。」
マレウス:「どれだけマメに世話をしても……」
マレウス:「ドラコーンは30日足らずで卵を残して居なくなってしまう。」
マレウス:「人間はなぜ、こいつをそんな風に作ったのだろうな。」
リリア:「ふむ。30日では短いと?」
マレウス:「長い短いというより、ドラコーンは架空の……」
マレウス:「御伽(おとぎ)のための存在だろう?」
マレウス:「ならば生命(いのち)の期限を設けずとも良いのではないかと……」
マレウス:「そう思ったんだ。」
リリア:「なるほど、確かに。」
リリア:「お主の言う通り誰かをなぐさめる御伽話(ゲーム)の中でくらい……」
リリア:「世話さえすればずっと生き続けるくらいの絵空事でよいのかもしれん。」
リリア:「だが終わりがあるからこそ、共に過ごす時間を大切にしようと思えるのではないか?」
リリア:「……それに共に過ごす時間が長くなればなるほど、」
リリア:「別れは辛くなるものじゃ。」
マレウス:「……リリア?」
リリア:「さて! 寮長に談話室の占用許可も貰えたことだし、急いで招待状を学園中に配らねば。」
リリア:「ではな、マレウス!」
リリア:「土曜の夜、わしの最後の祝いの席じゃ。」
リリア:「きっと華やかな集まりになる。」
リリア:「絶対にすっぽかすでないぞ!」
マレウス:「最後の……」
マレウス:「祝いの席……。」
マレウス:「…………?」
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