【ストーリー】EPISODE 7-34 心配アプレンタス!

| EPISODE ◆ 7-34 心配アプレンタス! 深淵の支配者 |
登場人物
エース、デュース、リリア、セベク、クロウリー
テキスト全文
── ディアソムニア寮‐談話室 ──
エース・デュース:「頼み?」
リリア:「ウチの寮の1年生……セベク・ジグボルトのことじゃ。」
リリア:「もう入学して半年は経つのに、あやつに同学年の友だちができたという話をついぞ聞かん。」
エース:「あー……確かに。選択授業がいくつか一緒なんだけど、ちょっと浮いてるかも。」
デュース:「そうなのか? 僕は合同授業くらいでしか一緒になったことがないんだが。」
エース:「なんつーか、基本人をバカにする物言いなんだよね。」
エース:「同じグループになると」
エース:「「僕の足を引っ張るなよ、人間!」とか面と向かって言ってくるし……」
エース:「どんな話題でもマレウス先輩に結びつけて、先輩がいかにスゲーのかトーク始めるし。」
デュース:「そ、それは結構強烈だな……。」
エース:「ディアソムニア寮生って『ドラコニアン』が多い印象だけど、アイツはだいぶ極まってるってカンジ。」
デュース:「『ドラコニアン』って?」
エース:「あー、部活の先輩がそう呼んでたんだよね。」
エース:「マレウス・ドラコニアの追っかけ……っつーか、熱狂的ファンのこと。」
エース:「マレウス先輩ってすごい魔法士だし、なんかオーラあるし……」
エース:「憧れる気持ちはまぁ、わからなくもないんだけど。」
エース:「度が過ぎてると、ちょーっと……ね。」
リリア:「すまんのぅ。悪いヤツではないんじゃが、セベクはマレウスのこととなるとちょっとばかり……」
リリア:「いや、だいぶ視野が狭くなりがちなヤツでな。」
エース:「まさか頼み事って……セベクと仲良くしろとか?」
リリア:「いいや。ただ……」
リリア:「もしあやつが学園生活で袋小路にはまり、立ち尽くしているのを見かけたら……」
リリア:「迷宮住まいのトランプ兵どもよ。ちょいと背を小突いてやってほしい。」
デュース:「そこは「手助けしてやってくれ」じゃないんですか?」
リリア:「差し伸べられた手を素直に取れるのであれば、闇の鏡に選ばれておらんじゃろ?」
デュース:「うーん……確かに。」
エース:「つーか、この学園で「困ってるなら手を貸そうか?」って優しく声かけてくるヤツなんて……」
エース:「何かしら下心があるに決まってんでしょ。素直に手を取るほうがバカ。」
デュース:「うーん!! 確かにッ!!」
セベク:「リリア様〜!ベリージュースの追加を持って参りました。」
リリア:「待ちわびたぞ。せっかくだ、セベクも共に乾杯しようではないか。」
リリア:「お主が卒業まで共に切磋琢磨するライバルじゃ。」
リリア:「これを機に、他寮の生徒とも親交を深めるがよい。」
セベク:「――リリア様。」
セベク:「お心遣いは感謝しますが、僕は浅薄(せんぱく)な者どもと」
セベク:「馴れ合うつもりはありません。」
は?
セベク:「僕がナイトレイブンカレッジに籍を置く目的はただ1つ。」
セベク:「マレウス様の護衛として必要な知識と技術を身につけるため!!!」
セベク:「鍛錬の相手ならシルバーとディアソムニア寮生で事足りる。」
セベク:「脆弱な人間など、むしろ足手まといだ!! 親しくする必要などない!」
リリア:「…………はぁー。セベク、お主なぁ……。」
エース:「……あっそ。ま、オレらだってお前みたいなヤツとは絶対仲良くしたかないけどね。」
デュース:「お前、先輩の顔に泥塗ってんのに気づいてないのか?」
セベク:「フン。不必要なものを不必要と言ってなにが悪い。」
セベク:「リリア様はお優しいから、お前たちのような下々の者にも礼を尽くしてくださっているだけだ。」
セベク:「ありがたく思え。そして思い上がるなよ、人間!」
リリア:「これ! いい加減にせんか、セベク!」
セベク:「し、しかし……むぅ……。」
リリア:「まったく。幼い頃からバウルによく懐いていたとは聞いていたが……」
リリア:「本当に喋り方から考え方までお主の祖父に生き写しじゃ。」
リリア:「その若さでこうも頭が固くては、先が思いやられるぞ。」
リリア:「せっかく自分とは違う考えを持つ若者たちと触れ合う機会を得たのだ。それを無駄にするな。」
リリア:「お前が考えるより世界は広く、学ぶべきものは多くある。」
リリア:「自ら世界を狭めるでない。よいか?」
セベク:「リリア様……はい。申し訳ありません。そのお言葉、しかと胸に刻みます。」
セベク:「………………………………。」
セベク:「フンッ!」
エース:「駄目だこりゃ。リリア様のお言葉を全然心に刻めてねーじゃん。」
クロウリー:「ヴァンルージュくん。お話し中失礼しますよ。」
< >

